男装の天才琵琶師 鶴田錦史の生涯 朝日文庫

佐宮圭(著者)

• 販売会社／発売会社: 朝日新聞出版
• 発売年月日: 2024/08/07
• JAN: 9784022621009

商品レビュー

2024/12/02

世の中は多種多様とつくづく感じいる。
こういった社会があった事は全く知らなかった。
無論、芸事の師範ヒエラルヒーの汚さは表面とは大きく異なることはある程度見聞きしていた「お茶、お花をかじった経験があって）

年取っての両親の生まれた私だけに、母は同級生に比べ高齢・・この作品のキクエと同い年。
そんな関心もあり、キクエと冨美を軸とした明治末～平成中期に至る社会ノベライズとしては読めた。

しかし何といっても情実の様に、「琵琶と奏者の世界」は全く関心が無く、周囲も同じ。
読みながら、キクエの長ずるに従っての脱皮の在り様は「さもあらん」的・・世相作品とかして行ったことは結果的にやむを得なかったとはいえ。。

日本という国の、いや世界至る所同じと思える「男と女、そして性的嗜好と搾取」その結果の崩れていく人間性。

冨美の述懐、キクエの語る人生はネガとポジを秤にかけて語る資格は読み手にない。

彼女たちには琵琶があった

2024/09/12

ノヴェンバー・ステップス
天才女流琵琶師の誕生
美少女琵琶師の登場
熾烈な権力闘争の果て
輝ク部隊
事業家への転身
櫻玉から錦史へ
水の輪と霜月の段
散り果つるまで
彼女たちに琵琶があって、本当によかった：
自分の方が技術的に劣っていることを理解しつつトップであることを演じ切る・強く見せなければいけない
自分の実力と立場との折り合いがつかない→自分との戦い
すべてを捨てて闘い続けてきた鶴田錦史・笑顔すら奪われた水藤錦穣ー彼女たちには琵琶があった