商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 角川文化振興財団/KADOKAWA |
発売年月日 | 2023/10/30 |
JAN | 9784048845632 |
- 書籍
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アボカドの種
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アボカドの種
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商品レビュー
4.2
27件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
かわいいと感じるうたが多かったです。 一方で、世の中の空気は重たいです。戦争、流行病、ご自身の病気や親御さんの老化……。そんな中での息子さんの成長は希望ですね。 2024/10/14 p.9-65 p.13 “ウクライナ今日は曇りというように戦況を聞く” このことばから、最近書かれたうたなのだとわかったしまいました。それがとても悲しいです。 奥付は2023年。わたしの予想はおおよそ当たっていました。 p.17 “手間ひまをかけて生きれば甘くなることもあるよと笑う干し柿” このうた、すきです。 わたしの人生も甘くなぁれ。と言いつつ、もう十分甘いのですけれどね。周りの優しさによって。 p.20 “息子十九” もうそんな歳なのですか! リアルタイムではないものの、赤子の頃のうたを読んだことがあるので、驚いてしまいます……。 p.25 “関係を分類できず見上げれば名前を持たぬ星がまたたく” すべての関係性に名前をつける必要なんてないと思います。 とても仲が良い友人がいますけれど、親友ほどではないと思ってしまい、なんとも名付け難い関係だと感じています。友人以上親友未満? だからといって、その人が大切ではないってわけではないです。好きだから、よく遊ぶし、信頼しているし。……ただ、向こうがどのくらいの気持ちなのかわかっていないだけです。なんだかんだ、重要なことはあまり話していないです。 p.26 “人生は油断ならない 還暦の木箱に小さな恋のブローチ” かわいい表現。 新しい出逢いがあったのですね。すてきです。 p.32 “二人がけの席に二人で座るときどんな二人に見えるのだろう” 恋していますねえ。かわいいです。 きっとお似合いですよ。と、知りもしないのに言いたくなってしまいます。余計なお世話ですけれど。 p.34 “はちみつのような言葉を注がれて深夜わましは幸せな壺” わぁ……! かわいい。 その壺が満たされますように。 p.50 “ イーロン・マスク氏、ツイッターをXに。 言の葉をついと咥えて飛んでゆく小さき青き鳥を忘れず このままでいいのに異論は届かないマスクの下に唇を噛む ” イーロン・マスク氏だから「異論」と「マスク」ってことなのですね。なるほど。 個人的にはTwitter時代に卒業してしまったのですけれど、Twitterではなくなった場所は、随分変わってしまったそうですね。特にネット上では永遠なんてないだろうと思いつつも、こんなにも変わってしまうとは……。 彼は何をしたいのでしょう。大きなオモチャで遊んでいるかのように見えてしまいます。 p.54 “ドラマに夢中になりすぎた私は、放送期間中、もしここで登場人物が短歌を詠んだら……という妄想をツイッターに投稿し続けた。頼まれもしないのに。” 短歌がお好きなのだと強く伝わってきます。 創作をする人たちって、原点はここですよね。溢れ出てくる熱意を形にすること。 この短歌のツイートとドラマを同時に楽しむことができた人たちが羨ましいです。 p.58 “大切な友と友が結ばれて嬉しくて泣く、寂しくて泣く” ……こんな未来が来るかもしれなかったのですけれど、来ませんでした。わたしにとって、それは、良かったのかもしれません。 彼らはそれぞれ、いま、しあわせになっています。多分。 2024/10/19 p.69-151 p.70 “ノンアルのビールを置かぬ売店” 病院の売店だと品揃えが違うのでしょうね。アルコールは売っていないのでしょうか……? p.73 “積み上げた本の背表紙確認しそっと引き抜くジェンガのように” 本好きあるあるですね。 p.74 “「点滴の針は抜いちょきましょうね」と優しく針を抜かれちょる午後” 噛んじゃったのですね。かわいい。 p.94 “「しい」の付く言葉並べる森の午後 雄々しい悔しいイノシシ美味しい” リズム感が良いうた。音読したくなります。 p.102 “手紙書く彼の時間を思いおり84円切手の歌に” もう84円で送れないのだなぁ……と別の切なさを感じます。 p.105 “辛かった過去の記憶を薔薇として三十一文字の花瓶に活ける” 美しいうた……。辛さが和らぎますように……。 p.133 “切り札のように出される死のカード 私も一枚持っているけど” 自分の親へ、ことばにできなかったモヤモヤの正体はこれだったかもしれません。あなたは死を考え始めているのかもしれないですけれど、わたしは人生のほとんど、死が選択肢にあるぞ……と。 p.146 “人生は長いひとつの連作であとがきはまだ書かないでおく” 人生のあとがきって書けるのでしょうか。あの世で考えるのでしょうか。
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ほぼ俵さんと同年代で、自分自身ライフステージが移り変わる中で感じる体と気持ちの変化を、今回の歌集でも感じた。 俵さんが作られたものに限らず、短歌や俳句って「ことば」の奥深さや美しさにあらためて気づかされてくれる。
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図書館にて。どれもクスッと笑える作品だった。中でも受験生の母親目線の作品が、笑える中にも少し切なさがあって好き。
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