商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2023/11/20 |
JAN | 9784103553410 |
- 書籍
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ともぐい
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ともぐい
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商品レビュー
3.9
143件のお客様レビュー
直木賞作品。美しい日本語の読みやすい文章。それだけでも読書する楽しみにあふれている。決して大作ではないけれど、ページ数以上に濃い物語を味わえる。これも著者が推敲を重ねて、凝縮した結果なのでは。
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狩る側と狩られる側の描写が、緊迫感や臨場感を感じられて良かった。 獣を追いながら生きる熊爪の生き様が、ある意味気持ち良かったが、タイトルの「ともぐい」はこういう事なのかとドーンとのしかかる結末だった。
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日露戦争を目前に控えた北海道の山中で、猟を生業とする男が主人公だ。山中では、そばに犬を従えているだけで獣に近い暮らしぶりだ。時折、山中で狩った獲物や採れた恵みを町の商家に買い取ってもらい銃弾や米を仕入れている。商家の主人は主人公に対して特に厚遇で迎え、良いタニマチぶりが描かれて...
日露戦争を目前に控えた北海道の山中で、猟を生業とする男が主人公だ。山中では、そばに犬を従えているだけで獣に近い暮らしぶりだ。時折、山中で狩った獲物や採れた恵みを町の商家に買い取ってもらい銃弾や米を仕入れている。商家の主人は主人公に対して特に厚遇で迎え、良いタニマチぶりが描かれている。 山中での主人公の描写、特に狩猟場面の描写は秀逸で、その風景、心象とも、読む者をぐいっと引き込み離さない。鹿を狩るときには猟師の矜持を、羆との対峙の時は能力のすべてを出し切る必死の様が描かれている。 羆との戦いの末、けがを負ってしまった彼の生活は潮目が変わってしまう。奇しくも、厚遇で迎えてくれていた商家の没落と時期を同じくし、商家のお妾さんを山中に連れ帰り、一緒に生活をすることになる。日露戦争を目前にした社会の変容の様と、主人公の生活の変化がシンクロし、万物の流転が意識づけられる。 終盤まで読みすすめて一息つくと、タイトルの『ともぐい』が納得できるストーリーではないことに気づく。これは、とんでもない展開がまっているぞ、と、再び読み進めると、思わぬ展開に深い感慨に包まれる。 主人公の名は熊爪という。彼は孤児として生まれ、猟師の下で山中に猟師として育ち、独り立ちした。羆とのやり取りでけがを負い、猟師として生業を立てることができなくなり、人でも獣でもないモノになり果てる。そうしたモノに相応しい最期を、著者は用意した。 図書館の予約で30余人待ちだったのに3か月ほどで順番が回ってきたのも納得だ。私がそうであったように、みな、読みだしたら止まらなかったんだろう。
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