商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | KADOKAWA |
発売年月日 | 2024/03/22 |
JAN | 9784044008086 |
- 書籍
- 文庫
恋する文化人類学者 結婚が異文化をつなぐとき
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恋する文化人類学者 結婚が異文化をつなぐとき
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文化人類学者の著者がフィールドワークでアフリカ・コートジボアールに行き、ギニア人アイドル少女歌手ニャマと出会い、結婚というプライベートな経験を詳しく語りつつ、文化人類学の観点からの説明という非常に分かり易い著作。ギニア、コートジボアール、マリなどの各国の国境が植民地時代に宗主国が...
文化人類学者の著者がフィールドワークでアフリカ・コートジボアールに行き、ギニア人アイドル少女歌手ニャマと出会い、結婚というプライベートな経験を詳しく語りつつ、文化人類学の観点からの説明という非常に分かり易い著作。ギニア、コートジボアール、マリなどの各国の国境が植民地時代に宗主国が勝手の区分したもので、民族がボーダーレスに入り組んでいるが、妻になったニャマはマンデング族の人。8日間にわたる結婚の儀式の詳細な記述を見ていると、決して未開の民族ではなく、分離→過渡→統合のプロセス、そして死と再生というモチーフ!が儀礼に意味づけられている!やはり人類は凄い!と思った。ガンビア出身の黒人少年クンタ・キンテもマンデング族で「ルーツ」にも同じ儀礼が描かれていたという。ダイバーシティという言葉が広まった今日だが、実はイスラム教のコーランには次の言葉があるという。「人々よ、われらはお前たちを男性と女性から創り、お前たちを種族や部族となした。お前たちが互いに知り合うためである。」イスラムにも優れた思想があるのだ、と感心した。
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若き文化人類学者がアフリカでのフィールドワークで知り合った踊り子(いわばアイドル)と恋に落ち結婚した記録とそれを材料として文化人類学の入門書が一つになっている。8日間にわたる結婚式の儀礼の意味を文化人類学の視点から解説している章がこの本のハイライトだと思うが、通過儀礼としての結婚...
若き文化人類学者がアフリカでのフィールドワークで知り合った踊り子(いわばアイドル)と恋に落ち結婚した記録とそれを材料として文化人類学の入門書が一つになっている。8日間にわたる結婚式の儀礼の意味を文化人類学の視点から解説している章がこの本のハイライトだと思うが、通過儀礼としての結婚式がよく理解できた。入門書として文化人類学の誕生から現在までを説いているが、文章が明確で意味をとりやすく、説明も非常にわかりやすい。構造主義について幾つかの入門書を読んできたが、この本の説明で初めて分かったとの感触を得た。結婚後、二人は日本に住んで以降の生活についてはエッセイ風の補章「ラブ・ロマンスのゆくえ」で触れられている。日本で20年以上住んだ体験や異文化交流について短い文章で紹介しているがもっと詳しく知りたい。
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少し変わっているけれど、とても面白い。 アフリカ音楽を研究する文化人類学者の著者は、アフリカはコートジボワールの地で、その地では有名な歌手・ダンサーである少女と出会って恋に落ち、結婚に至る。当然ながら異文化の壁は大きい。本書において著者は、「自分と妻との馴れ初めから結婚にい...
少し変わっているけれど、とても面白い。 アフリカ音楽を研究する文化人類学者の著者は、アフリカはコートジボワールの地で、その地では有名な歌手・ダンサーである少女と出会って恋に落ち、結婚に至る。当然ながら異文化の壁は大きい。本書において著者は、「自分と妻との馴れ初めから結婚にいたるまでの体験を、文化人類学の視点をとおして語る」ことによって、異文化を理解する学問である文化人類学の扉を開くことにあると言う。そして本書は著者によれば、個人の生々しい体験を通した文化人類学の入門書という位置付けとのことで、著者自身のフィールドワークであるエッセイ風の民族誌に加えて、文化人類学の歴史、基本的概念の概要、参照文献等が<注>において紹介されている。 これまでフレイザーやタイラーから、マリノフスキー、マルセル・モース、レヴィ=ストロース等の代表的な著作を読んだことはあるのだが、取り上げられているテーマについて実感としてなかなか掴めずに来てしまっていた。本書では、著者自身の体験を通して、ある出来事であったり、民族的出自、身分、親族関係、結婚儀式等について文化人類学の視点から具体的に説明、分析してくれているので、かなり腑に落ちるものとなっている。例えば、レヴィ=ストロースの「女性の交換」理論の説明など。 そして本書の文庫版では、1996年に結婚し1998年に共に日本で暮らすことになった妻との関係などその後を書いた補章が追加されている。「夫婦関係の危機、子育ての心得、日本における異文化交流の問題点、多様性と対峙する心構えについて、思うところを書いてみた」とある。ダイバーシティという言葉は踊っているものの同調圧力の高い日本において、益々定住外国人が多くなり異文化と触れる機会も日常となっているこの時代、果たして異文化とうまく付き合っていけるのか。本書はそうしたことを考え、また実践する上で、とても参考になる本だと思う。
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