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編集を愛して
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商品レビュー
3
2件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
「王様のブランチ」の本の紹介コーナーで有名な著者の、編集者としての仕事を振り返った半生記といった内容。 なんとなく、呼ばれることがあるんだな。 先日、『文にあたる』(牟田都子著)に興味を持ったときと同じような気持ちで、書店の書棚にならぶ本書を手に取ってみたが、すぐには求めなかった。表紙の温かみのあるイラストが印象に残っていて、何か読む本を、と、もう一度、その書店に立ち寄ったときは、本書を探していた。 編集の仕事の一環でもある、本の装丁をいかにするか? だが、まさに、その装丁の勝利とも言える一冊。ちなみにイラストは南伸坊氏、著者も信奉するデザイナーだ。 書下ろしではなく、1980年代から、著者がかかわった「全集」の裏話を中心に、仕事でかかわった人間関係を楽しく語ってきかせてくれるもの。 書物、本、が好きな人なら、いろんなトピックスで、笑えたり、感心したり、モノづくりの楽しさを味わえることだろう。 で、なにが呼ばれたか? というと、著者もうちの地元に所縁のある人だったのだ。でもそれは小学生の頃だけど(牟田都子氏は現在地元在住だ)、うちの前の住所の最寄りの小学校が学び舎だったとは!? しかも、そこで図工を教えていたのが安野光雅だったという。安野氏とのその後の仕事っぷりも楽しいが、要は、小学校のときの先生を巻き込んで仕事してたのかと思うと、ものすごい縁だな、と思う。 安野光雅らと編んだ『ちくま文学の森』、鶴見俊輔をさらに加えて『ちくま哲学の森』など、機会があれば手に取ってみようと思う。 作る側の思いも分かった上で読んでみると、また違った見え方があるのだろうと思う。
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わたしのだいじな成分、ちくま文庫&学芸文庫、ちくま文学の森、今はなき月刊誌「頓知」、そしてちくまプリマー新書の生みの親、松田哲夫さんのエッセイ集。 東京新聞(中日新聞)に連載された「アンソロジーは花盛り」、「本の雑誌」に連載された「装丁でたとこ評論」「装丁大福帳」などがまとまり(...
わたしのだいじな成分、ちくま文庫&学芸文庫、ちくま文学の森、今はなき月刊誌「頓知」、そしてちくまプリマー新書の生みの親、松田哲夫さんのエッセイ集。 東京新聞(中日新聞)に連載された「アンソロジーは花盛り」、「本の雑誌」に連載された「装丁でたとこ評論」「装丁大福帳」などがまとまり(←どれも未読だったのでありがたい)、その他あちこちの雑誌やメディアに載った記事や既刊本の一部を集めて、編集に明け暮れした半生をふりかえっている。 文学・哲学の森の編者たちをはじめともに本をつくった作家や漫画家らも次々に世を去り、ご自身も難病を得て(気になっていた近況についても書いてくださっている)思うにまかせぬ日々のようだが、巻末のことばは力強い。(とはいえ、我が母と同年輩か⋯くれぐれもご無理のないように⋯)
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