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アグロエコロジーへの転換と自治体 生態系と調和した持続可能な農と食の可能性
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アグロエコロジーへの転換と自治体 生態系と調和した持続可能な農と食の可能性

関根佳恵(編著), 関耕平(編著)

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アグロエコロジーへの転換と自治体 生態系と調和した持続可能な農と食の可能性

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 自治体研究社
発売年月日 2024/10/15
JAN 9784880377742

アグロエコロジーへの転換と自治体

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2025/05/16

気候危機克服とアグロエコロジーへの転換の必要性 本書は、気候変動の深刻化と食料危機を背景に、「生態系と調和した持続可能な農業」であるアグロエコロジーへの転換を提唱します。経済的価値偏重からの脱却と使用価値の見直しを促し、日本の農山村が直面する疲弊や耕作放棄地の増加、工業的農業によ...

気候危機克服とアグロエコロジーへの転換の必要性 本書は、気候変動の深刻化と食料危機を背景に、「生態系と調和した持続可能な農業」であるアグロエコロジーへの転換を提唱します。経済的価値偏重からの脱却と使用価値の見直しを促し、日本の農山村が直面する疲弊や耕作放棄地の増加、工業的農業による生物多様性喪失といった課題を指摘します。持続可能な農山村の維持・発展のため、農産物価格保障や所得補償を含む大胆な政策転換の必要性を強調します。 食料・農業基本法改正とアグロエコロジーへの逆行懸念 食料安全保障を主要な柱とする食料・農業・農村基本法改正案に対し、本書は自己責任論や国家安全保障への変質、食料自給率目標の曖昧化、増産命令と罰則による農家への圧力など、その内容を批判的に分析します。中小・家族経営の軽視や大規模経営の脆弱性を指摘し、フランスの「エガリム法」を参考に、公共調達を通じた地元有機食材の活用など、アグロエコロジーを推進する政策の必要性を主張します。 アグロエコロジーを支える多様な主体と原則 経済、社会、環境、文化的に持続可能な生産システムであるアグロエコロジーは、多様性、ネットワーキング、主権を原則とし、その実践には農家だけでなく、自治体、NPO、消費者、JAなど多様な主体の連携・協働が不可欠です。地域の実情に応じた自治体のきめ細やかな支援が求められ、住民・市民全体が担い手となりうる可能性を示唆します。 地域に根差したアグロエコロジーの実践事例 岐阜県白川町での移住者による有機農業支援、北海道中川町での放牧酪農への新規参入支援、アニマルウェルフェアと6次産業化の推進、かつての農山村における地域資源の循環的利用の現代的再生など、アグロエコロジーの実践事例を具体的に紹介します。東京都町田市での子ども向け自然菜園クラブや、JAあまるめにおける有機農業への取り組みなど、多様な主体によるアグロエコロジーの展開を示します。 有機農業推進法と地域支援型農業(CSA) 化学肥料・農薬・遺伝子組み換え技術を使用しないことを基本とする有機農業推進法が、アグロエコロジーの考え方と一致することを示唆します。また、農業家と消費者が契約し、事前に代金を支払い農産物を定期的に受け取る地域支援型農業(CSA)を紹介し、農家の経営安定と消費者の新鮮な農産物へのアクセスという双方のメリットを強調します。 失われた地域資源の循環と持続可能な社会への道 かつての農山村に存在した奥山、里山、水田を結びつけた地域資源の循環的な利用と保全の営みが、化石燃料の普及などにより失われた現状を指摘します。しかし、化学肥料や輸入飼料の価格高騰などを背景に、国内自給が求められる中で、かつての知恵を見直し現代的に再生することの重要性を主張します。自然と向き合い、生態系の力を活用した地域資源の有効利用が、持続可能な社会の実現に不可欠であることを示唆します。 食の民主主義と未来への展望 食と農業は私たちの生活に不可欠でありながら、政策決定プロセスが狭くなりがちな構造を指摘します。多様な価値観を認め合う現代において、「安定した食料供給」は基本的な土台であり、本書はアグロエコロジーへの転換という取り組みを後押しし、食の民主主義へ向かう道筋を示すことが期待されると結論付けています。

Posted by ブクログ