商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 日経ナショナルジオグラフィック社/日経BPマーケティン |
発売年月日 | 2023/11/23 |
JAN | 9784863135680 |
- 書籍
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世界奇想美術館
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世界奇想美術館
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商品レビュー
4.5
8件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
まず、題名。「the madman's gallery」これを世界奇想美術館に訳した人に、拍手を送りたい。そのまま訳したら、ちょっと問題がある気がする。でも、私はそのままでもいいかな、とも思う。 サブタイトルに、異端・怪作・贋作でめぐる裏の美術史、とあるがそこまで裏って感じではなかったように思えたのは中野京子さんの著作を読みふけっているからだと思っている。 この手の本(美術本)にありがちな、つるつるした紙の質感ではなく、普通紙の紙の質感がよかった。私はこのような紙の方が好きである。 大きく分厚い本なので、持ち運びには全く向かない。 いろいろな美術品に焦点を当て、有名であることよりも、作られた背景にある奇想さに焦点を当てている。奇想である、という判断は筆者からみたものであり、その文化の中にいたら奇想でもなんでもない、ものもある(魚拓とか春画とか)。ただ個人の体験から奇想である、と判断されたものは多くの人が、確かに、と思えるものが多いと感じる。 13ページ脚注でアートを使った復讐について書かれている。50~100年後に角が現れるように描かれた肖像画。見てみたい。 オルメカの巨大な頭部、の章に出てくる、米国ヴァージニア州のウィリアムズバーグにある合衆国歴代の大統領の胸像。放置されている、とあるが、もったいないように思えるのは私だけなのか。維持費がとんでもないのか。 ダイバーの墓、の章に出てくる彩色された兵馬俑。発見された瞬間に色を失ったという。色というのはそれだけ空気に弱いものなのか。似た話をほかでも聞いたように思う。墓に描かれた絵、副葬品は生者に見られることを考えられていないものである、という視点に今更ながら気づかされた。 ファン・エイクの「アルノルフィーニ夫妻の肖像」の章。映り込みのことを扱った章である。クララ・ペーテルスの「チーズ、アーモンド、プレッツェルのある静物画」に映り込むビールジョッキ。そこまで描くのが画家という気質を表しているように思う。 「快楽の園」ヒエロニムス・ボスの章。右翼の人物の臀部に描かれた楽譜を演奏した動画がYouTubeで公開されている、というので聞いてみた。単純なメロディーラインだけれど、YouTubeでハープやほかの弦楽器などでハーモニーを合わせて荘厳な感じに仕上げている動画もあって、笑えた。ボスもびっくりしているんじゃないかと思う。 「聖アントニウスの誘惑」の章、ミケランジェロの「聖アントニウスの苦悩」が載っていて、背景がモナリザの背景に通じるものがあると感じる。 「台所の情景」の章、ブラウンが印象的な絵なのだが、そのブラウンの絵の具が問題、という話。ミイラを使っていた絵の具らしい。「民衆を導く自由の女神」で有名なドラクロワもこの絵の具 マミーブラウン を多用しているらしい。うう、ちょっと怖い。虫を使った色素より、私にとっては怖い。 火消半纏の章。もう、凄い。これ、どこで見られるんだろう。火消しといえば、背中に染め抜かれた○組、だけれど、内側にこんな美しい染めがされているなんて。実際に見たい。東京国立博物館にもあるが、メトロポリタン美術館にもあるらしい。やはりこの美しさは世界共通認識か。火消しが終わった後、ぱっと裏返して内側の絵柄を見せる、なんてかっこいい! 「1361年のイネス・デ・カストロの戴冠」の章。身分違いの結婚が生んだ悲劇の話を絵画にしたもの。身分の低い女性が死後、王妃にしてもらうというシーンを絵にしている。おお、王様、一途だ、と思ったけれど、そうしなければ生まれた子供が嫡出子にならない、と書かれているのを読んで、なるほどなあ、と納得した。ライトノベルみたいな本当の話だ。この王妃様の棺が王様の棺の真向かいに置かれているという。最後の審判の後、起き上がったときに最初に顔が見られるように、と。愛されていたのは間違いないように思う。この王妃様の棺も載っているが、とても美しい。お妃様をとっかえひっかえする王様もいる中、この王様、なかなかに一途なほうだと思う。 雑多な印象を書き殴ったが、ほかにもゴヤの章もあったし、ジェレンティスキの章もあった。中野京子さんの著作でもよく出てくるのでこちらで目新しく感じたことはあまりなかったので書かなかった。
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世界のキワモノ芸術紹介。個人的には超個性的かつ人間味のある(人間味しかない)ジョセフ・デュクルーの絵とフランツ・クサファー・メッサーシュミットの頭部像を生で見たいわー
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一味違った切り口で絵画紹介。画家にまつわる逸話や絵の変遷も興味深かった。贋作やAIによる作品にも感心した。
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