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戦争ミュージアム の商品レビュー

4.5

11件のお客様レビュー

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2024/11/22

日本各地の第二次大戦に関する資料館、記念館等を巡り、そのミュージアムの紹介と大戦当時の状況を取材したノンフィクション。 ひとつひとつの章は短いながらも、語られていることの内容の濃さは特筆。知らない施設が多かったが、全ての場所に行ってみたくなった。あとがきで筆者が「場所の持つ歴史性...

日本各地の第二次大戦に関する資料館、記念館等を巡り、そのミュージアムの紹介と大戦当時の状況を取材したノンフィクション。 ひとつひとつの章は短いながらも、語られていることの内容の濃さは特筆。知らない施設が多かったが、全ての場所に行ってみたくなった。あとがきで筆者が「場所の持つ歴史性」という言葉を使っていたが、施設のある場所は展示内容の直接の場所ではなかったりするが、それでもなぜそこに施設がある理由が分かってくる。それを知るのも、この本の大事な部分。

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2024/11/13

戦争の時代を生きた人々の群像を描き出してきたノンフィクションの名手が、各地に残される戦争の記憶を紡ぐ記念館、博物館、美術館などを探訪する一冊。どの一章も読み応えがありますが、予科練平和記念館、戦没学生慰霊美術館、周南市回天記念館、原爆の図丸木美術館、長崎原爆資料館の旅の記録が圧巻...

戦争の時代を生きた人々の群像を描き出してきたノンフィクションの名手が、各地に残される戦争の記憶を紡ぐ記念館、博物館、美術館などを探訪する一冊。どの一章も読み応えがありますが、予科練平和記念館、戦没学生慰霊美術館、周南市回天記念館、原爆の図丸木美術館、長崎原爆資料館の旅の記録が圧巻。特攻隊、回天など、太平洋戦争の最中、この日本という国は、兵士を消耗品、それも極めて安価に見積もった消耗品として扱っていたことが改めてわかる。なぜだったのか?どういう精神状態だったのか? 戦争は人を殺すことだ、戦闘員も戦闘員以外も大量に。 世界が右傾化し、ウクライナ、ガザなどで戦火が絶えない今、油断すれば、また若者が命を失う悲劇が訪れかねない。重苦しさを残す一冊でした。

Posted byブクログ

2024/11/12

私の趣味は博物館めぐりである。大抵は考古学博物館ではあるが、戦争・平和博物館も多くまわっている。わりとたくさんまわっていると思っていたけれども、此処に紹介された14の博物館のうち、行ったことのあるのはたった3博物館だった。ショックなのはそこではなくて、行ったことがあるのに、書いて...

私の趣味は博物館めぐりである。大抵は考古学博物館ではあるが、戦争・平和博物館も多くまわっている。わりとたくさんまわっていると思っていたけれども、此処に紹介された14の博物館のうち、行ったことのあるのはたった3博物館だった。ショックなのはそこではなくて、行ったことがあるのに、書いていることのほとんどを、私は初めて「気がついた」のである。 梯久美子(かけはしくみこ)さんは、私の尊敬する数少ないノンフィクション作家である。本書はミュージアムガイドではない。詳しいアクセスも入場料金も記載がない。ノンフィクションなのである。多くの遺物の中から、何を選びとって、どう記すか。それが作家の価値を決める。 長崎原爆資料館は、入ったはずなのに、おそらく時間がなくてあっという間に出たのだろう、100%覚えていなかった。 対馬丸記念館のことについては、昨年6月にガイドブックを取り上げてレビューした。遺された外間姉妹の2つのランドセルについて、私には全く記憶がなかった。別の疎開船にあった為に返ってきたランドセルを、母親は押し入れにしまい、33回忌が済むまで誰にも見せなかったという。沈没後も厳しい箝口令のために、親たちは長い間、子の生死を知ることも叶わず、霊を弔うこともできなかったという。「亡くなってなお、子供たちは国策の犠牲であり続けた」‥‥こういう視点は私にはなかった。 舞鶴引揚記念館は、2009年の夏に行った。紙が入手できない中、白樺の皮をはがし、空き缶で作ったペン先を使って書いた白樺日誌は一応見ていたが、いかに苦労して書いたか、どんなに奇跡的に持って帰れたか、については本書で初めて想いを馳せた。その他、初めて知った遺物多数。記念館裏手の丘にある展望台からは、復元された出迎えのための桟橋が見下ろすことができるとは初めて知った。 もちろん、ここで扱われなかった戦争ミュージアムも多い(広島平和祈念資料館さえない)。それは本書の瑕疵ではない。体験者や学芸員から聞き取りが出来れば真摯に聴くこと。一つの遺物から多くの物語を想像すること。戦争をもたらしたものへ怒り、犠牲になった人たちに寄り添うこと。そういう姿勢を培う本だと思う。

