商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 双葉社 |
発売年月日 | 2024/04/10 |
JAN | 9784575715033 |
- 書籍
- 文庫
木皿食堂(4)
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木皿食堂(4)
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商品レビュー
5
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・ドラマを書く仕事をしていて考えるのは、人は何を見たいのかということだ。ストーリーだと思うかもしれないけれど、実はそうじゃないと私は思っている。見たいのは、人間のリアクションなんじゃないだろうか。バラエティー番組で追い詰められた芸人さんの姿に思わず笑ってしまう。ドラマも同じだと思う。役者がこの状況でどんな表情をするのか、もしかしたら見たいのはそれだけかもしれない。 ・よい結末になるかどうかは、日常のささやかな行動の中にすでにある。人はなりたいものになれるはずである。 ・匂いは、コトバにできない、でもそこにある。白い夏の制服に、うっかりつけてしまった習字のシミのように、洗っても洗っても消えずにそこにある。まるで私が生きていた証拠のように。 ・どんなコトバを信じて、どんなコトバを拒むのか。私たちが今感じていることが、この後の世界を決めてゆく。 ・会いたいというのは、その人が、「いる」といくことを、ただ感じたいだけなのだ。私もあなたも、分け隔てなく、そう思ったり思われたりしている。 会いたいと思うのは、無事にいてほしいという、祈りみたいなものなのだろう。 ・友人と見た海の夕日は、今も忘れられないが、それは別にハワイじゃなくてもよかったのだ。何処でとか、何をとか、そんなことは重要じゃない。誰となのか、それだけが大事なことなのだ。 ・テレビニュースで、黒人が現地の警官に背後から撃たれたというのを聞いて、なくなるのはその人の命だけではないなぁと想像する。その人のいる場所に帰りたかった人はどこに帰ればいいのだろう。 ・与えられることばかりに慣らされて、私たちは目だけは肥えているのに、何も作り出すことができない人間に成り下がってしまうのかもしれない。ヘンゼルのように道に迷わないようパンをちぎって帰り道に確保するべきだろう。それだって鳥に食べられてしまうわけだから、世間というのは油断も隙もない。見てるだけじゃ、生きてゆく地図はつくれない。 ・数字は便利なものだが、その背後にある物語を見えなくしてしまう。人を数字に置き換えたとたん、それは利用する者には消耗品にしか見えなくなり、どこまでも無神経になれるのではないか。 ・宗教が持っていた物語が脆弱になってしまった今、死という現実も個人で背負わなければならない。大事な人を失った喪失感をどうやって一人で癒すのか。不条理としか言いようのない状況に立たされた時、どうやって一人でしのぐのか。そのための物語が、わたしたちに必要なのではないか。
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