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境界の扉 日本カシドリの秘密
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境界の扉 日本カシドリの秘密
¥1,320
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商品レビュー
3.5
11件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
本作の一番の特徴は、今まで好き勝手に利用していた公権力(父親)にエラリーが反旗を翻し、被疑者の側につくというところ。そしてそれが露見したことで、父子は対立してしまう。シリーズのファンとしてはエラリーの新たな一面を垣間見られる喜びと同時に、二人が対立することに悲しみも覚えるところかもしれない。 また、普段はクイーン父子の視点メインでストーリー展開していくところを、この作品ではうら若き女性エヴァが担っている。序盤のテリーの助けを借りて捜査を撹乱するシーンでは、殺人を犯したわけではないが、負目があるエヴァの視線で見るエラリーや警視をはじめとする刑事たちは、自分をじりじりと追い詰める不気味な存在に映る。その点がある種倒叙ミステリーのようでハラハラする。警視もエラリーも(ヴェリーも)、犯人の側から見るとこんなにも恐ろしい存在なのかと知ることになる。プラウティもレギュラーメンバーなので普段さほど詳細に描かれることがない分新鮮だった。プラウティが好きな人はたぶん、ジェフリー・ディーヴァーの『リンカーン・ライム』シリーズのメル・クーパーも好きなはず。 エヴァを助けた跳ねっ返り者のテリーの存在もいいエッセンスになっている。ぶっきらぼうで直情的なテリーの存在が、エラリーの泰然自若としたクールな部分をより強調していてとてもいい組み合わせ。真っ直ぐに感情をぶつけてくるテリーをいなしながらも、エラリーも心の中は燃えている。 リース姉妹やキヌメ、カケスの存在など、物語全体において日本の存在が中心にあるので、ある意味国名シリーズ以上の国名作品かもしれない。もちろん時代が時代なので、日本や日本人に対する認識は複雑なところもあるけれど、それでも日本モチーフ故の暗く儚く美しい雰囲気が非常によかった。 「これから先は、父は父の道、ぼくはぼくの道を行く」
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父とエラリーが犯人探しにおいて対立する構造の本作、立場は違いながらも、父を危険にさらした者に「父に銃を向けたな」って苛立つエラリーが良かったです。 新訳版シリーズ読み終わってしまったので寂しい。特に気に入った本だけ原書でも読んでみようと思います。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
日本絡みの話がいくらか出てくるが、思ったよりトンデモ日本ではなくて普通に読むことができた。それでも、いくらかは違和感があるが。 海外作品で日本が登場する殺人話となると、すぐハラキリが出る笑 真相もそうゆうことだが、まさかの精神的殺人という落ちだった。 犯人(?)自身に自分が殺したという意識が無いというのがミソなのだろうが、もっと深堀りというか、もっと濃い精神的洗脳を施した話が欲しかった。確かに、体調不良を癌扱いして、本人に癌だと思い込ませるというのは良くも悪くも生き方を大いに変えさせられるが。
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