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楽園の夕べ ルシア・ベルリン作品集
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楽園の夕べ ルシア・ベルリン作品集

ルシア・ベルリン(著者), 岸本佐知子(訳者)

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楽園の夕べ ルシア・ベルリン作品集

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 講談社
発売年月日 2024/09/26
JAN 9784065332290

楽園の夕べ

¥2,860

商品レビュー

4.8

5件のお客様レビュー

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2024/11/03
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※このレビューにはネタバレを含みます

子どもの頃よりあちこちに住み、結婚離婚✖️3、息子4人、シングルマザーにして職業をいくつか、そして大学教師、アルコール中毒と、これでもかの人生経験。日本の私小説作家が書いたら、恨みや悲しみのお涙頂戴にも出来そうなのに、彼女の場合、全く、微塵も湿っぽくなく、ドライなのが素晴らしい。『リード通り、アルバカーキ』『桜の花咲くころ』わたしの人生は開いた本』が特に気に入りました。

Posted by ブクログ

2024/10/28

「ルシア・ベルリンの書く文章はほかの誰とも似ていない。(中略)読んだときは文字であったはずのものが、本を閉じて思い返すと、色彩や声や匂いをともなった「体験」に変わっている」 (あとがきより) 『掃除婦のための手引書』で度肝を抜かれて以降、 『すべての月、すべての年』に続く3冊目...

「ルシア・ベルリンの書く文章はほかの誰とも似ていない。(中略)読んだときは文字であったはずのものが、本を閉じて思い返すと、色彩や声や匂いをともなった「体験」に変わっている」 (あとがきより) 『掃除婦のための手引書』で度肝を抜かれて以降、 『すべての月、すべての年』に続く3冊目の本書でも、まだ、ルシア・ベルリンの文章には驚かされることばかり。参りました。(好き)

Posted by ブクログ

2024/10/20

『波瀾万丈というには余りに過酷なシチュエーションなのに、自己憐憫やウェットさは微塵もない。初期レイモンド•カーヴァーとも違って、ストーリーとしてよりカラフルだけれども、一切無駄のない言葉選びと細部に注がれる視線の鋭さは共通している。』ー掃除婦のための手引書 『いつだって彼女の視...

『波瀾万丈というには余りに過酷なシチュエーションなのに、自己憐憫やウェットさは微塵もない。初期レイモンド•カーヴァーとも違って、ストーリーとしてよりカラフルだけれども、一切無駄のない言葉選びと細部に注がれる視線の鋭さは共通している。』ー掃除婦のための手引書 『いつだって彼女の視線はクールだ。どの物語も、安易な同情や温かい眼差しが入り込む余地がないくらい研ぎ澄まされ、結末ではすっぱりと断ち切るように放り出される。 それでも愛としか呼びようのない人間臭さが、読了後に心に残る。』ーすべての月、すべての年 自分が書いた書評を再度載せるのもなんだが、陳腐であれ本書を読んでも、浮かぶ想いは同じだ。 だが、本書を読んで改めて思うのは、収められた短編たちはルシア・ベルリンの人生を下敷きにしていても、そこに留まらない普遍的な豊かさを差し出しているということだ。 抱え込んだ悲惨さとドタバタな下世話の中に、ユーモアがある。ジョークにしないと吐き出せないことがある。目を背けてやり過ごしていても、足元には、馴染み深い奈落が昏い口を開けて待ち構えていることにハッとする瞬間がある。 そして同時に、むせかえるような生きる悦びがある。 凝縮された人生の一場面に、真理とも啓示とも名付け難い何かが差し込んで、ふっと照射したのち、通りすぎてゆく。それをはっきりと捉えることはできないが、忘れられないシーンが胸に刻まれる。 幼い手で橋の欄干から投げられる硬貨。 七色に燃える精錬所の煙は友の瞳に映り込み、夏夜の端から溢れんばかりに星が流れる。 家族から離れて独り立ちした旅立ちの日に、飛行機から見たコーラルピンクに染まった砂漠の寂寥。 “ストーリーがすべて”というルシアの言葉通り、ここには心を掴んで離さない、短編小説を読む愉しみが詰まっている。

Posted by ブクログ

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