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博物館の少女 騒がしい幽霊
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博物館の少女 騒がしい幽霊

富安陽子(著者)

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博物館の少女 騒がしい幽霊

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 偕成社
発売年月日 2023/09/19
JAN 9784038145209

博物館の少女 騒がしい幽霊

¥1,540

商品レビュー

4.1

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2026/02/17

 上野の博物館の敷地内にある「怪異研究所」で、所長の「トノサマ」こと織田賢司の教えを受けながら助手として働く、13歳の少女「花岡イカル」の活躍を描いた、シリーズ第二弾(2023年)。  カテゴリとしては児童書になるけれども、拘りを感じさせる本の装丁や、実在した人物を取り入れて臨...

 上野の博物館の敷地内にある「怪異研究所」で、所長の「トノサマ」こと織田賢司の教えを受けながら助手として働く、13歳の少女「花岡イカル」の活躍を描いた、シリーズ第二弾(2023年)。  カテゴリとしては児童書になるけれども、拘りを感じさせる本の装丁や、実在した人物を取り入れて臨場感たっぷりに描き上げた、富安陽子先生による明治16年の物語は大人が読んでも楽しめること間違いなく、いろんな要素を贅沢に取り入れながらも散漫とならず見事にまとめてみせた、その練りに練られた設定には思わず唸ってしまう素晴らしさが。  「大山巌」と「捨松」夫妻の家で起こり続ける、ポルターガイストを和訳した『騒がしい幽霊』を始めとした一連の謎は、序盤から終盤に至るまでの間の何気ない場面に潜まれた様々な伏線の巧みさと、前作のような不思議要素とが絡み合うことによって、ミステリとホラーを同時に楽しめるようなエンタテインメント性に優れたものである一方で、児童書としての素晴らしさも併せ持つことを忘れてはならない。  それは上記した大山夫妻がそれぞれ薩摩、会津出身である、ただそれだけであること無いこと揶揄されてしまうような背景として、戊辰戦争があったことを知ったとき、ああ、歴史にはただ事実だけではなく、多くの人達の様々な感情がそこには宿っているのだなということを実感し、そうした過程に於ける史実との出会いというのは単に教科書で何があったのかを知るよりも、その影響を受け続けながら生きていた人達がいたのだということを我が事のように感情移入することによって、また違った景色が「戊辰戦争」という言葉から見えてきそうな、そんな感慨を与えてくれた。  そしてイカルが手習いや九九を教える形で関わることになった、大山夫妻の二人の娘「信子」と「芙蓉子」の、表向きはそれぞれにおしとやかで無邪気な様子を見せる反面、その裏では母を失った悲しみを誰にも言えずにずっと抱えていた、そんな胸を打たれるような健気な様は、後妻として彼女たちと向き合おうとする捨松の心中も同様に思われた、そんなお互いの関係性は複雑ではあるのだろうけれども、そこにイカルが仲立ちのように関わることによって、少しずつではあっても変化を見せ始めた展開に取って付けたようなご都合主義的なものを感じなかったのは、きっとイカル自身が両親を亡くした過去があることと、ずっと溜め込んでいて誰にも言えないような苦しみを抱えた子どもたちに向けて本書から放たれた、富安先生のメッセージに感じられた真摯な思いがあるからなのだと思う。  そんなイカルではあるものの、様々な人間関係に喜怒哀楽を見せる姿がまた愛らしく、それは河鍋暁斎の娘「トヨ」との女子同士の山あり谷ありの友情や、普段はぶっきらぼうで素っ気ない様を見せる、トノサマの奉公人「アキラ」の知られざる素顔と共に明かされたイカルとの思わぬ共通点のように、人間とは単純なようでいて実に色々な一面を持っていることを実感させられながらも、それらは決して特別なことでは無い、ごくささやかな日常の積み重ねによって、より鮮やかな彩りを帯びてくるのだということを教えてくれた、そんな富安先生の眼差しは読み終えた後に再度見たとき、すぐにここだと気付くような、表紙や扉絵に描かれた素敵な絵の場面選択にもよく表れていて、そこにはどこにでもあるような何気ない瞬間にこそ、決して失ってはいけない大切なものがあるのだという、そんなメッセージは本書のエンディングとも見事に溶け合っていて、イカルの更なる成長を後押ししてくれていたのだ。

Posted by ブクログ

2025/11/25

「お前も、アキラのこと、大いに心配してやれ。それが薬になる。自分の身を案じ、たいせつに思うものがいると知れば、やがてあやつも、自分をたいせつにすることを学ぶだろう」 (P.279)

Posted by ブクログ

2025/07/22

明治の文明開化の時代を背景とした怪異ミステリーシリーズ第2弾 東京国立博物館の怪異研究所で働くイカルは、ひょんなことから、大山巌、捨松夫妻が住む大山邸で、先妻の子どもの教育係として通うことになる。 二人が結婚してから続いている怪異現象について、極秘に調査することになったのだ。 ...

明治の文明開化の時代を背景とした怪異ミステリーシリーズ第2弾 東京国立博物館の怪異研究所で働くイカルは、ひょんなことから、大山巌、捨松夫妻が住む大山邸で、先妻の子どもの教育係として通うことになる。 二人が結婚してから続いている怪異現象について、極秘に調査することになったのだ。 主人公の少女、イカルが魅力的。歴史上の人物も多く出てきて興味深かった。

Posted by ブクログ