商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 東京創元社 |
発売年月日 | 2024/04/18 |
JAN | 9784488016890 |
- 書籍
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いろいろな幽霊
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いろいろな幽霊
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商品レビュー
3.6
8件のお客様レビュー
文章は読んでいて心地よいのだけど、結局何なの?という話がほとんど。 以下はかろうじて理解できて面白かったもの 11.どんなにささやかな一瞬であれ ラストが詩的 24.十三回の出現 ロマンチック 79.あなたの靴が好き 恐怖よりも知りたい「賞賛」か「侮辱」か? 主題の不完全...
文章は読んでいて心地よいのだけど、結局何なの?という話がほとんど。 以下はかろうじて理解できて面白かったもの 11.どんなにささやかな一瞬であれ ラストが詩的 24.十三回の出現 ロマンチック 79.あなたの靴が好き 恐怖よりも知りたい「賞賛」か「侮辱」か? 主題の不完全な索引 狂気を感じる。嫌いじゃない 短い話なのに読むのに時間がかかった 疲れた
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幽霊譚というよりブラックユーモア的な感じ。何しろ短い! ほとんどがが2ページ。 内容に関する索引まであるのが、気が利いている。
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『幽霊たちがとり憑いていたのは家ではなく、最初から人間だった。だから人間がウィルスに最初はぽつぽつと、やがて百万単位で――屈服すると、幽霊たちは家を出て、頑丈な者、孤独な者、幸運な者、生き延びた者の周りに集まるようになった。死者の世界は生者の世界とぴったりくっついている。静かで落...
『幽霊たちがとり憑いていたのは家ではなく、最初から人間だった。だから人間がウィルスに最初はぽつぽつと、やがて百万単位で――屈服すると、幽霊たちは家を出て、頑丈な者、孤独な者、幸運な者、生き延びた者の周りに集まるようになった。死者の世界は生者の世界とぴったりくっついている。静かで落ち着いたとなりの王国から、幽霊たちは伝染病の広がりをながめていた。幽霊にとってそれは湖に降る雨のようだった』―『十二 集まり』 誰のお薦め(レイ・ヴクサヴィッチの「月の部屋で会いましょう」を岸本さんと共に翻訳していた繋がり?)だったか忘れてしまう位には図書館での人気があって漸く手元に回ってくる。二頁弱の短篇とさえ呼ぶのが憚られる短い掌編がずらりと百篇並ぶ。各々のタイトルに付された小さなイラストは原著にもあるものなのか。本の表紙に並べられたアイコンのようなそのユーモラスなイラストが一味出している。 『睡眠中は現実だと思っていた夢から覚め、夢の意味をはらんだ平凡なものを通じて、結局のとこあれは現実に起きたに違いないと理解する、というプロセスを男はくり返している』―『三 手斧、数本の燭台、針刺し、シルクハット』 胡蝶の夢、のような話が始めの方にある。この「入れ代わり」ということが、実は本書を貫くテーマの一つであるように思うのだが、穿ち過ぎか。けれど読んで見れば解る通り、本書の中の人と幽霊は入れ替わるものとして描かれている。但し常に入れ替え可能であるとは限らない。どちらかと言えばその変位は不可逆的で、やはり、入れ代わり、と記すのが適している。 「いろいろな幽霊」という邦題の本書の原題は、The Ghost Variations。確かに、色々な、というニュアンスはあるけれど、読んでみると、むしろ変奏曲という意図が濃いことが理解される。つまり描かれるゴーストは、狼男であったり、フランケンシュタインであったり、ドラキュラであったりと種類が変わるのではなく、いつでも人の死後の姿。そして幽霊という日本語から連想されるものと同じで、その登場人物ならぬ登場霊物たちは、現実の人の世界に執着がある。その執着の程度のバリエーションが本書のテーマであると言えるのではないだろうか。 執着するということの裏には密接に倫理観が絡んでいる。そしてもちろんその倫理観には信仰が強く影響する。言わずもがなではあるけれど、作家ケヴィン・ブロックマイヤーの信仰心がどの程度篤いかは不明ながら、どの作品もキリスト教的ドグマが見え隠れする。それはすなわちこの一見ユーモラスな掌篇が妙に哲学的な響きを纏っていることを意味し、現実の世界に溢れている矛盾をアイロニカルに描いていることを理解させようとする意図も意味する。そのアイロニーの度合いが強くなると、厭世観に満ちて、まるで霊の住む世界の方が理想郷のようにも聞こえ始める。 『長年にわたる物々交換や誘惑によって、莫大な数の罪人の魂を貯め込んだため、それらは悪魔にとって少額硬貨に等しくなった』―『六十六 666』 例えば、百篇の中の六十六番目の作品のタイトルは「666」。ホラー映画好きならすぐにピンとくるだろうこのタイトルは、新約聖書のヨハネの黙示録に出てくる獣の数字。この一篇には霊を扱う悪魔が出てくる。しかしこの悪魔は何とも人間臭い。しかも金融街で成功して成功にすら飽いている人のような描かれ方。霊が消費されるもののように描かれるところが斬新だ。また本書にはしばしば幽霊の幽霊、あるいはあの世のあの世というメタな概念が登場するが、これも昔からある、死んだ人たちの多くが天国に行ったら天国は手狭になるだろうな、という不謹慎だが素朴な疑問に答える逸話に過ぎないとは言え、それがまるで吟味されるように繰り返されるというのも新しく感じる。形式もさることながら、少し星新一と共通する捻りをそこに見い出すことが出来るように思う。であれば、これ以上あれこれと理屈をこね回すのは野暮というものであろう。
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