戦争ミュージアム の商品レビュー
ここで紹介されている施設は、映像や本で知っていたものもあるが、実際にはどこにも訪問したことがないということに、私が「日本が体験してきた戦争を何処か遠くのものと捉えているという証明」のような気がして、居住まいが悪くなるような、これではいけないと思わされるような思いが湧いた。 そのど...
ここで紹介されている施設は、映像や本で知っていたものもあるが、実際にはどこにも訪問したことがないということに、私が「日本が体験してきた戦争を何処か遠くのものと捉えているという証明」のような気がして、居住まいが悪くなるような、これではいけないと思わされるような思いが湧いた。 そのどれのエピソードにも、著者は想像を巡らせて「未経験の者」なりに心を寄せていた。一つ一つ、展示品や語り部の方の背景には、血肉を備えた生きた人間が確かにいて、それぞれが誰かのとても大事な存在だった。 そういう視点を展示内容や博物館を維持する方の内に向け、著者なりの思いやりを丹念に綴ったこの本は、多くの人に読んでもらいたい、紹介したい本だった。 本自体コンパクト、文章も簡潔でとても読みやすい。 どうにか多くの方の手に届きますように。
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▼東京外国語大学附属図書館の所蔵状況(TUFS Library OPAC)https://www-lib.tufs.ac.jp/opac/recordID/catalog.bib/BD07937479
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平和な日常生活を過ごしていくには、常に過去をかえりみなければいけないとつくづく思う。 様々な戦争ミュージアムについて記述されており、勉強になる。図書館で借りたけれど手元に置きたい。 原爆ドームの中がGoogleマップで見えるとは知らなかった。
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全国各地にある日本の戦争に関わる資料館、記念館、博物館などを訪れそこで見る展示品や学芸員さんや当事者の語り部さんからの話を聞いて感じたことをまとめた作品。個人的に戦争に関わる本や日本の近現代史に関わる本はなるべく読んでいこうとたまに手に取るようにしていたがそのようにして関心を持っ...
全国各地にある日本の戦争に関わる資料館、記念館、博物館などを訪れそこで見る展示品や学芸員さんや当事者の語り部さんからの話を聞いて感じたことをまとめた作品。個人的に戦争に関わる本や日本の近現代史に関わる本はなるべく読んでいこうとたまに手に取るようにしていたがそのようにして関心を持っているつもりであった自分を恥じる程、そもそも施設の存在から知らなかったものが多かった。中にはこれまでに住んできた場所にわりと近いものもあったのに。だからこそミュージアムとしてそこに記録が残り続け、公開され続けていくことには大きな意義があるのだと思う。戦争に関わるミュージアムというと原爆や空襲などの「被害」の記録のイメージが強いが、毒ガス兵器開発(大久野島毒ガス資料館)や少年兵たちの訓練施設(予科練平和記念館)などの日本の「加害」の文脈について考えるものや、加害と被害の両方が絡み合った満州の生活について(満蒙開拓平和記念館)など、さまざまな側面があることを改めて感じた。私の祖父がシベリア抑留帰還者だが、帰還港が舞鶴に統一されていたことは知らなかった。いつか舞鶴引揚記念館に行ってみたい。また、仕事柄ファンドレイジングに関わっているので各施設の設立や維持に関わる寄付のあり方についても色々考えながらの読書になった。
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戦後80年。戦争の本物の記憶を持つ人々がこの世からいなくなりつつある。だからこそ、訪れてほしいミュージアムが紹介されています。そしてこの本を読んで、ぜひ現地を訪ねてほしい。画面に映る像や印刷物にはない生々しさに触れる必要があるのでは、と思います。
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戦跡巡りの一助に。定番どころでなく、変わり種の戦争ミュージアムが多数紹介されていて興味深い。ただ戦争に関する施設を紹介するだけでなく、戦後の引き上げに纏わるミュージアムや間接的に戦争に関わる事を扱ったミュージアムもあり、一生に一度は行って見たいと感じた。 コラムとしてインターネッ...
