人間のように服を着て二足歩行で暮らす動物の世界観のＢＬその不吉な見た目から“殺し屋”とあだ名される黒狼の大学教授は誰かに“食べられたい”という欲求を密かに抱いており、ある日それを叶えてくれるかも知れない大柄な山羊の生徒と出逢ってしまい、彼に噛まれたい、食べられたいという欲望をもて余すようになる… という話で、ケモナーＢＬ読んでみたいなと思って試したのですが、黒狼の食べられたい受がわりとイライラする性格でした　高圧的な誘い受けと言いましょうか冷酷そうな見た目の黒狼が実は虚勢張りの可愛こちゃん受！　という方向がお好きな方はたまらないと思いますが、自分は好きじゃないなあそしてセックスシーンが、いいところで暗転して事後描写になっちゃったところも物足りません　せっかくのケモナーＢＬなのだから、もっと性描写も見たかった獣であることが、種に反した食欲のギャップがあることと、毛が生えてる見た目にしか盛り込まれてないなあ、と感じ残念ですしかし、すごく良かったところもあって中盤で登場した黒狼の中学生の時の同級生で、“食べられたい性癖”を植え付けた元凶のキャラクターが登場するのですが、それがキツネなんです黒狼のことがよほど気に入ってたんだな、と感じる粘着質な執着を見せてくるし、とぼけた顔と欲望を剥き出しにした表情のギャップが官能的で良かったあんな受けにはもったいないなと感じるほどですディズニー映画を引き合いに出すのはアレかも知れないですが『ズートピア』のキツネのニックが悪堕ちして成長していたら…の、もしもの姿として読むと、背徳的で刺さりますでもこの話は、一応メインカプが黒狼と山羊なので、キツネはあくまで噛ませ犬にしかならない、キツネなのにメインより良いキャラなのに、本当にもったいないところで、キツネって雑食～肉食動物だけど、動物によっては天敵でもあり、捕食の対象になることもある、生態系の中の狭間の生き物と言えるではないだろうかだから、食べるし食べられる、どちらの役割もこなせるし狡猾で賢い官能的な生き物と、解釈するならばこの話においてメインで掘り下げて物語を作るのに適しているのは、キツネの方だったのではないか　黒狼をめちゃくちゃにしてしまえ！食べる方の山羊の攻も悪くはなかったんですが、キツネの方がエロくていいのにな～って、残念になるのです

Posted by ブクログ

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