商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 青土社 |
発売年月日 | 2024/01/29 |
JAN | 9784791714599 |
- 書籍
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現代思想(52-2)
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現代思想(52-2)
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知人に勧められ、岡真理さんの小説「その十月の朝に」の部分のみ読了。涙せずには読めなかった。 ガザの人々の長年に渡る思いを垣間見れた気がしたが、自分に何もできず、彼らとは全く違う生活を送っていることに対し、申し訳なさを感じた。世界がガザを生んだのに、世界がその責任を取らないのは、本...
知人に勧められ、岡真理さんの小説「その十月の朝に」の部分のみ読了。涙せずには読めなかった。 ガザの人々の長年に渡る思いを垣間見れた気がしたが、自分に何もできず、彼らとは全く違う生活を送っていることに対し、申し訳なさを感じた。世界がガザを生んだのに、世界がその責任を取らないのは、本当な理不尽だと思う。
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あらすじ(青土社より)いま何が起きているのか?ハマスへの「報復」として、パレスチナの地ではイスラエルによる爆撃と封鎖が続いている。目まぐるしく塗り替えられていく情況からは、しかし決していま始まったわけではないパレスチナ/イスラエル問題にねざす差別・植民・占領の歴史が浮かび上がって...
あらすじ(青土社より)いま何が起きているのか?ハマスへの「報復」として、パレスチナの地ではイスラエルによる爆撃と封鎖が続いている。目まぐるしく塗り替えられていく情況からは、しかし決していま始まったわけではないパレスチナ/イスラエル問題にねざす差別・植民・占領の歴史が浮かび上がってくる。この地で何が起きているのか――その背景となる構造的暴力に目を凝らす。(http://www.seidosha.co.jp/book/index.php?id=3898) アラブとイスラエル(高橋和夫)、ガザに地下鉄が走る日(岡真理)ホロコーストからガザへ(サラ・ロイ)を読んだ上でこちらを読んでみた。 歴史、インフラ、人間動物という表象、ジェントリフィケーション、さまざまな観点から今起きているジェノサイドを紐解く。 特に「小説 その十月の朝に」が心に残った。破壊され、傷つき、家族を、全てを失い苦しむ人々の声はSNS上で目にするし、なぜこの虐殺が始まってしまったのかを客観的に解説するニュースや本は多い。でも10/7にパレスチナ難民の戦闘員自身が何を思い攻撃を仕掛けたのか、主体的な文章に触れることはあまりなかったので読むことができてよかった。やっとの思いで日本まで届いたテキスト、ぜひ読んでほしい。10/7に起きたことは、イスラエルが情報公開しない限り、「どこで誰によって殺されたか」の詳細は不明だが、これを読めば単なる「テロ」ではないことは明確だと思う。 以下、引用 歴史の闘争は既に始まっている。けれどもパレスチナ人たちは、この闘争においていつでも不利な状況に立たされてきた。二一世紀以降の悪魔化されたイスラムのイメージとテロリズムのショックで麻凍した欧米のメディアのほとんどには、パレスチナへの歴史的視座が久落しているからだ。それゆえに私たちは身構えておく必要がある。この不利な闘いのなかで可能なせめてもの抵抗として、瓦礫を読み解く歴史家のように、彼らの言葉にならない声、叫びや泣き声、あるいは沈黙までをも聴き取るために、私たちは注意深くあらねばならないのである。それは死者たちのためにできる最低限のことでしかないかもしれない。 しかし、この最低限のことさえも不可能にするものが、脱歴史化の政治なのだ。これを止めない限り事態が良い方向へと向かうこともないだろう。(脱歴史化の政治――イスラエル、フランス、パレスチナ / 須納瀬淳, p.161) ジェンダーと性に向けられる暴力は、入植者植民地主義、アパルトヘイト、ジェノサイドの中心的なものである。これらのシステムは切り分けることができないほど絡み合っていて、家父長制、グローバルな白人至上主義、植民地主義に依拠している。(死に損ない、生き損ないたちの連帯可能性について / 阿部小涼, p.189) 「この子たちは生涯、切断されたからだとともに生きるのです。からだを切断することとなったこの戦争の記憶、世界がこの戦争と共犯したという記憶、世界がこの戦争に沈黙していたという記憶とともに、です」(小説 その十月の朝に / 岡真理, p.205) 歴史がぼくらに教えてくれることは、独立を遂げた国々はみな、自由と尊厳を渇望する者たちが長い歳月をかけ、夥しい血を流し続けてその果てに、ようやくそれを掴み取ったということだ。植民地主義国家が自ら進んで、植民地の人間たちに自由や独立をプレゼントするなどということはあり得ないのだから。植民地支配に抵抗し独立を求める者たちを、植民地主義国家は徹底的に殲滅しにかかるだろう。それが植民地主義の本質だからだ。(小説 その十月の朝に / 岡真理, p.210) 敵の似姿に堕して自らが怪物となること、他者に自分たちと同じ人間性を認めないこと、それこそが人間にとって真の敗北であるということをぼくたちは、この七十五年間の闘いを通して知っている。 何世代にもわたり難民キャンプで難民として、六〇年近い歳月を占領下で、そして、この十六年間を完全封鎖下のガザで生きることを強いられながら、それでも、ぼくたちはずっと人間であろうと努め、人間性を決して手放しはしなかった。(小説 その十月の朝に / 岡真理, p.210)
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