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2024/10/27

頁を繰る手が停め悪くなり、素早く読了に至った一冊である。程好い分量で方々の展示施設を核とした話題が展開する。各篇を興味深く読み進めながら、雑誌連載であると感じていたが、実際にそうであった。そしてその連載記事を下敷きに、幾分のコラムを加えているという構成だ。 本書では戦争に纏わる記...

頁を繰る手が停め悪くなり、素早く読了に至った一冊である。程好い分量で方々の展示施設を核とした話題が展開する。各篇を興味深く読み進めながら、雑誌連載であると感じていたが、実際にそうであった。そしてその連載記事を下敷きに、幾分のコラムを加えているという構成だ。 本書では戦争に纏わる記憶を伝えようとしている各地の展示施設を14箇所取り上げている。「こういう展示施設が在ったのか?!」と少し驚いた内容が多かった。地元である稚内の、樺太の経過を伝える施設も交じっていたが、これらに関しては既知の内容を確認する感ではあったのだが。 14箇所に関しては、「戦争」に関する展示とでも言った場合に「最も有名」というような場所を取上げているということでもなく、「以外に知られていないかもしれない」を敢えて択んでいるようにも見える。 各展示施設が択んでいる展示テーマは多岐に亘っていて興味深い。毒ガス、予科練、回天、松代の“大本営”、対馬丸、戦争マラリア、満蒙開拓団、樺太という辺りが少し変わっているかもしれない。長崎原爆や東京大空襲というようなテーマも在る。更に美術作品を展示している例も取り上げられている。 何れも、色々な形で様々な世代の人達の命が損なわれる戦争の無惨な様を伝えるものである。同時に無惨な様を産出す「時代の狂気」というようなことを考える材料を提供しているとも言えると思う。そして紹介される、展示施設で伝えられている挿話の中には、気持ちに突き刺さる内容も少なくない。 結局、「戦争を知らない」という意味では、昭和20年代に生まれた70代の人達も、凄く若い10代の人達も同じかもしれない。幅広い年代の人達に、「現在を生きる人達が想像することすら困難かもしれない状況」を伝えるべく、多くの展示施設で努力が続けられているということが本書では紹介されている。 例えば、原爆で負傷者が溢れた状況下で「何故、病院へ行かない?」というように尋ねる人が在るのだという。病院のような医療機関も含めて、何もかも破壊され、当然のサービスが当然に受けられなくなり、破壊兵器の威力で負傷したような人達は途方に暮れる他無いような状態に陥ってしまうのが「原爆」というような状況なのだ。 色々な想いで「伝えるべきこと」を伝える努力を続けている本書で紹介されている施設である。これらに関しては、「未だ世界から戦禍が途絶えた訳でもない」という中であるからこそ、多くの人達に顧みられるべきなのだと思う。 本書で内容を知り、具体的な訪問方法等に関して少し調べて、各展示施設を訪ねてみたいと思うようになった。そういう意味でも、本書は好い内容であると思う。広く御薦めしたい。

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2024/10/06

貴重な本ではあるが、各ミュージアムの説明が簡潔過ぎる気がします。また、私もそれほど知ってるわけではないですが、広島平和記念資料館がなく、まあそれでも、あとがきで言い訳めいたものが書かれてありましたので、まあ良しとしても、丸木位里と俊さんの原爆の図があって、何故?沖縄戦の図はないの...

