情報哲学入門 講談社選書メチエ793

北野圭介(著者)

• 販売会社／発売会社: 講談社
• 発売年月日: 2024/01/15
• JAN: 9784065345979

商品レビュー

2025/08/29

扱われている内容は面白いし，過去の偉人・先人たちの思考を広く整理していて良い本だと思う．
しかし，こういった様々な情報が整理されている本にありがちなのが，この本のゴール（著者が何のために本を書いて読者にどうなってもらいたいのか）が明確に示されていないことである．
本のタイトルにあるように入門書（＝新しいことを学ぶ上での入口的な教科書）なのであろうが，「あれ，私は何のためにこの本を読んでいるんだっけ？」と思ってしまう．
なので，贅沢な希望としては，何か問題提起やオープンクエスチョンを投げかけて欲しいと思った．
今の時代に必読と思うくらい素晴らしい内容がまとまっているだけにその一点が惜しかった．

2024/11/25

図書館で借りた。
タイトルだけで選んでみたが、想定外に面白かった。「情報とはいったい何なのか？」という情報×哲学 というジャンルものだ。技術者側の視点から見ると、昨今の人工知能・ディープラーニング関連でよくある倫理系『人工知能は人間を超えるか』などの延長線のような話題・ジャンルに感じることもなくはない。ある意味では「文系の情報学」とも言えると感じた。
歴史上のいくつかの説を並べて整理していく流れ。カーツワイルのポスト・ヒューマン論にはじまり、マイケル・サンデルやユヴァル・ノア・ハラリなど、いくつかの視点で"情報"をみつめ、整理していくのは興味深い。

これは再読候補。広く技術者にオススメ。