黒人理性批判 講談社選書メチエ815

アシル・ムベンベ(著者), 宇野邦一(訳者)

• 販売会社／発売会社: 講談社
• 発売年月日: 2024/11/14
• JAN: 9784065377932

商品レビュー

2025/03/20

新自由主義と人種
- 新自由主義は短期的な利益を追求し、代替可能な主体を生み出す。
- これにより、黒人の状況が普遍化し、他の従属的地位にある人々にも影響を与える。

人種差別の理解
- 黒人奴隷制度が引き起こした危機は、黒人に限らず全ての従属的地位にある人々に広がる。
- 植民地的論理や戦争の影響が、現代の人種差別の理解において重要である。

ゾーニングの実践
- 経済的・生物学的な共犯関係が、国家の枠を超えたゾーニングの実践を強化する。
- ゾーニングは、非組織化された帝国主義がもたらした災厄を生み出し、例外状態を増殖させる。

黒人のアイデンティティ
- 新しい存在の規範としての黒人の制度化が、世界全体に普遍化する過程を示す。
- 欧米の言説における「人間」に対する中心的なイメージが変化している。

文化的・政治的想像力
- 黒人の自己同一性を再確認することが重要であり、文化形態の多様性を強調する必要がある。
- 黒人のアイデンティティは、歴史的背景や社会的文脈と深く結びついている。

結論
- 本書は、黒人になることが単なるアイデンティティの問題ではなく、現代社会における普遍的な価値観の転換を含むことを強調する。
- 植民地的歴史を乗り越え、共感を持ちながら新たな未来を創造することが求められている。

2025/01/04

非常に良かった。示唆に富み、また、「黒人」は何であったか、何であるか、何であろうとするかを解く思索を追っていくことは極めて興味深いことだった。ムベンベのことは知っていたが、初めて著作を読み、こんなにも素晴らしいなんて、と感動。ファノンの本も追々読みたい。