商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | KADOKAWA |
発売年月日 | 2024/03/19 |
JAN | 9784041148198 |
- 書籍
- 文庫
100分間で楽しむ名作小説 黒猫亭事件
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100分間で楽しむ名作小説 黒猫亭事件
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商品レビュー
3.4
7件のお客様レビュー
角川文庫さんの『100分間で楽しむ名作小説』シリーズ。装丁の素敵なデザインに惹かれて、ようやく初読みの横溝正史でした。タイトルもそんなに怖くないような〜、、、『黒猫亭殺人事件』だし〜、、、 ちょっとびくびくしながら、明るいうちに。笑 冒頭、「獄門島」から戻り最初にぶつかったと...
角川文庫さんの『100分間で楽しむ名作小説』シリーズ。装丁の素敵なデザインに惹かれて、ようやく初読みの横溝正史でした。タイトルもそんなに怖くないような〜、、、『黒猫亭殺人事件』だし〜、、、 ちょっとびくびくしながら、明るいうちに。笑 冒頭、「獄門島」から戻り最初にぶつかったという「顔のない屍体」事件について、別便で事件に関する書類一切を送るという、金田一耕助が横溝正史宛に出した手紙からはじまっています。本人が作品の中に出てくるとは思っていませんでした。(繰り返しますが、横溝正史、初読みなんです。(´・_・`)) 時代を感じさせる文言や言い回しも、作品の魅力となっていて、ぐいぐい引き込まれます。短い作品ですが、ちょっと重苦しさのある事件が後半の耕ちゃん(金田一耕助)の登場により急速に面白みを増していきます。展開も面白い。ネタバレしそうなので、内容には触れません!笑 【結尾】に、もう一度、金田一耕助からの手紙の文面がきます。そして最後の一文は、横溝正史から読者へのメッセージがー。 「私は正直にいうが、見破ることが出来なかった。読者諸君はいかに?」 私には無理ですね。f^_^; 怖すぎず汗、愉しい時間でした〜。 文字が大きめなのも有り難かったです。(*´︶`*) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 編集部からの後書きに、「本書は昭和四八年四月に角川文庫より刊行した『金田一耕助ファイル2 本陣殺人事件』を底本に再編集したものです。」とあります。 そちらも手に取ってみたい気もしますが、、、あまり怖くないならば、、、。
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『100分間で楽しむ名作小説』という文庫のシリーズだけあって軽く読み終わるが、そこは横溝正史、その中身は決して軽くない。 金田一耕助から作家Y(横溝正史と思われる)への手紙から始まるという趣向も楽しい。 事件のトリックは込み入っていて、金田一の謎解きでは頭がこんがらがったが、ま...
『100分間で楽しむ名作小説』という文庫のシリーズだけあって軽く読み終わるが、そこは横溝正史、その中身は決して軽くない。 金田一耕助から作家Y(横溝正史と思われる)への手紙から始まるという趣向も楽しい。 事件のトリックは込み入っていて、金田一の謎解きでは頭がこんがらがったが、まあ予想の範囲ではある。 やっぱり「本陣殺人事件」を始めとする長編本格推理ものとは比べるべくもないが、横溝正史の雰囲気をそこそこ楽しめる作品でした。 でも猫は殺さないで〜
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横溝正史久しぶり!多分これが3冊目くらい。でも、そこ迄少ない様にも思えない。映画で何作も観ているし、岡山の疎開先には何回も訪れているから。 今回読んで気がついたのは、現代文と全く違和感ない文体のことですね(むしろ現代のラノベっぽい)。しかも金田一本人に「ぼくは学問があるから、と...
横溝正史久しぶり!多分これが3冊目くらい。でも、そこ迄少ない様にも思えない。映画で何作も観ているし、岡山の疎開先には何回も訪れているから。 今回読んで気がついたのは、現代文と全く違和感ない文体のことですね(むしろ現代のラノベっぽい)。しかも金田一本人に「ぼくは学問があるから、とかく、難しい言葉は使ってはいかんのですが、あまり漢語を使うと、漢字制限のおりから、ぼくの記録係が困ります」とまで言わせています。記録係は言うまでも無く横溝正史のことです。とは言いながら、時々「戦々兢々」とかの当用漢字以外が出現するのが、とっても面白い。 さて、今回注目すべきは、金田一耕助が岡山県真備町岡田村の疎開先に突然現れて、横溝正史と初めて出会った場面が冒頭に描かれていることでしょう。いろいろと想像を膨らまして描かれているのに違いない小説の中で、疎開先の描写だけが事実と寸分変わらないのがとっても面白い。曰く。 農家ふうに建っている家のこととて、私の家には玄関などという、気の利いたものはない。その代わりひろい土間があって、腰の高い障子がいちまいはまっている。この障子はとても重くて、あけたてするのに不便だから、日中はあけっぱなしにしてある。土間つづきに四畳半があり、その奥が六畳の座敷になっていた。私はいつもこの座敷に寝ているのだが、胸部に長い痼疾(こしつ)※があって、開放生活に慣れてしまった私は、いついかなる場合でも、家中あけっぴろげてある。だから土間に入って来たひとは、ひとめで奥に寝ている私の姿を見通せるわけである。(6p)※自病のこと で、黄昏時、「獄門島」事件の帰りに、自分のことを小説にしているという男を見に寄った金田一耕助が、横溝正史と初対面するというわけです。 かつてわたしは横溝正史疎開先を訪ねました。この広い土間までは行けるが、そこから先は上がれない。奥の六畳座敷に続く障子は閉められていて、金田一の「影」が浮かび上がっているという仕掛になっていました。座敷に向かって左側には、横溝正史愛用の書斎一式があったと思う。一人暮らしにはまぁ気楽な寓居です。 あ、肝心の推理小説について。なんとまぁ様式美であることか。「顔のない屍体」事件を少し捻っているという点がひとつ。中盤で村井刑事が、推理を披露して当初の見立てが逆転するというのがひとつ。それから金田一耕助真打ち登場で、その推理が更に逆転する。なんか何処かで読んだような構造。 わたしは当然、村井刑事の推理までは予想していました。が、金田一の推理には辿り着けませんでした(悲)。だって、これも金田一あるあるらしいんだけど、途中から新たな材料を出すんだもの(怒)。 「100分で楽しむ名作小説」ということで買ってみました。1日でサクサク読めるのは、確かに快感ですよね。途中お疲れでちょっと寝っちゃったけど、多分100分と少しで読めたと思う。
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