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愛とラブソングの哲学 光文社新書1277
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 光文社 |
発売年月日 | 2023/10/18 |
JAN | 9784334100896 |
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愛とラブソングの哲学
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愛とラブソングの哲学
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商品レビュー
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<目次> 導入 哲学とは何か~知識への愛 第1部 愛とは何か 第1章 愛とは感情なのか~潜在性 第2章 愛に理由はあるか~無合理性 第3章 愛は本能なのか~進化生物学 第4章 愛は普遍的か~歴史社会学 第5章 愛に本質はあるか~症候群 第2部 らぶそんぐとはなにか 第6章 愛は音で伝わるか~類似性と連合 第7章 愛の言葉はどう響くのか~学習と共感 第8章 失恋ソングは失恋の傷をどう癒やすのか~記憶の改変 第9章 なぜラブソングは歌われ続けるのか~対談 <内容> 哲学者。前に『美味しいとは何か』を読んでいた。小難しくない哲学書を書く人。今回も第1部は学問的に「恋愛」を分析しているので、若干小難しいが、第2部で恋愛ソングになると、一気にわかりやすくなる。1曲ずつくらいしか例を出さないので、後は勝手に想像することがいいのかも?
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タイトルと帯のキャッチコピーに惹かれて買いました。帯には「この世の中はなぜラブソングであふれている!?みんな恋愛に悩むから?愛が普遍的だから?共感できるから?」とある。最近10歳息子がiTunesで歌詞を読みながらJポップを聴くようになり、ラブソングも多いし、彼にどんな影響を与えているんだろう?という興味もあり。 著者は科学者で、導入にまず「哲学とは何か」が説明してある。この部分だけでも面白かった。哲学と言えば大学のときに「教養」で単位とったけど、ただただ昔の哲学者の言葉を覚えさせられるばかりで、本当に面白くなかった!こんな先生に哲学の何たるかを教わりたかったな。 さて、著者によれば、哲学とは答えのない問題に取り組むことだと考えられがちだが、答えのない問題に(例えば人間とは何か、愛とは何か)向き合い、答えが出せそうなところまで持っていく、道筋をつけるのが哲学で、答えを出していくことになればそれは科学の領域になる(科学にバトンパスすることになる)とのこと。現代では学問が発達し、細分化されているから、哲学はそれを横断的に結び付けて、一つの問に取り組んでいく。 というわけで、「愛とは何か」を、1章で脳科学とか生物学とか社会学とか、色々な知を横断して解明していく。 愛は普遍的ではない。そもそも、「恋愛」という言葉は日本語になかった。西洋から「LOVE」という言葉が入ってきて、それを翻訳する形で「恋愛」という言葉が作られ、恋愛という概念が生まれた。つまりLOVEを知る前の日本人には恋愛という概念がなかったのだ。恋愛感情はもともと本能として人間がもっていたものではなく、歴史上(社会的に?)造られたものだということになる。 異性を見てムラムラしてこの相手と子どもをつくりたい、と思う理由は生物学で説明できるかもしれないが、そう思った相手と家庭を築き、子育てをしたい、年をとっても一緒にいたいと考えるのは、社会学で説明できる。今後多様化が進む時代では、性欲を感じた相手と必ずしも家庭を築かなくても良いかもしれない。一度結婚して子供をもうけたカップルが一生添い遂げなければならないとは限らない。それが正しいという考えは近代に構築されたもので、普遍的ではない。 では何が「愛」と言えるのか。第一部の最後では、「愛」に本質はなく、愛は症候群であると。一般に「風邪をひいた」というとき、風邪らしき症状がみられるけれども、実は風邪、という病気はなく無数のウィルスが存在し、正しく診断しようとすれば〇〇ウィルス感染、となるわけだが、どうせ咳や鼻水を抑える対症療法をするだけだから、いちいち何のウィルスか調べる必要はない。愛の症状も同じで、ドキドキするとか、相手のことが頭から離れないとか、嫉妬の感情がわくとか、なんとなく共通の症状が現れる。つまり風邪と同じ症候群である。 第二部は「ラブソングとは何か」。メロディと歌詞の両面から、ラブソングの何たるかを分析。失恋ソングが失恋の傷を癒すかどうか、という考察も面白かった。 そして私が気になっていた、息子がラブソングから受ける影響。やはりもちろん、影響はある、という結論に至りました。人々は、ラブソングを聴くことで「ラブ」とは何かを学習することになる。だから昭和時代に「あなたにすべてを捧げたい~♪」なんて歌が流行れば、女子は男子にすべてを捧げるのが正解と思ってしまったりするわけで。しかし最近のラブソング(息子が聞いているラブソング)はなんとなく「人間愛」的な要素が多い気がする。異性の愛でも、親子愛でも家族愛でも、友人との友愛でも当てはまりそうな曲が多いから、なんか、いいかな、と思いました!
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音楽はどうしてラブソングが多いのだろうと思っていたので、帯に惹かれて購入しました。原田さんが人の内面を書くのに一番好都合だからと言っていて、たしかにそれはあるかもしれないと思いました。 哲学とは答えがないもので、もっとも見込みのある答えを導くため、批判や反論を重ねて吟味されていくものだとありました。哲学について丁寧に解説してくれていた。 愛に理由がないというお話で無合理、と言う単語を初めて知ったのですが、理由や理屈とは無関係という意味でした。愛は道理に合わない不合理ではなく、道理に合うとか合わないとか言われる筋合いのない無合理だそうです。これは例えや図解が分かりやすくてやっと理解できました。 昔の結婚は愛する人とするものではないということに驚きました。恋愛結婚が推奨される世の中になったのはごく最近のことなんですね。社会に都合がいい愛が正しいと思わされているのかなと冷めた気持ちになりましたが、社会の推奨する愛は一要素であり多くの要素があって愛と言えそうなので、この本を参考にしたりして自分だけの愛を構成するものを考え続けていきたいです。 失恋ソングで気持ちが整理される、自分の気持ちはおかしくないと思える、同じ気持ちの人がいるとわかって孤独感が癒やされるなど、音楽の効力が言葉にされていた。どんな曲も癒しと力を与えてくれることがわかった。 同意したりそれは違うんじゃないかなと考えながら、哲学しながら愛とラブソングについて学べる本でした。面白かった。
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