商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
発売年月日 | 2024/07/22 |
JAN | 9784005009886 |
- 書籍
- 新書
野生生物は「やさしさ」だけで守れるか?
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野生生物は「やさしさ」だけで守れるか?
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商品レビュー
4.5
4件のお客様レビュー
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○生きもの、駆除、外来生物、命、いろんなことを改めて考える1冊 駆除に携わっている方々は、生物が好きな方ばかりだ、歯を食いしばって現場にいることが伝わる また、現地に住む人々と生きものとの関係にも気づかされた ◎はじめに 捕まる野生動物を「かわいそう」と感じる気持ちは大切だけど… 1:人気者が広げた波紋 守られるシカ、駆除されるシカ 久米島で見つかった瀕死のウミガメたち ウミガメ「だけ」守ったら起きたこと 出没するクマたち 共存の邪魔をすることとは… 2:専門家だって悩んでいる…「かわいそう」の線引き 「ガチ!生物多様性塾」 昆虫を食べる=命の大切さを知る?? 白黒つけられない大事なこと 外来種だけど、身近な生きもの 駆逐してやる!外来種を踏みつぶす子ども 命について考える機会、段階を踏む 侵略的植物 ブラックバスの「同期生」 時間との闘い 関心が高い生きもの、そうでないもの 大正川のカメたち 駆除への理解は得られにくい 理解者からの指摘 どんな道を選んでも苦しさはある コラム:外来種とは 私たちを助けてくれる外来種 問題なのは侵略的かどうか 外来種問題は甘く見てはいけない理由 どの場所で何を見るか 3:調べるのも守るのも楽じゃない 海に沈めたマッコウクジラ 博物館が標本にしたいと言ったわけ 戦争・気候変動…クジラやイルカが伝えること 野生動物の死は自然からのメッセージ 標本になるマッコウクジラ 地味でも大切な研究 コオロギでゲンゴロウを育てる SDGsな研究 もう増やせない生きものもいる 絶滅種を「復活」させたらダメなのか 保護して増やせば…は簡単じゃない 4:生きものたちのつながり チョウの楽園に火を放つ 阿蘇にヒロガル1000年の草原 青い星オオルリシジミ 野焼き 変わる草原の役割と担い手不足 6000種の命をはぐくむ場所「田んぼ」 人がもたらす多様な環境とリズム 奄美群島国立公園 村の花・ハイビスカスを切り倒す決断 人類全体の宝物を目指して 決断が教えてくれたこと …外来種との向き合い方と世界遺産としてふさわしい範囲の線引き …納得感の大切さ コラム:生物多様性とは? 種の多様性と遺伝的多様性、生態系の多様性 経済も社会も文化も支えられている 生物多様性の危機は私たちの危機 5:命に向き合う責任 マングース 快挙間近の駆除 九割捕まえてからが本番 泣きながら…マングースの命 戻ってきた生きもの、変わってしまった生きもの ヒキガエルの駆除に参加して 気持ちに正解はない ◎おわりに やせのイノチト向き合っている人たちの考えや意見にきちんと耳をかたむけてほしい
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人気者が広げた波紋: 守られる・駆除されるシカ 憎い存在ではない 多くが絶滅危惧種 ウミガメ・島の人・島の外の人 専門家だって悩んでる―「かわいそう」の線引き: 白黒つけられないところに大事なもの 段階を踏む 心の痛み・関心の高さ どんな道を選んでも苦しさあり 調べるのも守るのも...
人気者が広げた波紋: 守られる・駆除されるシカ 憎い存在ではない 多くが絶滅危惧種 ウミガメ・島の人・島の外の人 専門家だって悩んでる―「かわいそう」の線引き: 白黒つけられないところに大事なもの 段階を踏む 心の痛み・関心の高さ どんな道を選んでも苦しさあり 調べるのも守るのも簡単じゃない: 野生生物の死=自然からのメッセージ もう増やせない生きものもいる 生きものたちのつながり: 人がもたらす多様な環境とリズム 命に向き合う責任: 泣きながらマングースにを手にかけた 見つけちゃったらどうしよう あの日の自分に声をかけるなら 気持ちに正解なんてない
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野生生物と人間社会との関係、距離感を考えるヒントを提示した良書。 「新聞記者」というスタンスから書かれていることで、野生生物に肩入れしすぎず、当事者の方達の熱い想いや苦悩を押しつけることもなく、一般の私たちの感覚にも寄り添って問題を丁寧にひもといている。 ジュニア新書だが、子ども...
野生生物と人間社会との関係、距離感を考えるヒントを提示した良書。 「新聞記者」というスタンスから書かれていることで、野生生物に肩入れしすぎず、当事者の方達の熱い想いや苦悩を押しつけることもなく、一般の私たちの感覚にも寄り添って問題を丁寧にひもといている。 ジュニア新書だが、子どもや学生はもちろん、あらゆる世代に手に取ってほしい一冊。 生物多様性保全の現場で悩みながら活動している当事者は、どうしても保全対象への思いが強く、活動の重要性を強く訴えがちになる。今、行動しなければ間に合わないから、どうか力を貸してほしい、力を貸してもらわないまでも、理解してほしい、邪魔しないでほしい。当事者が書くと一般の私たちはひいてしまうような拒絶されそうな話題でも、冷静であろうと表現を選んで伝えようとしているのがわかる。 野生生物との距離をどう取ったらいいのか、対立、排除ではなく、共存するにはどうしたらいいのか、そこに生業が絡んでくると一層難しい。そうした苦悩も丁寧に拾い上げて、読者自身が自分事として考えることを促してくれているようだ。 客観的でありながら、いきものへの愛情が溢れた一冊だった。
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