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昨日、若者たちは 講談社文庫
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昨日、若者たちは 講談社文庫

吉田修一(著者)

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昨日、若者たちは 講談社文庫

682

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 講談社
発売年月日 2025/01/15
JAN 9784065373309

昨日、若者たちは

¥682

商品レビュー

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2025/02/21
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オリンピックを題材にアジアの4つの都市を舞台にした短編集 人生の岐路に立たされた主人公たちを描いていて、なかなか面白い作品集でした。 以下、収録されている各作品の感想 香港林檎 時代の転換点にある香港と、人生の転換点にある主人公が重ねられるお話。最初のところでジャッキー・チェンを成龍と呼ぶのは何故かと思ったら主人公が香港の人という設定でした。 大きな転換点にあるものに対して、当事者以外が興味本位で気軽に話を聞こうとするのは、個人の人生に関してはやりすぎないようにしようと気をつけているけれど、国の変化に対してとかは自分もやっちゃいそうだなと思った。 上海蜜柑 かつては将来を期待されたスポーツ選手だったが引退して高校の臨時教員をしている主人公が、変わりゆく上海、恋人との関係の中で人生を考えるお話。 少年時代の思い出のエピソードが、そこだけで一つの小説にしても良いようなお話で、すごく心に残った。 落ちた蜜柑がエスカレーターに乗って進んでいくように、思い描いていたレールから外れても人生は止まらずに進んでいく。 ストロベリーソウル 家族と共に渡米するも、父親は当初の予定とは違う仕事をすることになり、結局両親と離れ、1人だけソウルの伯母の家で暮らす青年が主人公。 両親は学業に専念してもらいたいと考えているが、自分はスケートリンクの清掃の仕事をそのまま本業にしてしまっても良いと思っている。 そんな中、知り合ったフィギュアスケートを辞めようとしている少女に、主人公は頑張って続けてみるようアドバイスするが、そのままその少女と会うことはなかったというお話。 これは、結局主人公も親から頑張って学業を続けるように言われるけど、それを諦めようとしていて、少女と主人公が被っているんですよね。 そんな中、親は諦めずにアメリカで頑張っているというのは、「頑張ること」に対する世代間の感覚の違いなのかもしれない。 ラストは、諦めた夢は2度と取り戻せないようにも読めてちょっと寂しいお話でした。 東京花火 東京オリンピックが開幕される中、会社の同僚がオリンピックのそばにいたいというメッセージを残し行方不明となるというお話。 他の3編と比べるとあまり好きじゃなかったかな。オリンピックを神聖なものとして捉えすぎてる感じがちょっと苦手だったかも。

Posted by ブクログ