図説 日本語の歴史 新装版 ふくろうの本 日本の文化

今野真二(著者)

• 販売会社／発売会社: 河出書房新社
• 発売年月日: 2023/12/27
• JAN: 9784309763286

商品レビュー

2024/04/03

日本語の変化がわかる図鑑
どう日本語を書き記したかの図鑑でもあります

見開きで一文献、ひとテーマなので内容的に難しくならない。
けど簡単すぎるきらいもあります。
点のように変化する日本語が描かれます
いやもしかすると全体像を描かないようにしているのかも
なんども、これを進化史みたいに考えてしまうのはまずいと注意があります。

2024/02/15

「日本語の歴史」を標榜する本書。しかし、"話し言葉"を記録する手段は長い間「文字化」する以外になかった。そこで中国伝来の漢字を使い始めた奈良時代から、大正時代までの文献資料66例をピックアップして、一つずつその特性を分析している。著者は日本語学の専門家。そのため文献資料の歴史的位置付け等には余り触れず、"日本語がその当時どう扱われたか"に主眼を置いて解説している。一般の人が読むにはちょうどいいが、やや専門家寄りかも。
このような事例集には、この『ふくろうの本』シリーズは向いている。紙質が良く、凡例の文献写真も大きいので、とても読みやすい。個人的には全く知らなかった文献にも出会えて有意義だった。

歴史学を学んで来た者としては、著者が『あとがき』に書いている次の一文が何よりも重要だと思っているので、以下に引用する。
【引用】
八世紀に書かれた『古事記』『万葉集』は残っていないけれども、鎌倉時代の写本はある。それでも十分に古いとみることはもちろんできる。他民族との争いがずっと続いた地域では、文献が残りにくい。あるいは民族内での争いによって、文献が失われることもある。日本においては、そうしたことが少なく、さいわいにも多くの文献が残されている。