映画館を再生します。 小倉昭和館、火災から復活までの477日

樋口智巳(著者)

• 販売会社／発売会社: 文藝春秋
• 発売年月日: 2023/11/22
• JAN: 9784163917801

商品レビュー

2024/09/13

2022年8月10日に近隣からの出火による延焼が原因で焼失した、福岡県で長年愛されてきた映画館“昭和館”が新たな“小倉昭和館”として再建されるまでの出来事を、館主の樋口智己さん自らの言葉で綴られたドキュメンタリーです

日本全国のミニシアターを巡り、それぞれの映画館と館長さんを取材する映画『This Magic Moment』にも昭和館と館主さんが出演されてましたが、映画内でのインタビューの場所は、更地となってしまった昭和館の跡地でした
当時は再建のめどはまだ立たない…と口にされていただけに、小倉昭和館として再開されたんだなあ、よかったなあ！　って涙腺に来てしまいました
本当に本当に良かった

しかし映画館という、この時代には利益を上げることが困難でかつ設備投資に莫大な資金が必要とされる事業を行うことは、並大抵のご苦労ではないはずです
でも、そうした苦労をあくまでも“再建のためにはなにをすればいいのか？”という、挑んで越えるべき課題としてとらえていて、再開を不屈の意志でやり遂げられた強さをひしひしと感じました
かと思えばユーモラスに、映画館の売り子の仕事のこだわりのお話も生き生きと楽しそうにされていること、何より映画と小倉昭和館を愛されていることを感じる、清々しいドキュメンタリーだったのでした
いつか、小倉昭和館さんと福岡県に伺えたらいいなあ

この本は小倉昭和館さんと同じく地域のミニシアターの売店で購入したので、映画館から映画館を観に来ました！　ってお伝えできたらいい
映画館で映画を観ることの幸せを下さって、ありがとうということも、たくさんお伝えしたいなあって、切に感じたドキュメンタリーでした

2023/12/07

「小倉昭和館」に行って、映画を楽しもう！
幾多の困難に挫折することなく、映画館の再生に携わった人たちの情熱と執念とエネルギーを、少しでも感じることが出来る自分であることを祈ろう。

「映画がなくても生きていけるけれど、映画のある人生は豊かだ・・・」（ｐ145）
とあり、正しくその通りだと思うが、現在の自分にとっては、
「本がなくても生きていけるけれど、本のある人生は豊かだ・・・」とも読みとれた。
本書を読んだことで、上記の想いに至ったことがそれを証明しているではないか。
「小倉昭和館」で観たい映画は『52ヘルツのクジラたち』（配給会社さん、樋口館主、よろしくお願いします）で、座席は6列・11番（町田そのこさんのネーム入り）で決まり！

2023/10/16

【火事で焼けた老舗映画館が、生きかえるまで】うちはもうダメ……。北九州旦過市場の火災で、歴史ある建物は全焼。三代目の女性館主は、あきらめなかった。完全ドキュメント！