商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | ふらんす堂 |
| 発売年月日 | 2023/11/20 |
| JAN | 9784781416076 |
- 書籍
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岡井隆の百首
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岡井隆の百首
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商品レビュー
4.5
2件のお客様レビュー
三回離婚してそれぞれに子どもも居て、四回目の結婚もしている岡井隆さん。そういうことも関係するのか、なにか苦しんでいるような反省しているような翳を感じる歌が多いように感じた。 ーーーーーーーーーーーー 抱くときに髪に湿りののこりいて美しかりし野の雨を言う 匂いにも光沢(つや)あるこ...
三回離婚してそれぞれに子どもも居て、四回目の結婚もしている岡井隆さん。そういうことも関係するのか、なにか苦しんでいるような反省しているような翳を感じる歌が多いように感じた。 ーーーーーーーーーーーー 抱くときに髪に湿りののこりいて美しかりし野の雨を言う 匂いにも光沢(つや)あることをかなしみし一夜(ひとよ)につづく万の短夜(みじかよ) 沸点に近づくなべに苦しくも薄幕は寄る牛乳(ちち)のおもてに 女らは芝に坐りぬ性愛のかなしき襞をそこに拡げて 生きがたき此の生(よ)のはてに桃植ゑて死も明(あ)かうせむそのはなざかり くらがりになほ闇と呼ぶぬばたまの生きものが居て芝の上(へ)うごく オリーヴの沈む器を打ち合ひてわれらはたのし母死に行けど 飛ぶ波のはげしさまさる夕まぐれあたたかな医師それさへ演技 人の生(よ)の秋は翅(はね)ある生きものの数かぎりなくわれに連れそふ 蒼穹(あほぞら)は蜜かたむけてゐたりけり時こそはわがしづけき伴侶 あをあをと馬群らがりて夏の夜のやさしき耳を噛みあひにけり はしり梅雨きみならばわがくるしみを言ひあつるらむ嗄声しづかに 外は陽のあまねからむを戸ざしつつ寂しき愛を学に注ぎぬ やや遠く熱源生(あ)るる家内(いへぬち)の、いまさらどうしやうもないさ、さみだれ くッと言ふ急停車音広辞苑第三版を試し引き居れば 長鼻の「ひかり」が着きてゆつたりと五月雨の下に眼(まなこ)を閉ぢぬ 樹の上で鳴くこほろぎの声きこゆ水のふかさを生きねばならぬ まあドアを締めてこちらへきてごらんいたいたしいほど朝が霊的 つきの光に花梨(くわりん)が青く垂れてゐる。ずるいなあ先に時が満ちてて ああこんなことつてあるか死はこちらむいてほしい阿婆世(あばな)といへど
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すきな歌*** 女らは芝に座りぬ性愛のかなしき襞をそこに拡げて 現実はつね夢よりも豊けしと思いし人は農に赴(ゆ)きたり 葉擦れ雨音ふたたび生きて何せむと病む声は告ぐ吾もしか思ふ 飛ぶ波のはげしさまさる夕まぐれあたたかな医師それさへ演技 定型の格子が騒ぎ止まぬ故むなしく意味を引き寄せにけり 人の生(よ)の秋は翅ある生きものの数かぎりなくわれに連れそふ 夕まぐれ油を移しつつ思ふあぶらの満ちてゆくはたのしゑ くッと言ふ急停車音広辞苑第三版を試し引き居れば 恩寵のごとひつそりと陽が差して愛してはならないと言ひたり くらやみの弟として今犬が垂れている舌 泉のうへに さつきまであなたが座つてゐた椅子に馬具のかたちの夕陽(ゆふひ)差したり 高野川ましろき鷺も凍(こほ)りつつ、さふいふことだ凍鷺(いてさぎ)の罰 樹の上で鳴くこほろぎの声きこゆ水のふかさを生きねばならぬ 苦しみもよろこびもふりをするだけだ傘のなだれてゐた霧生駅 つきの光に花梨(くわりん)が青く垂れてゐる。ずるいなあ先に時が満ちてて *** 岡井隆さんは、以前読んだ本でちらとお見かけして、チャーミングで色っぽく魅力的な方だなと思っていた。 その魅力の一端が垣間見えた気がしてときめく。 この歌集は、岡井さんの弟子である大辻隆弘さんが、数多くの岡井さんの歌集の歌の中から百首選び、解説を付けたもの。 私のような歌音痴でも意味が伝わってきて嬉しい。 つきの光〜の歌は一読して惹かれた。 女らは〜は、歌人であり医師でもある岡井さんならではの歌な気がする。どきっとする。 苦しみも〜は、分かる気がする、と言いたくなる。ふりをするだけだ…。ほんとにね。
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