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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 中央公論新社 |
発売年月日 | 2023/10/23 |
JAN | 9784121027740 |
- 書籍
- 新書
ケマル・アタテュルク
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ケマル・アタテュルク
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ケマル・アタチュルクの人生、業績に焦点を絞った著作。最後に、アタチュルク後のトルコを簡単にまとめている。著者の『オスマン帝国』と併せて読めば、イスラムの勃興から現在のトルコ共和国まで、オスマン帝国とアタチュルクの時代を中心にトルコの歴史をザックリ押さえることができる。 これまで...
ケマル・アタチュルクの人生、業績に焦点を絞った著作。最後に、アタチュルク後のトルコを簡単にまとめている。著者の『オスマン帝国』と併せて読めば、イスラムの勃興から現在のトルコ共和国まで、オスマン帝国とアタチュルクの時代を中心にトルコの歴史をザックリ押さえることができる。 これまでガリポリの英雄でトルコ共和国建国の父という程度の知識しかなかったが、出生や幼年期の経験、友人や女性との交友関係、その当時のバルカン情勢なども追うことでどんな人かというイメージが湧いてくる。 本書の内容というよりも読んで感じたことを何点か記したい。 ・アタチュルクの行動範囲や視界を見ると、サロニカ生まれで軍人時代の任地も関係しているとは思うものの、ロシアも含む欧州との関係が9割以上であり、東は国境を接するアルメニア・クルド・シリア・グルジアあたりまで、オスマン帝国領をどのように確定し、トルコ領内に残ったクルド人をどのように共和国に統合するかという程度で基本的に意識が西に向いている。尤も主要な脅威がそちらから来るからなのだが。 ・アタチュルク後、トルコの政局がクーデターもあって長らく不安定で21世紀のエルドアンの台頭により安定するが、そこでダウトオール外相が提示した全方位外交は、まさに脱欧入亜(イスラム)という意味で歴史的に時代を画するものであったことがよく理解できた。 ・第一次大戦前、セルビアの秘密結社が対オーストリアで暗躍していたが、トルコでも青年トルコ党はじめそれが一般的だった模様。 ・オスマン帝国は専制君主とより権力分立した君主も存在していたが、アタチュルクの独裁志向は専制君主並みであり、それによって非常時を乗り越えられたとも言え、危機においては権力集中も必要かとは思う。しかし、早すぎる死が晩節を汚さなかったのかもしれない。 ・歴史のイフではあるが、ケマルの下でのオスマン軍は、英国正規軍やアンザック部隊を退け、東アナトリアでもロシア相手に敢闘。部隊長レベルではなく、もう少し早く生まれて参謀総長レベルであったらオスマンはまだ続いてかもしれない。 ・その関係で言えば、権力のみならず権威の集中の必要性を感じたからこそ独裁者としてのアタチュルクは、スルタン廃位に続き、カリフも廃位して世俗化を強調している。しかし、政治・軍事なやエリートを含む大多数の国民はカリフの存在には否定的ではなかった。その反映か、死後には徐々にオスマンの歴史的遺産が強調されている(特にエルドアン政権)。 ・権力権威を集中した結果、アタチュルク死後のトルコ政治は不安定なものとなる。カリフ制のみを残せば、日本の象徴天皇制度や欧州の王室制度と同様にトルコの強み・資産になったのではと思う。 ・スルタン・カリフ制は、日本の天皇の権力・権限の変遷を考える上でも比較対象として面白そう。 この辺にしておくが、知識の欠落を補い、色々と思索を拡げさせていただいた本書に感謝!
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オスマン帝国末期からトルコ共和国設立までが分かりやすく記述されている。またケマル・アタテュルクが亡くなってから現代までもダイジェストに紹介されている。
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オスマン・トルコの英雄というか救世主。かつ近代化のために帝国に引導を渡し、トルコ共和国を建国。 帝国主義に対応するために国のあり方を変えるしかなかったところは、日本の明治維新っぽい。直接的なヨーロッパ列強に対抗する様がよく分かる。 オスマンの歴史を持ちながら政教分離に踏み切ったの...
オスマン・トルコの英雄というか救世主。かつ近代化のために帝国に引導を渡し、トルコ共和国を建国。 帝国主義に対応するために国のあり方を変えるしかなかったところは、日本の明治維新っぽい。直接的なヨーロッパ列強に対抗する様がよく分かる。 オスマンの歴史を持ちながら政教分離に踏み切ったのは凄い。でもやっぱり独裁者なんだなぁ。大変革を成功に導くのは独裁体制の方が効果的なんだろうね。
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