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安部龍太郎(著者), 門井慶喜(著者), 阿部智里(著者), 澤田瞳子(著者), 川越宗一(著者), 永井紗耶子(著者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 文藝春秋
発売年月日 2024/10/10
JAN 9784163919034

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商品レビュー

4.3

4件のお客様レビュー

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2024/12/05

日本財団「海と灯台プロジェクト」から生まれた紀行。近年の流行作家門井慶喜、澤田瞳子、阿部智里、川越宗一、永井紗耶子、安部龍太郎。それぞれある地域の灯台を3カ所訪れ時空を超えて想いに馳せる。 映画「喜びも悲しみも幾歳月」の世界は遠い過去。無人化さらにGPSの普及により灯台は役目を終...

日本財団「海と灯台プロジェクト」から生まれた紀行。近年の流行作家門井慶喜、澤田瞳子、阿部智里、川越宗一、永井紗耶子、安部龍太郎。それぞれある地域の灯台を3カ所訪れ時空を超えて想いに馳せる。 映画「喜びも悲しみも幾歳月」の世界は遠い過去。無人化さらにGPSの普及により灯台は役目を終えつつある。 とはいえ灯台の立つ場所は古代からの交通の要衝。異国との貿易の出発点、文化が交わる場所でもあった。 地域の海の記憶を辿り、新たな海洋体験を 灯台とともに

Posted by ブクログ

2024/11/26

日本に約3000基ある灯台の役割や多様な価値について知ってもらおうという趣旨で進められている「海と灯台プロジェクト」。主体は一般社団法人・海洋文化創造フォーラムで共催が日本財団と海上保安庁である。そのプロジェクトの一環として企画されたのが、灯台が果たしてきた地域固有の役割や機能、...

日本に約3000基ある灯台の役割や多様な価値について知ってもらおうという趣旨で進められている「海と灯台プロジェクト」。主体は一般社団法人・海洋文化創造フォーラムで共催が日本財団と海上保安庁である。そのプロジェクトの一環として企画されたのが、灯台が果たしてきた地域固有の役割や機能、存在価値を物語化して知らしめようという取り組み。本書はそれに基づき19基の灯台を6人の著名な作家が分担して現地取材し、紀行文集として取りまとめたもの。 灯台の建築技術や歴史、地域との関わりについて様々な観点から語られ、読み進めるうちに少しずつ灯台への関心が高まってくる。 しかし、門外漢の私には歴史作家や描写力のある作家の語りには少々、退屈で疲労感を覚えたというのが正直なところ。むしろ、ファンタジー作家で自信もミスチョイスでないかと思ったという阿部智里氏の大衆性をベースにした書きぶりに親近感を覚え、ほっとした。 それはともかく、灯台に関して基礎的で大事なことだと思った点を幾つか挙げておく。 ①江戸幕府に対し、西洋各国は航路を照らす灯台の必要性を主張、条約を協定させ、8つの灯台を建設させた。その第1号として、明治2年に初点灯したのが観音埼灯台 ②灯台は、西洋人の航路に配慮して、太平洋、東シナ海、瀬戸内海、日本海の順で建てられた ③徳川末期にイギリスから来日し約7年半で26基の灯台を建てたリチャード・ヘンリー・ブラントンは日本の「灯台の父」と呼ばれた ④灯台の灯りはフレネルレンズという大きなレンズからプリズム状の光を投げかけ約30~50キロメートル先まで届く ⑤海路を守る灯台は軍事的な価値もあったため、太平洋戦争では、攻撃目標にされた  ⑥GPSなど航海技術が発達した今日、灯台は航路標識としての役割を終えつつあり、文化財や観光資源としての面がクローズアップされている これら以外にも、トピックネタとして面白いと思った点を挙げておく。 ①島根県の出雲日御碕灯台は、駐車場完備、お土産屋、食堂もあり、灯台内部は一般公開され、観光スポットになっている  ②高知県室戸岬灯台のレンズの直径は2.6メートルで光達距離約49キロの第一等フレネルレンズ ③三重県安乗埼灯台は全国でも珍しい四角形の灯台。映画「喜びも悲しみも幾歳月」の舞台にもなった ④点灯してから1分以内に生じるエメラルドグリーンに光る瞬間を見たいという灯台ファンが多い ⑤富山県の生地鼻灯台は灯塔を白黒2色に塗られているので、パンダ灯台の愛称で呼ばれている

Posted by ブクログ

2024/11/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

GPSの進歩により、灯台がその役割を終えていっているという事実を初めて知った。 「海と灯台プロジェクト」協力のもと、灯台が存在することの意義を、その土地のあらましや歴史、灯台を守ってきた人々にスポットライトを当てることで言語化した、6名の作家さんによる紀行文。 作品を読みながら旅行気分に浸れるので愉しい。作家のみなさんが灯台の中の螺旋階段を登り、灯台室に入られる場面のわくわく感が伝わってきた。フルネルライトを初めて検索したが、見事なライトであった。 灯台の父と呼ばれるイギリス人のブラントンさんという方が、菜種油で火を灯す木造の灯明台が主な海の道標だった日本に、西洋式の灯台をもたらした。また、戦時中は灯台が攻撃の対象になったこと、灯台がある場所には神社があることなども知ることができた。 絶滅危惧種ともいえる灯台に、何を感じ、何を見るかは、そのひとの感応力によるのかもしれない。 灯台が海をわたる人々の命を守るために重要な役割を果たしてきたことは、時を経ても語り継がれなければならないと思った。

Posted by ブクログ