宇宙人のためのせんりゅう入門

暮田真名(著者)

• 販売会社／発売会社: 左右社
• 発売年月日: 2023/12/31
• JAN: 9784865283969

商品レビュー

2024/09/11

宇宙人・せんりゅうと、川柳人・クレダの対話で学ぶせんりゅう入門。
川柳って、季語のない俳句みたいなもの、短い短歌のようなもの、と、カンタンに考えていたら、またちょっと違うようだった。
さらに『川柳』のパブリック・イメージとなっている『サラ川』や『シルバー川柳』とも違う、『現代川柳』の魅力。

私が川柳に最初に興味を持ったのは、なんとなく買ってみた川柳人であり歌人でもある平岡直子さんの『Ladies and』というサイン入りの句集だった。

『宇宙人のための〜』にも載っていた句で、

白鳥が流血しています 平岡直子

という句。
意味がわからない。
でも、忘れられない。

『宇宙人のための〜』によると、「意味がわからない」のは普通だそう。
わからないけれど、気になる。こういう感覚を大事にしたほうがいいとも書いてある。

読了して思ったのは、現代川柳って思ったよりパンクっぽいな、ということ。
意外と反社会的というか、“抗”社会的？
社会に抗い、世界を裏返し、脳を混乱させよ。
そんな感じでした☆

声紋が同じ動物ビスケット 小池正博

いけにえにフリルがあって恥ずかしい 暮田真名

みんな夢なのにだんだん腹が立ってくる 楢崎進弘

Wクリックしたなもなかを潰したな 石田柊馬

朝焼けのすかいらーくで気体になるの なかはられいこ

あいされていたのかな背中に付箋 久保田紺

2024/04/20

著者の作っている川柳がどうなのかはわからないが、著者のやっていることはよくわかった。特に「7日目」の章は、「わたし」と「ことば」の関係を著者独自の経験(生き方)の中で考えていて、哲学的でなおかつ感動的。

2024/02/04

　私は俳句も川柳も読むのは好きで、でも詠むのは俳句。それは季語っていうシステムに頼れば私でも表現できるかもと思ったからだった。まだまだ季語wikipediaの編集者になる覚悟にはほど遠いけど。
　現代川柳とボカロの話も納得。どっちも魅力的だと思ってたのが繋がった。

俳句の勉強してる人も是非。