1,800円以上の注文で送料無料

犬がいた季節 双葉文庫
  • 新品
  • 書籍
  • 文庫
  • 1225-01-01

犬がいた季節 双葉文庫

伊吹有喜(著者)

追加する に追加する

犬がいた季節 双葉文庫

880

獲得ポイント8P

在庫あり

発送時期 1~5日以内に発送

商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 双葉社
発売年月日 2024/01/10
JAN 9784575527179

犬がいた季節

¥880

商品レビュー

4.5

83件のお客様レビュー

レビューを投稿

2025/02/05

ある地方都市の高校を舞台に、時代や立場の異なる複数の登場人物たちが織りなす青春群像劇です。物語の象徴として登場するのが、「シロ」という野良犬です。シロは特定の誰かに属するわけではなく、街や学校にふらりと現れては人々の心に寄り添い、時には人生の転機をもたらします。シロの存在が、主人...

ある地方都市の高校を舞台に、時代や立場の異なる複数の登場人物たちが織りなす青春群像劇です。物語の象徴として登場するのが、「シロ」という野良犬です。シロは特定の誰かに属するわけではなく、街や学校にふらりと現れては人々の心に寄り添い、時には人生の転機をもたらします。シロの存在が、主人公たちにとって「何かをつなぐ」象徴となっていることが、物語全体を通じて描かれています。 印象深かったのは、教師として登場する人物が、過去の悔恨と向き合う場面です。彼はかつての教え子に対して適切な言葉をかけられなかったことを後悔し続けています。しかし、シロとのさりげない触れ合いがきっかけで、自分の弱さを受け入れることができるようになります。この場面では、人間の弱さや過去の傷が、時間とともに癒されていく過程が丁寧に描かれており、心に響きました。 また、ある女子生徒が進路に悩みながらも、シロと共に過ごすひとときによって自分の中に眠っていた夢を再確認する場面も印象的です。シロは言葉を持たない存在ですが、ただそこにいるだけで、不思議と人々の心を軽くしてくれます。これは、人が自分自身と向き合うために、時に他者や何か特別な存在の「静かな見守り」が必要であることを示唆しているように感じました。 この作品から学んだことは、日常にあるささやかな存在が、人間関係や心のあり方に大きな影響を与えるということです。シロのように、特に何かを言葉で示すわけでもなく、ただ寄り添うだけで誰かの支えになることがあります。私たちもまた、無意識のうちに誰かに影響を与え、また与えられているのだと気づかされました。自分の人生だけでなく、周囲の人々や出来事に意識を向け、他者とつながりを持つことの大切さを再認識しました。

Posted by ブクログ

2025/02/03

少し前に「雲を紡ぐ」を読んで、伊吹有喜さんの別の作品をと思い読んだ作品。 舞台は高校、登場人物は高校生たちと学校で飼われることになったコーシローという犬。 5話の短編と最終話の6編で、5話の短編は違う年代で主要人物も別々。コーシローは変わらず学校にいて。昭和の終わりから平成の学...

少し前に「雲を紡ぐ」を読んで、伊吹有喜さんの別の作品をと思い読んだ作品。 舞台は高校、登場人物は高校生たちと学校で飼われることになったコーシローという犬。 5話の短編と最終話の6編で、5話の短編は違う年代で主要人物も別々。コーシローは変わらず学校にいて。昭和の終わりから平成の学生生活が描かれて、最終話は令和に。 どの短編も好みだけれど印象に残るのは、、と続けようとしたけれど、どの話も印象に残る。 1話、めぐる潮の音 コーシローとの出会いや名前の由来に触れる1話。あとの話でも触れることが多いためか、ここでの登場人物たちが最も印象に残る。最後にコーシロー視点では胸がキュッと。 2話、セナと走った日 F1をきっかけに男子生徒2人が友情を育む物語。自転車で鈴鹿サーキットまで走る様子は、目に浮かび疾走感がある。レーシング動画を見てみるけれど、現場では相当な迫力を感じるはず。大人になってからは、こんな関係を築くことはないだろうと青春を感じていた。 3話、明日の行方 読んでいて泣いてしまった短編。阪神淡路大震災で被災した祖母と暮らす生活で、現場にいた祖母の描写から震災の恐ろしさが伝わってくる。読んでいる途中で当時の動画を見ると、小さな画面からでも恐怖が感じられる。これを経験した人は夜落ち着いて眠るまでに、どれだけの時間を要しただろうと。。その後も地下鉄サリン事件に触れたりと。 4話、スカーレットの夏 解説で書かれていたけれど、急に援助交際の話が出てきてドキッとしていた。今の辛い現状を変えようとする姿に心が痛む。一方で、こんなことを考えたこともない自分は恵まれているのだと、呑気に生きている自身と将来のために考えて行動する姿が対比として映る。 5話、永遠にする方法 祖父の見舞いをする青年の姿が描かれたあとに、今までの資金援助や相続の話をする親や親族が痛々しく見える一方で、現実もそうだろうと少し悲しくなる。自身が出来ることは何だろうかと考えて行動する姿が心に響く。思い出すたびに、地元の祖父に会いにいきたくなる。 「雲を紡ぐ」でも感じたけれども、焦点を当てる人が少なく、情景描写が好みだから、すごく丁寧に物語が進んでいく。複数の視点で物語を描いていることも丁寧さを感じることの1つかもしれない。 読んでいると同じように、丁寧に日々を生きていこうと感じる一冊。

Posted by ブクログ

2025/01/09

めっちゃ面白かった。 読み応えあった。 なんせ地元を舞台に書かれてるお話やから 親近感があって読んでて楽しい。 「コレ知ってる!あーあの場所ね!」っていうのがいっぱいあった。

Posted by ブクログ