戦跡巡りの一助に。定番どころでなく、変わり種の戦争ミュージアムが多数紹介されていて興味深い。ただ戦争に関する施設を紹介するだけでなく、戦後の引き上げに纏わるミュージアムや間接的に戦争に関わる事を扱ったミュージアムもあり、一生に一度は行って見たいと感じた。 コラムとしてインターネット上の戦争アーカイブ紹介もあり、使える情報が多い。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
国の政策だからとやみくもに従うのではなく、日々の生活の中で培った倫理観に照らして、その是非を判断することの大切さを満蒙開拓の歴史を教えてくれる。165ページ満蒙開拓平和記念館 まさに今、やみくもにしたがうな、抗え、と日々思う,まさに今。 石垣りんの詩、弔詞 が引かれている。東京大空襲で亡くなった職場の同僚をうたった作品。 あなたはいま、 どのような眠りを、 眠っているのだろうか。 そして私はどのように、 さめているというのか。 戦争の記憶が遠ざかるとき、 戦争がまた 私たちに近づく そうでなければ良い。 たしか新宿にある帰還者たちの記憶ミュージアムで、日本軍が使っていた手榴弾が陶器製であったことを初めて知った。シベリアや中央アジア,ロシア各地に行かされた抑留兵たちの極寒地での薄い衣服,手作りのスプーン、貧しい国が戦争を仕掛けいたずらに継続し陶器製の手榴弾を配給していたのだ。ものは雄弁に語る,実物は嘘をつかない。 本書で取り上げられた戦争ミュージアム 大久野島毒ガス資料館、 予科練平和記念館、 戦没画学生慰霊美術館無言館、 周南市回天記念館、 対馬丸記念館、 象山地下壕、 東京大空襲・戦災資料センター、 八重山平和記念館、 原爆の図丸木美術館、 長崎原爆資料館、 稚内市樺太記念館、 満蒙開拓平和記念館、 舞鶴引揚記念館、 都立第五福竜丸展示館、 コラムとして戦跡硫黄島,サイパン島、 沖縄地上戦、サハリン樺太国境、 後半のコラムとして、インターネットで見られる戦争アーカイブ、 中国新聞ヒロシマ平和メディアセンター NHK戦争証言アーカイブス アメリカ合衆国ホロコースト記念博物館 呉市大和ミュージアム 八重山の戦争マラリア,地元民をマラリア有病地への強制移動家畜や家屋の収奪、 昭和11年完成の巨大な稚内港北防波堤ドーム などは恥ずかしながら全く知らなかった。海外で行ったことも,自国内でまたは自国民に、または自軍において起こったことを隠蔽しようとする体質が、全体に覆われて戦後80年たった今も変わらず,いや,先祖帰りするかのごとく隠蔽が罷り通り恥ずかしくもなんともない人らが国や政財界やメディアの中枢にいる国だな,と思う。 戦争の記憶まぎれもなく,ものが語る、ものの持つ意味の大きさ、これらのミュージアムは敗戦被害の視点だけではなく内に外に加害の側面からもをそらさない、とこれらのミュージアムの立ち位置を語る著者への信頼感。あとがきの、これも,隠蔽秘匿され亡くなった兵士乗組員が浮かばれない軽巡洋艦矢矧撃沈のことも,最後の最後の1ページまで重く惹きつけられる一冊。これが,通販生活の誌面に連載されていたとは,なんとも素晴らしい。
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『戦争ミュージアム』を網羅しているのかと思っていたら、そうではなかった。あと『通販生活』という、読んだことないけど誌名から受ける印象から、この雑誌で連載していたということに驚いた。
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audible23冊目。 旅先でよく、史跡や資料館等に出向きます。 まさに、この本のいう「戦争ミュージアム」です。 むしろ、戦争ミュージアム目的で旅先を選ぶこともあります。 年末年始に広島に行ったため、その前にこの本を読みました。 令和の時代にあっては、10代も70代も、戦...
audible23冊目。 旅先でよく、史跡や資料館等に出向きます。 まさに、この本のいう「戦争ミュージアム」です。 むしろ、戦争ミュージアム目的で旅先を選ぶこともあります。 年末年始に広島に行ったため、その前にこの本を読みました。 令和の時代にあっては、10代も70代も、戦争を知りません。 戦争ミュージアムでは、当事者の証言や膨大な資料を通して、人々の記憶を後世に伝えてくれます。 現地に赴くことで、本やホームページだけでは感じ取れないことを、土地の記憶が私たちに教えてくれます。 読んで良かったです。続編を是非、希望したいです。 この本に出てくる場所のうち5箇所ほど訪れたことがありますが、さらに学びが深まりました。 知らなかった場所もあるし、是非、実際に足を運んでみたいです。
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日本には戦争にまつわる記念館・ミュージアムがある。しかし、戦争という負の歴史を記録と記憶の継承を取り組むミュージアムがある一方で、残念ながらアジア・太平洋戦争は大東和共栄圏の開放・産業発展のために正しかったとする記念館も含まれる。 本書は、戦争の時代を生きた人間を描くノンフィ...
日本には戦争にまつわる記念館・ミュージアムがある。しかし、戦争という負の歴史を記録と記憶の継承を取り組むミュージアムがある一方で、残念ながらアジア・太平洋戦争は大東和共栄圏の開放・産業発展のために正しかったとする記念館も含まれる。 本書は、戦争の時代を生きた人間を描くノンフィクションを多数残してきた梯(かけはし)久美子氏が、全国各地を行脚し、各地の平和のための博物館や資料館を訪ね、そこで触れた土地の歴史と人々の語りについて14施設の概要を伝える。安保3文書、南西諸島の軍事要塞化などきな臭い匂いが日本全体に充満していく中で、過去の歴史が今と地続きとなっている過去の旅へ誘う。紹介される1ヶ所目の記念館は、今年2024年2月に私自身が訪れ、元高校教師の山内正之さんにガイドして頂いた大久野島毒ガス資料館である。日中戦争で使用された毒ガスの加害の歴史を伝え、資料館発展させ、今もガイドを続ける山内正之さんらの粘り強い活動に敬意を表する。
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