商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | PHP研究所 |
発売年月日 | 2023/12/19 |
JAN | 9784569856162 |
- 書籍
- 新書
未婚と少子化
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未婚と少子化
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少子化が叫ばれて久しい。 どうやら1991年海部内閣のときから危機感を抱き、少子化対策を行ってきているようだ。 菅内閣では「こども家庭庁」が設立され、現在の岸田内閣では「異次元の少子化対策」と称して躍起になっている。 しかしその実は、子どもを持つ家庭にお金を配るということ、そして...
少子化が叫ばれて久しい。 どうやら1991年海部内閣のときから危機感を抱き、少子化対策を行ってきているようだ。 菅内閣では「こども家庭庁」が設立され、現在の岸田内閣では「異次元の少子化対策」と称して躍起になっている。 しかしその実は、子どもを持つ家庭にお金を配るということ、そして議論の中心は財源の話。 本当に、お金を渡すだけで少子化が改善されるものなのか?問題は、その前の未婚・晩婚にあるのではないか?と、かねがね思っていたところで、手に取った本書だが、共感するところが多かった。 諸外国や国内の出生率などのデータを載せた上での要因解析と提案。 やはり学者たるはこうでないと、と感じたところだが、同じ提案をしても出される政府からの案は、相変わらず的を射ていないようだ。 著者がいみじくも言われている、財源を確保して支出を伴う政策を実現することは、政治家にとってはそれ自体が「実績」になる。それが出生率に影響するかどうかはさておき、「児童手当を拡充した」という事実が残るからである、と言うのは、残念ながら腑におちる。 要点 ・出生数の低下の趨勢は変えられないため、それを前提に社会の設計を考える必要がある。 ・少子化で何が問題なのか、クリアすべき課題(すなわち目的)を整理すること。 ・労働力不足が問題であれば、不足しがちなケア労働、農業、建設業などにおいて、効率化や外国人労働力の活用を含めた対策を急ぐ必要がある。 ・出生率に関しては、ここ数年は有配偶出生率の低下の影響が出てきたが、全体的には晩婚化・未婚化の影響が大きい。安定した雇用・賃金や住居など、若い人向けの生活保障に向けた対策が必要になる。 ・一部の市町村で、出生率が上昇した事例はあるが、若い夫婦を引き寄せるだけであるなら、日本全体での改善には結びつかない。 ・時間外労働と転勤は、世界的に見れば珍しい。これらも結婚を妨げる要因になるだろう。拡充すべきは、安定した雇用と賃金のもとで、時間外労働と地理的移動の可能性が少ないような働き方で、若い人が10年後、20年後の自分の姿を想像できるような働き方を広げることである。 少子化対策は、一朝一夕では改善が見えるほどにはならない。 お金を配ると言う短絡的な対策ではなく、社会・経済など含めた、全体の中で改善するしかないだろうし、それが出来るのは政治家のはずだ。 (残念ながら期待は持てないが)
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「少子化対策とは子育て支援のことだ」、「欧米のように婚外子を増やすことが少子化対策になるはずだ」など、少子化問題やその対策については誤解やミスリーディングな認識が多いと指摘し、少子化は複雑で複合的な問題であり即効薬となる対策はないという認識の下、様々なデータや実情を総合的に見た上...
「少子化対策とは子育て支援のことだ」、「欧米のように婚外子を増やすことが少子化対策になるはずだ」など、少子化問題やその対策については誤解やミスリーディングな認識が多いと指摘し、少子化は複雑で複合的な問題であり即効薬となる対策はないという認識の下、様々なデータや実情を総合的に見た上で、バランスの取れた少子化対策の方向性を展望。 個人的には、新たな知見となるような話はそれほどなかったが、誤解され、単純化されがちな少子化問題とその対策について、データ・統計等から導出される知見を丁寧に整理し、議論するための土台を提供してくれる内容であり、少子化対策を考えていく上で有益な書籍だと感じた。 出生数の低下の趨勢は当面変わらないため、目先の出生率を上げることより、出生数の低下を前提としても機能する社会をいかに構築するかが重要との指摘は本当にそとおりだと思う。また、出生率向上のためには、子育て支援策の充実より(、すぐに効果を出すことは難しいかもしれないが)、安定した雇用など、若者向けの生活保障に向けた対策が必要という指摘や、自治体ごとに見た場合、働き口があること、住居コストが高くないことが出生率や人口規模の維持において重要との指摘なども、的を射ていると感じた。
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日本における少子化原因の重くを占めるのは「未婚化」であるが、「子育て支援」政策の分かりやすさ故にそちらに引き寄せられてしまい、結果とチグハグな少子化対策がなされているという話。働き方改革や転勤等の商習慣にも触れていて、「少子化」という課題が数多くの要因が絡み合った結果だということ...
日本における少子化原因の重くを占めるのは「未婚化」であるが、「子育て支援」政策の分かりやすさ故にそちらに引き寄せられてしまい、結果とチグハグな少子化対策がなされているという話。働き方改革や転勤等の商習慣にも触れていて、「少子化」という課題が数多くの要因が絡み合った結果だということを再認識できてよかった。 あとは製造業しか勝たん(が、実態として製造業割合を増やすのは難しい)という話も面白かった。
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