商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 宝島社 |
| 発売年月日 | 2024/11/06 |
| JAN | 9784299053039 |
- 書籍
- 文庫
ホモ・サピエンスの誕生と拡散
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ホモ・サピエンスの誕生と拡散
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本書のテーマと研究手法 本書は、現生人類(ホモ・サピエンス)の生物学的起源から世界各地への拡散、そして日本人の成立に至る壮大な歴史を、人類学、考古学、そして最新のDNA研究に基づいて解説する。 日本人の成立史は、人類全体の起源と拡散という大きな流れの一部であり、シームレスに繋が...
本書のテーマと研究手法 本書は、現生人類(ホモ・サピエンス)の生物学的起源から世界各地への拡散、そして日本人の成立に至る壮大な歴史を、人類学、考古学、そして最新のDNA研究に基づいて解説する。 日本人の成立史は、人類全体の起源と拡散という大きな流れの一部であり、シームレスに繋がっていると強調される。 人類進化の研究は、化石研究に加え、DNA解析技術の登場によって飛躍的に進歩した。DNAは人類の歴史を刻んだ「歴史書」として解析され、集団の分岐年代推定(分子時計)や移動ルートの解明に貢献している。 DNAの突然変異(特に自然淘汰に影響しない中立的な変異)が進化の原動力の一つであり、その蓄積パターンが系統関係を示す。 人類の進化とホモ・サピエンスの誕生 人類の歴史は約700万年前、チンパンジーとの共通祖先から分岐し、サヘラントロプス(部分的な二足歩行の可能性)が登場したことに始まる。 その後、ホモ属(ホモ・ハビリス、ホモ・エレクトス等)が現れ、石器を使用し、ホモ・エレクトスは初めてアフリカ外へ進出した。 火の使用は、食生活を大きく変えた「第二の技術革命」であった。 約20万~30万年前にアフリカでホモ・サピエンスが誕生したとする「アフリカ起源説」が有力。 近縁種としてネアンデルタール人(ヨーロッパ中心、高度な文化を持つ)やデニソワ人(アジア)が存在し、ホモ・サピエンスと交雑していたことがDNA解析で判明。このため、現代的な「多地域進化説」も支持を集めている。 ホモ・サピエンスは、表象思考能力(記号・象徴の使用)を獲得し、約5万年前頃から現代人に近い複雑な行動様式を示すようになった。 ホモ・サピエンスの世界拡散 約6万年前の「出アフリカ」が、現在のアフリカ外の全人類の起源となった。1万人未満の小集団がアフリカを旅立ったとされる。 主な拡散ルートは、紅海を渡る「南方ルート」経由でアジアの海岸沿いを東進し、航海技術を用いて約4万年以上前にオーストラリア大陸(サフールランド)へ到達したと考えられている。 一部は北上し、極寒のシベリアへも進出(約4万5千年前)。 約2万年前の最終氷期には、ベーリング海峡が陸橋(ベーリンジア)となり、アジアからアメリカ大陸へ人類が移住。内陸回廊ルートと太平洋沿岸ルートが考えられている。 日本人の成立史 日本列島には約4万年前にホモ・サピエンスが到達した(旧石器時代)。 現代日本人のルーツは単一ではなく、ミトコンドリアDNAは多様。 約1万6千年前から縄文時代が始まり、狩猟採集を基盤とする人々(縄文人)が定住。土器の使用、独特の風習(抜歯等)が見られる。DNA的には時代を通じて連続性がある。北海道縄文人は北方アジアとの繋がりが強い。 アイヌの人々は縄文人の遺伝子を多く受け継ぐが、ユーラシア北東部との関連が深い集団と考えられる。 約3千年前から弥生時代が始まり、大陸から水稲耕作や金属器が伝わる。 渡来系弥生人と縄文人の混血が進んだが、そのプロセスは複雑で地域差が大きい。当初は生活様式の違いから住み分けがあった可能性も。渡来系集団の人口増により、現代日本人のゲノムの多くは渡来系由来となった。 鎌倉時代には、現代日本人とほぼ同じ遺伝的な基盤が形成されていた。 江戸時代には、本土全体で現代的な遺伝構成が確立。 結論と現代 現代日本人は、アフリカを出発した多様な人類集団が、旧石器時代、縄文時代、弥生時代という長い時間をかけて日本列島へ渡来し、混血・融合を繰り返して形成された。日本人成立史は人類の壮大な拡散史と不可分である。 現代のグローバル化は人類の大移動の延長であり、今後、遺伝的な融合はさらに進み、人類全体がフラット化していく可能性がある。
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ホモサピエンスが6万年前に出アフリカに成功して、世界中に広がる年代について、新しい学説を消化して書かれた本でした。私が不思議に思っていたのは、6万年前まで人類はなぜアフリカに留まっていたのだろうということでしたが、この本で実際のことがわかりました。 実際には人類は何度も出エジ...
ホモサピエンスが6万年前に出アフリカに成功して、世界中に広がる年代について、新しい学説を消化して書かれた本でした。私が不思議に思っていたのは、6万年前まで人類はなぜアフリカに留まっていたのだろうということでしたが、この本で実際のことがわかりました。 実際には人類は何度も出エジプトの挑戦をして、その子孫が繋がった出エジプトが6万年前だったということです。イスラエルには18万年前とか10万年前とかのホモサピエンスの人骨遺跡が残っています。だからあくまで世界各地に広がることができた出アフリカが6万年前にアフリカを出たグループだったということなのです。 そしてこの当時、数百人から数千人のホモサピエンスが出エジプトをするのですが、その時の40血族(ハプログループ)のうち僅か2血族のみが子孫を繋ぐことができたということなのです。したがって世界中の人類はすべてこの2つのハプログループの子孫だということになり、肌の色や髪の色など人種間の区別はすべて後天的な属性ということになります。 各大陸に広がった時期についても、従来の通説よりももっと早い時期に世界に拡散しているようです。
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