オオカミ男とぬりかべちゃん(1) ジャンプC

おだかけんたろう(著者)

• 販売会社／発売会社: 集英社
• 発売年月日: 2024/02/02
• JAN: 9784088838540

商品レビュー

2024/12/25

なんだろう、心の奥底に眠る妙なノスタルジーをこしょこしょしてくるこの感覚は。あれ、私もこんな学生時代を過ごしたんだったかな？

妖怪たちの子孫、半妖怪たちが通う高校「山本半妖学園」。この学園にひとり、目標達成に燃えるひとりの男子がいた。彼の名は〈小上志狼(おがみしろう)〉、オオカミ男の子孫である。彼にはコンプレックスがあった。緊張するとオオカミに化けてしまうのである。彼の目標はひとつ、緊張してもオオカミにならないようになる事。とてもわかりやすい。

志狼に協力するクラスメイトの女子がいる。彼女は〈加部塗美(かべまみ)〉、ぬりかべの子孫である。彼女には「精神的なぬりかべの部分」(p23)があった。壁にぶち当たっている人を見ると萌えるのである。大人しい感じなのに志狼を追い込む時は大胆というか小悪魔的というか、さすが半妖であるな。ちなみに彼女、身体を硬くしたり出来るし食べ物は四角いものが好きだし、志狼ももうちょっと四角くても良いと思っているし、模範的なぬりかべ女子。

志狼に加部さんが与える壁がいちいち可愛い。お弁当のおかずを交換こしたり、手をちょんって触ったり、大したことをしてる訳じゃないのに良い感じに読んでいて微笑ましくて息が絶えそう。

誰にでも薦められるゆるふわ健全スクールコメディ。
わたしはこの感じが好き。

1刷
2024.12.25