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中国農村の現在 「14億分の10億」のリアル 中公新書2791
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 中央公論新社 |
発売年月日 | 2024/02/21 |
JAN | 9784121027917 |
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中国農村の現在
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中国農村の現在 「14億分の10億」のリアル 著:田原史起 中公新書 2791 中国人民公社は、1958年に毛沢東の肝いりで制度化され、中華人民共和国憲法の成立とともに1983年に消滅した 大量の餓死者を生み、一人っ子政策の遠因となった中国の農村政策を、人民公社の消滅を視野にい...
中国農村の現在 「14億分の10億」のリアル 著:田原史起 中公新書 2791 中国人民公社は、1958年に毛沢東の肝いりで制度化され、中華人民共和国憲法の成立とともに1983年に消滅した 大量の餓死者を生み、一人っ子政策の遠因となった中国の農村政策を、人民公社の消滅を視野にいれて、社会学者の分析したのが本書になる 中国のアキレス腱は、食である。農村の生産性は低いままであり、農産物の安全性は低い。 都市部はスマートテックなどのIT振興政策で発展し、農村との格差は広がる一方である 家族制度や政治との関与について中心とされ、農作物の流通や、農業生産性をいった経済面にあまり触れられていないことがちょっと残念でした。 気になったのは以下です ■人民公社の解体 中国はわずか40年まで、人口の8割程度が農民を占める、農民国家であった 現在の中国の政治や経済、対外関係を理解するために農村社会を理解することを避けて通れない 中国の歴史は、春秋戦国まで続いた封土を各諸侯に分配する封建制ではなく、秦の始皇帝が発明した中央集権的な郡県制がこれまで統治形態になっていた。そして、その最低単位は、2849もの県である 人民公社が1958にできると各農家から余剰食糧をすべて取り上げようとした。そして、これまで食えなければ他の地域に流出すればいいという流浪は禁止され、人口の移動を厳しく制限した。 こうしたことで、大飢饉が中国を覆っていく。そしてのその反省から、一人っ子政策が誕生する。 これ以上増加する人口で、再び大飢饉が起きないように中国政府と国民が選択したからである 1980年代に憲法が改正され、人民公社は解体されていく、所有権は、集団に残したままで、使用権だけが各世帯に分配された ■中国の家 中国の家の制度は、本家分家ではなく、それぞれの家庭が等しく、共同体を形成する 力があるものが、力なきものを養う、大きくなれば、そこから分離して同じように成長していく 結果として大きな共同体ができる、そして共同体の理念は同じ先祖をもつものである 農民が現金収入を得ると ①耐久財の購入 ②家屋の新築 ③孫世代への教育投資 に再配分される より良い未来の生活と、血の流れである 農村に流れるダブルスタンダード ①絶対公平、平等に ②都市住民と、農民住民がことなっても比較しない ■農村の変遷:人民公社解体後 血縁から地縁へ まず人脈とは、近しい家族とのつきあいから始まる 農村をまとめるのは、3つの関係をバランスよく対応できる大人が必要 ①フォーマルな政治・行政の代表として上位政府・国家との調整を行う ②村落コミュニティとして、コミュニティの利益を最大とするように、種々の問題の解決を図る ③幹部であっても、一般の農民の一人である 農民の基底にあるのは、家族主義である ⇒リーダを選挙できめるようになって、プロのリーダが入って来る。かれらは、官だけをみて、農民たちの調整をしなくなる ⇒中間集団の不在、調整者がいなくなってしまう⇒地域代表なのに、地域の調整をしてくれなくなる 農民から中国の中央の距離は非常に遠い。なので、農民のこうした思いが中央へ伝わりにくかった ■習近平政権以後、フィールドワークやりにくくなる ・日本人は拘束され、尋問される ・調査現場には、公安とおもわれる人がまとわりつく フィールドワークは、中国の格言でいる「一万冊の書をよみ、一万里の道をいく」ことだといっています。 目次 まえがき 序章 中国農村の軌跡 第1章 市民との格差は問題か?―農民の思考様式 第2章 農村はなぜ崩壊しないのか?―村落生活の仕組み 第3章 なぜ村だけに競争選挙があるのか?―農村をめぐる政治 第4章 中国農村調査はなぜ失敗するのか?―「官場」の論理 第5章 農村は消滅するのか?―都市化政策と農村の変化 終章 中国農村の未来 あとがき 参考文献 ISBN:9784121027917 出版社:中央公論新社 判型:新書 ページ数:304ページ 定価:960円(本体) 2024年02月25日発行
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封建制と民主主義は相性が良く、中国の農村は早くから封建制度から解放されており、階層化されていないので、民主主義が根付くことは難しいとの指摘には驚いた。 華流ドラマには、盛んに「〇〇家」が出てくるが、中国のそれは家族主義、血縁主義であり、日本の家制度とは異なるらしい。日本の家制度の...
封建制と民主主義は相性が良く、中国の農村は早くから封建制度から解放されており、階層化されていないので、民主主義が根付くことは難しいとの指摘には驚いた。 華流ドラマには、盛んに「〇〇家」が出てくるが、中国のそれは家族主義、血縁主義であり、日本の家制度とは異なるらしい。日本の家制度の原点は中国にあると考えていたので、この点についても驚いた。なるほど九族族滅などを発想するわけだ。 研究調査のわき道からの視点で書かれた本のようだが、本筋から外れたところでいろいろ学ぶところのある本だった。
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中国は都市と農村の2つの社会があると言われる。かつてある日本企業の中国駐在員が中国は農村という植民地を抱える国だ、という発言を聞いたことがある。自分は中国に住んでいた経験があるにもかかわらず農村に足を踏み入れることはなかったが、本書を通じて実態の一端に触れることができた。 中国農...
中国は都市と農村の2つの社会があると言われる。かつてある日本企業の中国駐在員が中国は農村という植民地を抱える国だ、という発言を聞いたことがある。自分は中国に住んでいた経験があるにもかかわらず農村に足を踏み入れることはなかったが、本書を通じて実態の一端に触れることができた。 中国農村は企業や役所といった中間団体が希薄な地帯であり、血統による家族主義に基づいている。日本の村のような地縁に基づく社会とはまた違っている。重視されるのは血縁に由来する人的なつながりである。筆者は、大学などで縁者をリクルートして農村に滞在し調査を行っている。 本書はこうした農村を舞台に農民工の出稼ぎや一人っ子政策といった共産党の施策に果たした基層幹部の役割などを丁寧に論じている。村単位では競争的な選挙が実施されているのは、基層幹部を固定化させたくない統治者側の都合というのは興味深かった。 ただ、近年、特に習近平体制以後は、外国人研究者が中国の農村に分け入って調査することが難しくなっているとのこと。
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