コンピューター誕生の歴史に隠れた6人の女性プログラマー 彼女たちは当時なにを思い、どんな未来を想像したのか

キャシー・クレイマン(著者), 羽田昭裕(訳者)

• 販売会社／発売会社: 共立出版
• 発売年月日: 2024/07/30
• JAN: 9784320006195

商品レビュー

2024/11/01

ENIACのプログラム技師6人。
ジーン・ジェニングス、キャスリーン・マクナルティ(ケイ)、フランシス・エリザベス・スナイダー(ベティ)、フランシス・ビーラス(フラン)、マーリン・ウェスコフ、ルース・リクターマン。
もともとは弾道計算のために数学科を卒業した女性が集められ、1945年にENIACに関わるまでは、それぞれ女性差別を受けながら弾道計算に携わっていた。
ENIAC以前、弾道計算は卓上計算機や微分解析機をつかったが、よく数字の打ち間違い、計算結果の写し間違い、キー操作ミスなどのヒューマンエラーを起こしていた。
1つの軌道を計算するのに30-40時間かかり、大砲の種類や弾丸の種類、気温等の因子に左右されるので、それらをまとめた「射表」を作成する必要があった。
戦時中は多くの男性が軍のリソースにとられていたため、適切な技術を持った女性を見つける必要があった。
彼女らがENIACチームとして集められてから実物に触れるまでには相当な時間があり、IBMのカード読み取り機、穿孔機、整列機、作表機の使い方を学び、弾道研の性能試験場を視察し、ENIACの設計図、配線図、ブロック図を勉強した。
累算器、高速乗算器、除算・開平器、開始ユニット、周波ユニットなど。
手探りでプログラムする方法を模索。ダイレクトプログラミング。並列プログラミング。
ENIAC技師らと共同でデバック作業、途中で停止させるための物理的なブレイクポイント。
公開実験の直前ぐらいで、手作業で30-40時間かけていた軌道計算を20秒程度で行えるようになる。
ENIACの公開実験成功の裏で活躍した、女性プログラマーの物語。

2024/09/17

ムーア校の計算チーム　1942年～

数学専攻の女性を探して
異質な存在
基地の片隅に佇んで
他人の功績を認めなさい
事が順調に運んでいない
加算機とレーダー
ウォルナット通り3436番
地下室の怪物
失われたメモ
「ゴールドスタインに金を出してやれ」
戦時の暗黒の日々
「あれほどの機械が、あんなたった一つのことをするために」
キスの橋
電気は怖い？
彼女のやり方で学ぶ
ハゲタカに囲まれて

ムーア校でENIACをプログラムし、デバッギングする　1945年～

学部長の控えの間
新たなプロジェクト　　
分割して統治せよ
問題を操作の列にする
途方もなく大きなもの
プログラムとペダリングシート
ベンチテストとベストフレンド
並列プログラミング
サインとコサイン
ENIACルームは彼女たちのもの！
公開実験の日を前にして最後まで残ったバグ
公開実験の日、1946年2月15日
奇妙なアフターパーティー

性能試験場で稼働し続けるENIAC

百年問題と求められたプログラム技師
ムーア校の講義
彼女たち自身の冒険
アバディーンとその周辺のENIAC5
新たな人生

エピローグ　再会

あとがき
　キャスリーン（「ケイ」）・マクナルティ・モークリー・アントネッリ（1921-2006）
　ルース・リクターマン・タイテルバウム（1924-1986）
　フランシス・ビーラス・スペンス（1922-2012）
　マーリン・ウェスコフ・メルツァー（1922-2008）
　ジーン・ジェニングス・バーティク（1924-2011）
　フランシス・エリザベス（「ベティ」）・スナイダー・ホルバートン（1917-2001）