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共感革命 社交する人類の進化と未来 河出新書067
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共感革命 社交する人類の進化と未来 河出新書067

山極壽一(著者)

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共感革命 社交する人類の進化と未来 河出新書067

968

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 河出書房新社
発売年月日 2023/10/24
JAN 9784309631691

共感革命

¥968

商品レビュー

3.8

9件のお客様レビュー

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2025/03/12

著者は、7万年前に言語を獲得して認知革命が起きる前に、共感革命があったと推測している。そして、定住生活と文明の発達によって暴力が増していったと語る。 二足で立つと、上半身と下半身が別々に動くので、ぐるぐる回ってダンスを踊れるようになる。また、胸が圧力から解放されて、咽頭が下がり...

著者は、7万年前に言語を獲得して認知革命が起きる前に、共感革命があったと推測している。そして、定住生活と文明の発達によって暴力が増していったと語る。 二足で立つと、上半身と下半身が別々に動くので、ぐるぐる回ってダンスを踊れるようになる。また、胸が圧力から解放されて、咽頭が下がり、さまざまな声を出せるようになる。言葉を獲得する以前の意味を持たない音楽的な声と、音楽的な踊れる体への変化によって、共鳴する身体ができる。この身体の共鳴こそが人間の共感力の始まりで、そこから音楽的な声は子守歌となり、やがて言葉へと変化する。人間はそうやって共感力を高めながら、社会の規模を拡大していったのではないか。 言葉は世界を集団の外と内に切り分けた。集団の仲間を思いやるが故に、集団の外に敵を作っていく。農耕牧畜によって定住が必要となり、土地にしがみつくようになると、自分たちの共同体が努力して得た利益を守ろうとし、外の人たちを敵視するようになる。共同体が生き延びるために使われ、発達もしてきた共感力が、方向性を変えて敵意となって外に向けられるようになった。 ホセ・マリア・ゴメスたちの哺乳類の系統樹分析では、種内暴力による死亡率は、全哺乳類では0.3%、霊長類の共通祖先では2.3%、類人猿の共通祖先では1.8%しかない。霊長類が哺乳類に比べて数倍高い理由は、霊長類が集団で縄張りを構えて敵対する傾向が強いからと考えられている。人類も旧石器時代までは2%で安定しているが、新石器時代、特に3000年前以降の鉄器時代に入ると、15~30%と急上昇する。 京都大学と日立製作所が共同で開設した「日立未来課題探索共同研究部門」は、少子化や環境破壊など149個の社会要因についての因果関係モデルを構築し、2052年までの2万通りの未来シナリオを予測した。その結果、シナリオは都市集中型と地方分散型に大きく二分されたが、地方分散型シナリオの方が持続可能な発展をすることが判明した。望ましい社会を実現するには、労働生産性から資源生産性への転換を促す環境課税、地域経済を促す再生エネルギーの活性化、まちづくりのための地域公共交通機関の充実、地域コミュニティを支える文化や倫理の伝承、住民・地域社会の資産形成を促す社会保障などの政策が有効であるとしている。 AIの活用により、持続可能な日本の未来に向けた政策を提言 https://social-innovation.hitachi/ja-jp/case_studies/hitachi_kyodai_labo/ 今西自然学を起点に棲み分けと多様性を論じた第6章は興味深かった。

Posted by ブクログ

2025/02/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

最近仕事をしていて思うことがある。それは、仕事に追われ自分のことしか見えていない人が、多い。 仕事は、お金を稼ぐためのものなのでそれでいいんだと思う人がいても良いと思う。けれども、一人でできる仕事には限りはある。一緒に仕事をしてるのであれば、皆で一緒に考えて一緒に成長していくほうがいいのでは?と思っており、その原因は共感する力が衰えているのでと思いこの本を読みました。 内容は、人類学的な視点とゴリラ等の生物学的な視点の2つの視点で共感について描かれています。 人類学のところは、専門語が多くまた同じ文章の引用が多く少し読みにくい文章でした。 しかし、私が悩んでいる会社組織の共感する力の衰えている原因が、分かってスッキリしました。 共感とは、相手の気持ちがわかることです。 この共感の上位互換として同情が存在します。 この同情とは、共感したうえで進んで自分から助けることが相手のためになるとわかったうえで行動をすることです。 この同情は、相手と自分の間に知識や能力の差があることを理解ができないと生まれない感情である。 この同情の更なるの上位互換が、視線共有である。 視線共有は、一人ではなく、皆で助けようという気持ちが湧いてきて、誰かがある方向を指差したとき、その方向にみんなが目を向け、その時に何が起こっているかを瞬間的に共有できることである。 まずは、共感を増やすことから始めることでグループの結束は深まっていくので、共感にアンテナをはって仕事に取り組みゆくゆくは視線共有できるような人になりたいと思いました。

Posted by ブクログ

2024/02/25

誰しも幼少期に集団で遊ぶことで個人ごとに習得する共感力。昨今の戦争やSNS被害などは、もともと小さい集団で人間が生きていくために必要であった能力の乱用と言える。協力、共感、共創、人間が人間として生きていくのは必要な理由はなぜか、その解説。

Posted by ブクログ