貴重な本ではあるが、各ミュージアムの説明が簡潔過ぎる気がします。また、私もそれほど知ってるわけではないですが、広島平和記念資料館がなく、まあそれでも、あとがきで言い訳めいたものが書かれてありましたので、まあ良しとしても、丸木位里と俊さんの原爆の図があって、何故?沖縄戦の図はないのか、疑問を抱きました。なんか物足りなさが残る読後感でした。

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2024/10/04

書店で気になって、いくつかの書評を目にし、入手・読了。これはしかし、素通りしてしまわなくて良かった。取り上げられる施設は14と多くはないんだけど、その分、それぞれの背景への言及が十二分になされていて、追体験できる度も抜群。松代地下壕とか戦争マラリアとか稚内堤防とか、あらためて戦争...

書店で気になって、いくつかの書評を目にし、入手・読了。これはしかし、素通りしてしまわなくて良かった。取り上げられる施設は14と多くはないんだけど、その分、それぞれの背景への言及が十二分になされていて、追体験できる度も抜群。松代地下壕とか戦争マラリアとか稚内堤防とか、あらためて戦争の無知を自覚し、襟を正された次第。かなり新しい施設もいくつかあり、時を経ても尚、戦争を風化させないでおくべく動く人たちに頭が下がる。戦争反対。

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2024/09/24

当事者が減少する中、やはりこういった戦争の記憶、記録を伝える資料館の存在は大切。 戦記の記録も大事だが、一作品でなく長く記憶を継承するミュージアムを訪れ、作家の印象の記録。下手な戦記より余程説得力がある。 日本人として、これらのミュージアムを訪れ自分のアタマで考えてみたいと思う...

当事者が減少する中、やはりこういった戦争の記憶、記録を伝える資料館の存在は大切。 戦記の記録も大事だが、一作品でなく長く記憶を継承するミュージアムを訪れ、作家の印象の記録。下手な戦記より余程説得力がある。 日本人として、これらのミュージアムを訪れ自分のアタマで考えてみたいと思う。 変に彫像で残すより客観的な資料を閲覧するミュージアムは、歴史を後世が客観的に検証するためにも必要な施設であろう。

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2024/09/18

梯久美子さんの著書を読むのはこれで4冊目。『カタログハウス』2020年盛夏号から2024年初春号に連載された「シリーズ 戦争を忘れない」を補筆し書籍化した本書。亡き両親を含め、自分は戦争の時代を偶然生きながらえたと知る世代が、何よりも望んでいたことは平和。子どもの頃はなぜそんなに...

梯久美子さんの著書を読むのはこれで4冊目。『カタログハウス』2020年盛夏号から2024年初春号に連載された「シリーズ 戦争を忘れない」を補筆し書籍化した本書。亡き両親を含め、自分は戦争の時代を偶然生きながらえたと知る世代が、何よりも望んでいたことは平和。子どもの頃はなぜそんなに当たり前のことをわざわざ願うのか?とさえ思っていたが、ひとの記憶は残さなければ消えてしまうのだ。私たちにできることは遺された記憶を次世代に繋ぐこと。本書はそのための素晴らしいガイドブック。

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2024/09/06

配架場所・貸出状況はこちらからご確認ください。 https://www.cku.ac.jp/CARIN/CARINOPACLINK.HTM?AL=01432608

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2024/08/30

筆者の行動力に感心した。8月に平和を思うときに読むと良い。現地に行けばなお良いが、時間とお金との相談だ。

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