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戦争ミュージアム 記憶の回路をつなぐ 岩波新書2024
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戦争ミュージアム 記憶の回路をつなぐ 岩波新書2024

梯久美子(著者)

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戦争ミュージアム 記憶の回路をつなぐ 岩波新書2024

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 岩波書店
発売年月日 2024/07/22
JAN 9784004320241

戦争ミュージアム

¥1,012

商品レビュー

4.5

11件のお客様レビュー

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2024/11/22

日本各地の第二次大戦に関する資料館、記念館等を巡り、そのミュージアムの紹介と大戦当時の状況を取材したノンフィクション。 ひとつひとつの章は短いながらも、語られていることの内容の濃さは特筆。知らない施設が多かったが、全ての場所に行ってみたくなった。あとがきで筆者が「場所の持つ歴史性...

日本各地の第二次大戦に関する資料館、記念館等を巡り、そのミュージアムの紹介と大戦当時の状況を取材したノンフィクション。 ひとつひとつの章は短いながらも、語られていることの内容の濃さは特筆。知らない施設が多かったが、全ての場所に行ってみたくなった。あとがきで筆者が「場所の持つ歴史性」という言葉を使っていたが、施設のある場所は展示内容の直接の場所ではなかったりするが、それでもなぜそこに施設がある理由が分かってくる。それを知るのも、この本の大事な部分。

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2024/11/13

戦争の時代を生きた人々の群像を描き出してきたノンフィクションの名手が、各地に残される戦争の記憶を紡ぐ記念館、博物館、美術館などを探訪する一冊。どの一章も読み応えがありますが、予科練平和記念館、戦没学生慰霊美術館、周南市回天記念館、原爆の図丸木美術館、長崎原爆資料館の旅の記録が圧巻...

戦争の時代を生きた人々の群像を描き出してきたノンフィクションの名手が、各地に残される戦争の記憶を紡ぐ記念館、博物館、美術館などを探訪する一冊。どの一章も読み応えがありますが、予科練平和記念館、戦没学生慰霊美術館、周南市回天記念館、原爆の図丸木美術館、長崎原爆資料館の旅の記録が圧巻。特攻隊、回天など、太平洋戦争の最中、この日本という国は、兵士を消耗品、それも極めて安価に見積もった消耗品として扱っていたことが改めてわかる。なぜだったのか?どういう精神状態だったのか? 戦争は人を殺すことだ、戦闘員も戦闘員以外も大量に。 世界が右傾化し、ウクライナ、ガザなどで戦火が絶えない今、油断すれば、また若者が命を失う悲劇が訪れかねない。重苦しさを残す一冊でした。

Posted by ブクログ

2024/11/12

私の趣味は博物館めぐりである。大抵は考古学博物館ではあるが、戦争・平和博物館も多くまわっている。わりとたくさんまわっていると思っていたけれども、此処に紹介された14の博物館のうち、行ったことのあるのはたった3博物館だった。ショックなのはそこではなくて、行ったことがあるのに、書いて...

私の趣味は博物館めぐりである。大抵は考古学博物館ではあるが、戦争・平和博物館も多くまわっている。わりとたくさんまわっていると思っていたけれども、此処に紹介された14の博物館のうち、行ったことのあるのはたった3博物館だった。ショックなのはそこではなくて、行ったことがあるのに、書いていることのほとんどを、私は初めて「気がついた」のである。 梯久美子(かけはしくみこ)さんは、私の尊敬する数少ないノンフィクション作家である。本書はミュージアムガイドではない。詳しいアクセスも入場料金も記載がない。ノンフィクションなのである。多くの遺物の中から、何を選びとって、どう記すか。それが作家の価値を決める。 長崎原爆資料館は、入ったはずなのに、おそらく時間がなくてあっという間に出たのだろう、100%覚えていなかった。 対馬丸記念館のことについては、昨年6月にガイドブックを取り上げてレビューした。遺された外間姉妹の2つのランドセルについて、私には全く記憶がなかった。別の疎開船にあった為に返ってきたランドセルを、母親は押し入れにしまい、33回忌が済むまで誰にも見せなかったという。沈没後も厳しい箝口令のために、親たちは長い間、子の生死を知ることも叶わず、霊を弔うこともできなかったという。「亡くなってなお、子供たちは国策の犠牲であり続けた」‥‥こういう視点は私にはなかった。 舞鶴引揚記念館は、2009年の夏に行った。紙が入手できない中、白樺の皮をはがし、空き缶で作ったペン先を使って書いた白樺日誌は一応見ていたが、いかに苦労して書いたか、どんなに奇跡的に持って帰れたか、については本書で初めて想いを馳せた。その他、初めて知った遺物多数。記念館裏手の丘にある展望台からは、復元された出迎えのための桟橋が見下ろすことができるとは初めて知った。 もちろん、ここで扱われなかった戦争ミュージアムも多い(広島平和祈念資料館さえない)。それは本書の瑕疵ではない。体験者や学芸員から聞き取りが出来れば真摯に聴くこと。一つの遺物から多くの物語を想像すること。戦争をもたらしたものへ怒り、犠牲になった人たちに寄り添うこと。そういう姿勢を培う本だと思う。

Posted by ブクログ

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