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星の嵌め殺し
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星の嵌め殺し

川野芽生(著者)

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星の嵌め殺し

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 河出書房新社
発売年月日 2024/07/29
JAN 9784309032009

星の嵌め殺し

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商品レビュー

4.5

4件のお客様レビュー

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2024/10/30

高潔なるたましいを乗せた短歌。 レビューを書こうとしたら、そんな言葉が出てきた。 川野芽生さんは新聞のインタビュー記事でその存在を知り、興味を持ち、その後、第一歌集の『Lilith』を図書館で借りたのだが難しくてやむなく途中棄権。 それなのに、第二歌集の今作を借りてきてしまったの...

高潔なるたましいを乗せた短歌。 レビューを書こうとしたら、そんな言葉が出てきた。 川野芽生さんは新聞のインタビュー記事でその存在を知り、興味を持ち、その後、第一歌集の『Lilith』を図書館で借りたのだが難しくてやむなく途中棄権。 それなのに、第二歌集の今作を借りてきてしまったのは、やはりとても気になる歌を詠む存在だから。 〈オフェーリア、もう起きていい。死に続けることを望まれても、オフェーリア〉 この歌集を読み通したあと、帯のこの歌を読むとさらに痺れるものがある。 神話や唐詩、澁澤龍彦… 私には縁のなかった世界の言葉が次々出てきて圧倒される。 第一部 鏡と神々、銀狼と春雷の冒頭の連作『燃ゆるものは』から数首。 〈凍星よわれは怒りを冠に鏤(ちりば)めてこの曠野(こうや)をあゆむ〉 〈交配を望まりしに花とふつめたき顔を吊るす蘭たち〉 〈変若水(をちみづ)を月より持ちて来し者に目鼻なし もういらないと言ふ〉 〈春の海つたなく荒れて拾いたる硝子は魚の義眼なりしか〉 〈乗船のごとく纏えりひたむきに薄き生地より成るワンピース〉 *** 哀しみに変わり果てようとする怒りを、怒りのままうつくしく短歌という杯におさめて、読者に分け与えているように思える。 川野さんの『かわいいピンクの竜になる』というエッセイもおすすめ。 川野さんの美意識がかっこいいのです。

Posted by ブクログ

2024/09/18

何これ~!とページをめくった瞬間思いました。 全然わかりません。 ちなみにこれは歌集なんですけど、文語で読めない難しい漢字がたくさんあります。 一瞬、短歌が嫌いになりそうな気がしました。 図書館にリクエスト票を出してせっかく借りたので、最後まで読みました。 でも、繰り返し読んでい...

何これ~!とページをめくった瞬間思いました。 全然わかりません。 ちなみにこれは歌集なんですけど、文語で読めない難しい漢字がたくさんあります。 一瞬、短歌が嫌いになりそうな気がしました。 図書館にリクエスト票を出してせっかく借りたので、最後まで読みました。 でも、繰り返し読んでいるうちに言葉がとても美しいことに気づきました。 いいと思った歌を載せます。 読めない漢字がある歌はパソコンで入力できないので載せていません。 <くりかへす空約束の安けさに 忘れて。 さみしいつて言ったことなど> <花々を愛でたさに木を並べゆく街並み 木々は花器にあらぬを> <月に棲むけだものの歯を恋ひながら噛み砕く春の氷砂糖よ> <天使の屍跨ぎて街へ出でゆけば花は破格の値でうられをり> <じゃがいもの皮を片手で剥く業に熟達したり老いて男は> <スノードームの雪が降り止むやうに世は消え、音のなきスタッフロール> <友人ときみを呼ばない電飾の街にまたたく千の虹彩> <ショートケーキの苺のやうに取っておく心臓、それはかつてショパンの> <海に向き列車の扉いつせいに開くとき海もまぶた開きぬ> <日の光傾くかたへ差し伸ぶる手に黄金いろの蜜柑のこりぬ> <転生をかさねひとみなひとたびはこのはなびらのひとひらなりき> <はるのゆき 少女のやうな少年に一度生まれてみたかったこと> <すぐ消えるきらめきと呼ばれつづけつつわたしたち永遠にうつくしい> <反逆のひとつと思へりこのほしに亡国の姫として在ること> <殺し屋の女の映画見にゆかな紅きリボンを旗印とし> <涙代わりのビジューを裾に縫ひ止めて、おそれない。どんなひかりも海も> <ばらいろのマカロンによろこぶときも昼月のごとくそこにゐる鬱> <夕闇に庭沈みゆく 生き延びてわれらが淹るる黄金のお茶> <星々の眼がぼくらを撃つとして おいで。 ひかりを見せてあげるよ> <王子を殺して人魚にもどれるものならば。 水飲みてみづからだに揺るる> <いかなる神の前へもこの姿でゆくよ。 海のフリルが白さを増して> 追記 なんか、書き写していたら素敵な歌ばかりのような気がして、この歌集欲しくなってしまいました。

Posted by ブクログ

2024/08/10

今までの短歌、小説、評論を読んできているからでもあるけれど、川野芽生さんという作者の存在の重さを絶えず感じながら読んだ。 春昼よ完璧なレースのなかにきみと編み込まれてしまひたい 他の方の短歌であれば恋愛の歌かな?とも思ってしまうが、川野さんなら違うだろうという風に思ってしまっ...

今までの短歌、小説、評論を読んできているからでもあるけれど、川野芽生さんという作者の存在の重さを絶えず感じながら読んだ。 春昼よ完璧なレースのなかにきみと編み込まれてしまひたい 他の方の短歌であれば恋愛の歌かな?とも思ってしまうが、川野さんなら違うだろうという風に思ってしまって、良くも悪くも特別な作家なのかな、と。 凍星よわれは怒りを冠に鏤めてこの曠野をあゆむ 怒り、をここまで美しく詠めるのは美点だと思う。これからも読み続けていきたい。

Posted by ブクログ

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