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崑崙奴
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崑崙奴
¥2,475
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商品レビュー
4.7
3件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
古泉迦十氏の第2作が出るらしいと知ったのは、デビュー作『火蛾』が文庫化された2023年5月。その後さっぱり刊行されず、ガセだったかと思っていたが、2025年に入って書店の棚に1冊だけあったのを発見。昨年11月に刊行されていたようだ。 500p以上のボリュームと、2250円という価格。正直『火蛾』には戸惑ったし、舞台が唐時代の帝都・長安と聞いて益々警戒したが、読み始めると『火蛾』ほど読みにくくはない。登場人物の読みを何度も忘れることを除けば、むしろ読みやすい。 というのも、主人公の裵景(はいけい)が、序盤から連続猟奇殺人事件に巻き込まれて俗な展開になるからである。古代中国が舞台なんですよおい。そのまま成り行きで、兜(とう)とのコンビで調査に乗り出す。ほぼ主導するのは兜なのだが。 調査を進めるうちに、現代的に言えば「汚職」の構図が浮かび上がるが、ある取引の場が襲撃され、1人を除いて殺害されたという。大きな謎を残して。その謎はもちろん、連続猟奇殺人事件とどう繋がるのか、終盤までまったくわからない。 本作の背景には道教の思想があるのだが、もちろん理解できていません、はい。『火蛾』におけるイスラームの思想よりは、受け入れやすい。何より、『火蛾』と比較して、本作は欲望塗れなのだから。ある意味人間らしくて苦笑する。 ホワイダニットとして価値を見出せるかどうか、と『火蛾』の感想に書いたが、本作はホワイダニットとしてはもちろん、フーダニット、ハウダニットとしても読みどころが多い。少々アンフェアだが、本格のツボを押さえた1作と言える。 『火蛾』よりも一般読者に優しい作品なのは間違いないが、『火蛾』を本格ミステリ・ベスト10の第2位に推した方々が、本作をどう評価するのか興味深い。評論家筋の受けは悪そうな気がしないでもない。結果は今年の年末にわかるだろう。 それにしても、読んだ方なら同意していただけると思うが、大胆不敵なタイトルだよねえ。最後のあるシーンには唖然としたよ。第3作が何年後に出るのか、出ないのか、わからないが、24年ぶりに第2作を出した古泉迦十氏に拍手を。
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『崑崙奴』小説としては文句なしに面白く、謎とその真相が作品世界と不可分で結びついた大作でした。ただ、もう遠い記憶の彼方なんですが『火蛾』はミステリとしてもかなりめざましいことをしてた気がするため、それと比べるとトリックは「まあこんなもんか」という印象はあった。随分贅沢な話ですが。
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最高のエンタメミステリだった!! 探偵役の兜が鮮やかに謎を解決していく姿はかっこよくて、ワトソン役兼視点キャラクターの裴景が読者目線に近い性格&賢さレベルなのが親しみやすくて物語にぐいぐい引き込まれて楽しく読めました。 唐代中国という舞台設定に馴染めるか読む前は心配だったけど、普...
最高のエンタメミステリだった!! 探偵役の兜が鮮やかに謎を解決していく姿はかっこよくて、ワトソン役兼視点キャラクターの裴景が読者目線に近い性格&賢さレベルなのが親しみやすくて物語にぐいぐい引き込まれて楽しく読めました。 唐代中国という舞台設定に馴染めるか読む前は心配だったけど、普段あんまり中国の時代ものとか読まない人でも光景が想像しやすい表現をしてくれててスッと世界観に入り込めた。 いくつもの不思議な事件がひとつの真相に集束していく感じのミステリ好きだから、すごい楽しかった!!!
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