商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 河出書房新社 |
発売年月日 | 2024/05/08 |
JAN | 9784309468020 |
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- 文庫
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16歳で死んでしまった長男とその母親が心の中で交わす16章の会話。イーユン・リーが息子の自死の直後から書き始めたもので、ほぼ想いそのままなのだろう。自分の苦悩を直接描かず、母を酷評、批判、誹謗する子の言葉で自らが切り刻まれる様を見せられるのは、同じ母として…母としては自信のない人...
16歳で死んでしまった長男とその母親が心の中で交わす16章の会話。イーユン・リーが息子の自死の直後から書き始めたもので、ほぼ想いそのままなのだろう。自分の苦悩を直接描かず、母を酷評、批判、誹謗する子の言葉で自らが切り刻まれる様を見せられるのは、同じ母として…母としては自信のない人間としては、痛みを禁じ得ない。ある意味ホラー! だがしかし、それでも生きていくしかない。息子がときどき見せる優しさは、彼が16年とはいえ生きて人生を共に分かち合えたことの意味なのだし。評価はしづらい。
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限りなくノンフィクションに近いフィクション。訳が素晴らしい。ただ、訳者あとがきに「胸をえぐるような小説」「読む者の涙をさそう」とあるが、そんな陳腐な表現はふさわしくないと思う。 相手が目の前にいないからこそ交わせる言葉、あちこちに引用されている詩の手触り、対話を通じて明らかに...
限りなくノンフィクションに近いフィクション。訳が素晴らしい。ただ、訳者あとがきに「胸をえぐるような小説」「読む者の涙をさそう」とあるが、そんな陳腐な表現はふさわしくないと思う。 相手が目の前にいないからこそ交わせる言葉、あちこちに引用されている詩の手触り、対話を通じて明らかになる自分の心の輪郭。できれば「どんよりしていて寒い(p.65)」日に、静かな場所で、自分の人生と重ね合わせながら読みたい作品です。
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とても悲しい本だった。 もっと一緒にいたかった、話したいことがたくさんあった、永遠に話し足りないまま、あなたは死んでしまった。 喪うこと。想うこと。すがること。浸ること。お菓子を作ること。詩を読むこと。言葉で居場所をつくること。ふたりは言葉でしかそこにいられないこと。 「...
とても悲しい本だった。 もっと一緒にいたかった、話したいことがたくさんあった、永遠に話し足りないまま、あなたは死んでしまった。 喪うこと。想うこと。すがること。浸ること。お菓子を作ること。詩を読むこと。言葉で居場所をつくること。ふたりは言葉でしかそこにいられないこと。 「言葉の影は語り得ぬものに触れられることがある。」 これはフィクションであるという自覚が、虚構と現実のあいだに引かれた線を曖昧にしてゆく。言葉は完璧ではないから、悲しみを完璧に云い表すことはできないけれど、その場所には言葉でしか行くことができないので、完璧じゃないまま、完璧ではない場所を続ける。場所に居続ける。 悲しみという言葉は悲しみの枠を出ていかないのに、言葉の影は、記憶や悔いや祈りや冗句、さまざまなかたちに滲むのだと思った。
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