イーサリアム創世記

ローラ・シン(著者), 中山宥(訳者)

• 販売会社／発売会社: 筑摩書房
• 発売年月日: 2024/12/23
• JAN: 9784480837288

商品レビュー

2025/02/06

1. イーサリアムの創設と信頼性の重要性
- サトシ・ナカモトは匿名性を保っていたが、イーサリアムの創設者たちはオープンさと信頼性が重要であると考えていた。
- アンソニーは、プロジェクトの資任者が公に出るべきだと主張し、創設者を選ぶための議論が始まる。

2. 創設者の選定と内部対立
- ギャビンは、他のメンバーがほぼ初対面であることに驚き、イーサリアムの創設者になりたいと考えた。
- アミールという資本主義者の存在が競争を生み出し、彼が参加することへの疑念が浮かび上がる。
- ギャビンは自らの起業経験が評価されることを望むが、アンソニーは彼を初期メンバーの一員と見なしていた。

3. 予算と資金繰りの課題
- プロジェクトの資金繰りが厳しくなり、ビットコインの売却による収入が期待外れであった。
- ギャビンは、給料が市場水準を下回っていると感じていたが、非営利団体としての運営に対する理解が必要であった。

4. TheDA0の設立と法的課題
- TheDA0は、世界初の分散型ベンチャーファンドとして、誰でも参加できる形で設立された。
- しかし、法的な観点からトークンの販売が合法か否かが問題視され、SECはTheDA0トークンを証券とみなす可能性を示唆した。

5. ハードフォークの実施とコミュニティの反応
- TheDA0が攻撃を受けた際、資金を保護するためにハードフォークが必要とされ、その実施が決定された。
- コミュニティ内での意見が分かれる中、ハードフォークの必要性が議論された。

6. 攻撃者と資金流出の問題
- 攻撃者が資金を引き出そうとした際、RHGというグループが資金を救出するための計画を立てる。
- ハッキングの合法性と倫理的な問題が浮上し、コミュニティ内での対立が続く。

7. 取引所と市場の混乱
- FTXのハッキング事件が暗号通貨市場に影響を及ぼし、信頼の崩壊が広がった。
- SECの調査が行われ、規制の強化が進む中、暗号通貨コミュニティは分散型金融の重要性を再確認する。

8. まとめ
- イーサリアムおよびTheDA0の発展は、信頼性を重視したオープンなコミュニティの形成を目指し、数々の課題や対立を経て進展してきた。
- 法的および技術的な問題への対応が求められ、コミュニティ内での意見の相違が今後の方向性に影響を与えるであろう。