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るん(笑) 集英社文庫
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るん(笑) 集英社文庫

酉島伝法(著者)

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るん(笑) 集英社文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 集英社
発売年月日 2023/09/20
JAN 9784087445718

商品レビュー

3.2

12件のお客様レビュー

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2024/07/04

世界観が独特で難しかった。 この世界の怪しげな慣習や治療方、そしてそれら信じてやまない人々が気味悪い、、 現代社会に蔓延る疑似科学の類やスピリチュアル信仰への鋭い風刺を感じさせる。

Posted by ブクログ

2024/02/24

終始「なんじゃこら」という疑問と戸惑いと共に読み終えた、幻覚のような小説。はっきり言ってまともではない。 這々の体で本編を読み終えて久坂部羊先生の解説に至り、ここでようやく味方を得た心地になった。久坂部先生も「いったい何を描いているのかと、必死に考えながらページをめくるが、あま...

終始「なんじゃこら」という疑問と戸惑いと共に読み終えた、幻覚のような小説。はっきり言ってまともではない。 這々の体で本編を読み終えて久坂部羊先生の解説に至り、ここでようやく味方を得た心地になった。久坂部先生も「いったい何を描いているのかと、必死に考えながらページをめくるが、あまりの飛躍と難解さに、作者はまじめに書いているのかとさえ思えてくる(もちろん真剣にはちがいない)。疑問符だらけになりながら読み進めると、次第に脳が熱くなり、体温が三十八度くらいになったが、本質が見えないのは私の読み方がまちがっているからではないかと、そこはかとない不安に駆られた。」(p265)と振り返っておられ、私もまさにこの通りの思いであった。 続く解説で、医療小説の書き手である久坂部先生が医学目線からの分析を加えておられる。「現在、病院で行われている治療は、すべて信じるに足ると思っている人が多いだろうが、実はそうでないものも少なくない。」「見方を変えればおかしなこと、危ないことは枚挙にいとまがない。」(いずれもp269)という指摘は意外な盲点ではないか。 単純に反科学や反医学主義者に対するハードパンチなのではないかと理解をした気になっていたが、目線を変えれば現在主流とされている医学も、民間療法と呼ばれるような手法も紙一重の所はあり、いわゆる権威的なものとか胡散臭さみたいなものに巻き取られている無知なわれわれ一般的患者は、それらの間で踊らされている儚く剽軽な道化的存在であるというアイロニカルなメタファーなのではないだろうか。 いやー、難し過ぎますって。再読も厳しいなあ。 解説でこんなにほっと一息出来る作品もなかなか珍しいですね。 1刷 2024.2.24

Posted by ブクログ

2024/02/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

・あらすじ エセ科学、スピリチュアル、陰謀論と科学の信頼度が逆転したお気持ち至上主義社会の日本が舞台。 「三十八度通り」  結婚式場に勤める土屋は毎夜悪夢にうなされ、38度の「微熱」が続く日々。憑かれた体を治そうと自分の免疫力を信じ、様々な方法を試していく。 「千羽開き」 るん(笑)というカルマが絡み合ってできた内なる獣により体調不良になってしまった美奈子。 回復を祈り沢山の知り合いが作って送ってくれた黒い千羽鶴。 言霊の力を信じてひたすら作成者に感謝の言葉を伝え鶴を折りかえす。 「猫の舌と宇宙耳」 小学生の真と友人3人は人類の身代わりになった龍が祀られているという山にいく。そこにはたくさんの骨と初めてみる文字が書かれた様々な機械があった。 ・感想 SNS で陰謀論者とか見るの大好きな私なので割とどのネタにも見覚えがあった。 最初は科学とスピが逆転した世界のくせに電気使ってるし異端扱いとはいえ病院・薬はある。 荒廃しつつあるとはいえそこそこインフラも整ってる。 でも龍?がいたりするしどういう世界観なんだろうと思ったんだけど3作目を読んで把握した。 放射能に汚染され隔離された地域のディストピアものだったんだなぁ… 現状の科学では手の施しようがない地域に人々が取り残され、壊れそうな心を守るために生み出した様々なエセ科学。 「科学が勝てなかった」地獄の話だった。 (おそらく収容施設外の人たちは必死で解決方法探ってるんだろうけど) そこに住んでる人たちみんな体調悪いし、精神も不安定。 教育すらお気持ちが支配しているので、発展しないどころか言語すら危うくなっており退化するしかない現状が描写されている。 信心深い登場人物たちの視点で描写されるから、龍の正体が分かりにくかったんだけど牡蠣ってこと? 1番好きだったのは2作目の千羽びらき。 縁起が悪いからと廃止されたやまいだれに取り憑かれ、最後はやまいだれが使えそうな漢字には全部やまいだれがついてて笑ったw あと言葉を大事にしてきた主人公が最後に自分の追悼文を添削する場面で締めるのはいやミス的でよかった。 読了後に解説読むの結構楽しみにしてるんだけど、今作は解説がかなり微妙だった。 解説を読むことで自分では気づけなかった視点やより物語を理解し、考察する上でのヒントとかもらいたいのに。 特にこういう一見とっつきにくい作品でこそ物語と読者への橋渡しとして解説が重要だと思うのに、正直全く役に立ってなかった。 本人も「なんで自分が?」と書いててるし、解説内容も浅く物語の本質というか構造について解説されてなくてがっかりだったな…。

Posted by ブクログ

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