商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 中央公論新社 |
| 発売年月日 | 2024/12/06 |
| JAN | 9784120058608 |
- 書籍
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大観音の傾き
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大観音の傾き
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商品レビュー
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高さ百メートルにも及ぶ巨大な観音像が、仙台とおぼしき東北の街の丘に立っている。 かつて震災が一帯を襲ったとき、大観音は遠くの海のほうに顔を向けたまま、そこに立ち尽くしていることしかできなかった。 大観音が傾いている、と訴える人々が現れる。主人公の青年は、市役所の若手職員として訴え...
高さ百メートルにも及ぶ巨大な観音像が、仙台とおぼしき東北の街の丘に立っている。 かつて震災が一帯を襲ったとき、大観音は遠くの海のほうに顔を向けたまま、そこに立ち尽くしていることしかできなかった。 大観音が傾いている、と訴える人々が現れる。主人公の青年は、市役所の若手職員として訴えに向き合うことになる。 それは物理的な現象だったのか、それとも心のなかの問題なのか。傾きをめぐる問いが息長く展開してゆく。
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東北のとある街に立つ大観音、一部住人によるとそれが傾いているという。役所勤めを始めたばかりの修司がその事案を担当する中で、東日本大震災の痕跡に想い馳せ、また当時それを見つめていたはずの大観音のあり方について考える物語りだったと思います。詩的というか絵画的な、情景を想像させるような...
東北のとある街に立つ大観音、一部住人によるとそれが傾いているという。役所勤めを始めたばかりの修司がその事案を担当する中で、東日本大震災の痕跡に想い馳せ、また当時それを見つめていたはずの大観音のあり方について考える物語りだったと思います。詩的というか絵画的な、情景を想像させるような文章で好印象読了しました。震災で直接的な被害を受けた人、直接被害はないまでも傷を負った人など、多くの描写がありました。私自身は少し多すぎるぐらいにも感じました。星3つの評価としました。
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東北の大きな街の丘の上にそびえ立つ、巨大な全身純白の大観音。その大観音が傾いていると言って大観音の足元を懸命に押して傾きを直そうとしている老人達。市役所に勤める新人の修司は市民の声を聞くために大観音を訪れ、様々な人達と触れ合っていく……最初は奇想天外な発想の市民たちの苦情に振り回...
東北の大きな街の丘の上にそびえ立つ、巨大な全身純白の大観音。その大観音が傾いていると言って大観音の足元を懸命に押して傾きを直そうとしている老人達。市役所に勤める新人の修司は市民の声を聞くために大観音を訪れ、様々な人達と触れ合っていく……最初は奇想天外な発想の市民たちの苦情に振り回される新人職員のお仕事小説かと思っていました。完全に笑おうと思って読み始めた物語。結果、全く違うトーンの物語でした。 そもそもなぜ大観音が傾いていると思う人達が現れたかというと、その背景には東日本大震災があるのです。大観音を取り巻く人達の話を聞いていると、震災での辛い経験がポロポロと出てくる。皆がそれぞれ何かを抱えていてその苦しみの象徴が大観音のような気がします。 だから傾いた大観音を元に戻したいという人もいれば、壊してしまいたいという人、遠くから眺める人、そのままでいいという人、捉え方は人それぞれなのかな、と思ったりしました。 修司と大観音が交互に語り手になるのですが、大観音もあの日、ただ立って見ているだけで何もしてあげられなかったことを苦しく思っています。 設定はユニークでコミカルなのだけれど、全体にもの悲しさが漂っている物語でした。
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