ROICツリーで読み解く経営戦略

野瀬義明(編著)

• 販売会社／発売会社: 中央経済社/中央経済グループパブ
• 発売年月日: 2025/01/17
• JAN: 9784502515217

商品レビュー

2025/03/16

1. ROI Cツリーと企業分析
- ROI C (Return on Invested Capital):
- ROI Cは企業の資本効率を示す重要な指標。
- テスラとトヨタのROI Cを比較し、両者の違いを分析。

- 比較の注意点:
- テスラは米国会計基準、トヨタはIFRSを採用しているため、直接比較には注意が必要。
- トヨタが2019年にIFRSに移行した際の影響も考慮。

2. テスラのROI Cの特徴
- 急上昇の理由:
- 2017年度からの固定資産と売上高の急増が要因。
- 固定資産は4年間横ばいで、売上高の増加が効率化に寄与。

- 資産回転率の分析:
- 有形固定資産回転率や無形固定資産回転率で、テスラはトヨタに対してわずかに優位。
- 投下資本回転率は相対的に大きな差がある。

3. ニデックと村田製作所のROI C向上策
- 運転資本回転日数の比較:
- ニデックは95日、村田製作所は163日で、ニデックが優位。
- 村田製作所は仕入債務回転日数が短く、取引条件に改善が見られる。

- ROI Cの数値目標:
- それぞれの企業はROICを数値目標として掲げ、その達成を目指す。

4. レゾナックのM&A戦略
- ポートフォリオの再構築:
- M&Aを通じて成長戦略を強化し、新興市場への進出を図る。
- 半導体材料事業へのシフトに注力。

- 経営判断の重要性:
- 短期的なROI Cの悪化を恐れずに、長期的な成長のための投資が求められる。

5. 老舗企業のROI Cと改善策
- 養命酒製造と森下仁丹の比較:
- 養命酒製造はROI Cが低下し、回復が見られない一方で、森下仁丹は回復傾向。
- 売上高営業利益率の悪化が養命酒製造の課題。

- 投資の効率性:
- 投資その他の資産からのリターンを本業に集中させる重要性。

6. アクティビスト・ファンドの影響
- 企業行動の変化:
- アクティビスト・ファンドが企業のROI Cに与える影響を分析。
- 企業の経営戦略に対する外部からの圧力がROI Cを変動させる。

7. 国際会計基準とROI C
- IFRSの導入:
- IFRSへの移行によって財務指標がどのように変わるかを検討。
- 日本新薬の事例を通じて、ROI Cツリーに与える影響を具体的に示す。

- 会計基準の違い:
- IFRSと国内基準の違いを理解することで、企業の財務状況を適切に分析する重要性。

8. 粉飾決算とROI C
- 粉飾の影響:
- 粉飾決算がROI Cに与える影響を数値で示し、問題点を浮き彫りにする。
- 売上の過大計上や経費の過小計上がROI Cにどのように反映されるかを分析。

- 投下資本回転率の理解:
- 粉飾決算時の投下資本回転率の悪化の理由を探る。