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モノクロの街の夜明けに
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モノクロの街の夜明けに

ルータ・セペティス(著者), 野沢佳織(訳者)

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モノクロの街の夜明けに

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 岩波書店
発売年月日 2023/09/15
JAN 9784001160482

モノクロの街の夜明けに

¥2,750

商品レビュー

3.8

6件のお客様レビュー

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2025/10/01

1989年のルーマニア革命までの、社会主義国家が舞台の話。 とにかく読んでいて辛い。本当にこんな状況の国が、私が生まれてからもあり続けたのかと思うとゾッとする。周りを盗聴されながら生活する。周りの人間が、家族でさえも密告者ではないかと疑いながら日々を生きる。お粗末なインフラ。毎日...

1989年のルーマニア革命までの、社会主義国家が舞台の話。 とにかく読んでいて辛い。本当にこんな状況の国が、私が生まれてからもあり続けたのかと思うとゾッとする。周りを盗聴されながら生活する。周りの人間が、家族でさえも密告者ではないかと疑いながら日々を生きる。お粗末なインフラ。毎日店に並んでやっとパン1個買えるかどうか。比べるのはよくないけど、太平洋戦争時の日本より悲惨なのでは…と考えてしまう。でもルーマニアの場所すら覚えてなかったので、この歴史を知ったことはよかった。

Posted by ブクログ

2025/09/12

 ルーマニアと聞いて、人々は何を思い浮かべるだろう?  15世紀、吸血鬼ドラキュラのモデルになったワラキアの梟雄ヴラド・ツェペシュが活躍した。第二次大戦後には”社会主義国家”となったものの、“独裁者”チャウシェスクが君臨し、彼もまた、吸血鬼と言われた。本編は二人目の吸血鬼の時代...

 ルーマニアと聞いて、人々は何を思い浮かべるだろう?  15世紀、吸血鬼ドラキュラのモデルになったワラキアの梟雄ヴラド・ツェペシュが活躍した。第二次大戦後には”社会主義国家”となったものの、“独裁者”チャウシェスクが君臨し、彼もまた、吸血鬼と言われた。本編は二人目の吸血鬼の時代である。  1989年のルーマニア、ブカレスト。17歳のクリスティアンは、物おじせず自分の意見を言う祖父と、働く母と三人暮らしだ。ある時、秘密警察に目をつけられ、米大使館員の息子から家庭の情報を得るように迫られる。体調の悪い祖父の薬と交換条件に任務を引き受けるが、家族や親友にも話せず、誰も信じられず過酷な精神状態に追い込まれる。一方で、気になっていたリリアナと付き合い始めるが。  チャウシェスク政権の崩壊のニュースは覚えているが、あくまでも他国の出来事という感覚だった。常に監視され、自由に音楽を聴くことも、発言もできなかった。自由のない時代‐直近の香港が近いだろうか。青春時代など、色とりどりであるはずなのに、邦題タイトルでは、街の色はモノクロだ。自我に目覚め、将来に希望を持った若者たちにとって、政府からの抑圧が、どれだけ毎日を蝕んでいたのか、受けていた心の傷がいかほどのものだったのかが察せられる。言論等圧の波は、いつ起こるかわからない。  やはり本書における衝撃は、クリスティアンが疑っていた、自分をスパイしていた相手の正体だ。本当に、誰の事も信用できない。そうさせてしまったのは、国民を守るはずの国家である。

Posted by ブクログ

2024/07/09

1989年ルーマニア 1989 ペレストロイカ、 ブルガリア、ポーランド、チェコスロバキアと社会主義体制が崩れて、 ベルリンの壁が崩壊して、 なのにルーマニアではチャウシェスク大統領の独裁が続いている、 国が混乱しているときって、ほんとに苦しい。 勇気を持って行動した人もたくさん...

1989年ルーマニア 1989 ペレストロイカ、 ブルガリア、ポーランド、チェコスロバキアと社会主義体制が崩れて、 ベルリンの壁が崩壊して、 なのにルーマニアではチャウシェスク大統領の独裁が続いている、 国が混乱しているときって、ほんとに苦しい。 勇気を持って行動した人もたくさん亡くなっていく・・・ そうした人の犠牲の上に新しい世界が広がっていく。 けれど、それも一概にいいものとは限らない。 世界はそうして動いていくのだろう。 願わくば、良い方向に、幸せになれる世界を!

Posted by ブクログ