商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 水声社 |
| 発売年月日 | 2023/09/25 |
| JAN | 9784801007512 |
- 書籍
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閉ざされた扉
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閉ざされた扉
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商品レビュー
3.5
4件のお客様レビュー
ドノソの短編作品全部らしい。 特に書内で言及されてないが調べてみた感じ収録順は発表順になってるぽい ドノソは圧倒的に長編の人だと確信。 ● Veraneo y otros cuentos (1955) — 「避暑」およびその他の短編 休暇 名家の息子ラウルとその父親の不倫相...
ドノソの短編作品全部らしい。 特に書内で言及されてないが調べてみた感じ収録順は発表順になってるぽい ドノソは圧倒的に長編の人だと確信。 ● Veraneo y otros cuentos (1955) — 「避暑」およびその他の短編 休暇 名家の息子ラウルとその父親の不倫相手の息子ハイメの交流。 情緒的。歌で自在に人を笑わせたり泣かせたり。 ★同名の二人 小男フアンと彼の行きつけのカフェで働く娘フアナの恋愛。 フアナちゃん可愛らしいのと小金持ったフアンのいやらしさとカフェの店主の人間臭さが絶妙。好き。 ★シロンボ メキシコでは白人をグエロ(シロンボ)と呼ぶ。 メキシコシティのグエロの学者夫婦は夫の執筆活動のため、トラコトラルパンという田舎町へ滞在することに。浅黒い人々だらけのなか彼らだけが白かった。彼らの息子は学校で異彩を放っていた…。 人種間のすげー嫌な話で良い。崇められて調子に乗る息子がクソガキムーブで楽しい。ちょっと夢Qみを感じる。 トラコトラルパン調べたらめちゃ綺麗な街。 ある夫人 主人公は街で中年の夫人を見かける。 何度か見かけるうちに美しくも醜くもない彼女のことが何故か気になって何も手につかなくなる話。 なかなかキモい。 盛大なお祝い 冴えない中年男は射撃でオリンピックに出られることに。それを若い同僚にウキウキながら打ち明けると同僚みんなでお祝いのドライブに行くことに。 マザコンで根暗な主人公の承認欲求が生々しい。 自らを見てるようで居た堪れない。 二通の手紙 たいして仲良くなかったクラスメイトが片方の引っ越しを機に文通する話。 寂しくも人間関係ってこんなもんって感じ。 デンマーク人 酒場の娘が結婚をすることになる話。 元娼婦の母親への軽蔑や嫉妬の感情が思春期満載。 El charleston (1960) — 「チャールストン」 チャールストン いつも飲んでる友達3人組がチャールストンダンスを踊るおっさんに出会う話。 余韻がある。 ★閉ざされた扉 寝るのが大好きな男の生涯を描いた作品。 寝るために生きて、働いて、そのうち寝る以外したくなくなる。 ボルヘスやカフカっぽい。共同墓地送りにしてやる! アナ・マリア 定年間際の男が放置子の少女と交流する話。 ロリコンではない。かわいそうに! 散歩 母親を亡くした娘と父親と彼らの世話をする叔母の話。 ビリヤードで負けてヒスる叔母がよい。 小男 優秀な小男が消えたり再び戻ってきたりする話。 聖人と思ったらそうでもないのがよい。 ● Los mejores cuentos de José Donoso (1966) — 「ホセ・ドノソの最良の短編」 中国 「仕立て直し日本」へ行こう。あそここそ中国だ。 ★サンテリセス 父娘が経営してるアパートを借りる画家のおっさんの話。 部屋を汚す男とそれにキレて絵を捨てる女のそれぞれの嫌なとこが出ていて最高。
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作品紹介・あらすじ 謎のヴェールに包まれた変身あるいは失踪で幕を閉じる物語、これぞ手品師ドノソの真骨頂だ。――オラシオ・カステジャーノス・モヤ 崩壊する日常 眠ることで世界の神秘を見つけようとする男を描く表題作「閉ざされた扉」をはじめ、ネコ科動物の絵を蒐集する主人公が狂気には...
作品紹介・あらすじ 謎のヴェールに包まれた変身あるいは失踪で幕を閉じる物語、これぞ手品師ドノソの真骨頂だ。――オラシオ・カステジャーノス・モヤ 崩壊する日常 眠ることで世界の神秘を見つけようとする男を描く表題作「閉ざされた扉」をはじめ、ネコ科動物の絵を蒐集する主人公が狂気にはまり込んでいく様を描く「サンテリセス」、失職した老人と不思議な少女とが出会う「アナ・マリア」、厳格で気位の高い独身女性がはからずも野良犬と意気投合する「散歩」など、日常からつまはじきにされた者たちの世界を優れた洞察力で描き出す著者の全短編。 ***** ホセ・ドノソという作家名は以前から気になっていた。というのも、筒井康隆がホセの「夜のみだらな鳥」という作品を大絶賛していたので、いつかは読んでみたいと思っていたのだ。ただ「夜のみだらな鳥」はそれなりの長篇であり、期待大で読んで詰まらなかったら落胆度も大きいかな、と躊躇していた。そんな折、書店でホセの短篇集である本書を見つけた。「まずは短篇で様子をみてみよう」ということで手に取った一冊。 結論から書くと、「夜のみだらな鳥」を読んでみたいという気持ちに変わりはなかった。この短篇集全体が傑作というわけではないと思うのだけれど、とびきりに面白い作品が含まれていたのだ。全14篇のうち最初の8篇程は「つまらなくもないけどそれ程には面白くもないな」といった感じだった。ところが9篇めの表題作「閉ざされた扉」がべらぼーに面白かったのだ。続く「アナ・マリア」「散歩」も面白く「前半の作品とは雲泥の差だな」というのが正直なところ。続く「小男」「中国」は今一つだったのだが最後の「サンテリセス」がこれまた面白かった。 全14篇のうち「ああ、面白かった」と思ったのは4篇だけだったのだけれど、その4篇の面白さの密度が濃かったので、「夜のみだらな鳥」に期待してもいいだろうなと思った次第。解説によるとホセ・ドノソは短篇よりも長篇により力を発揮するようなので、余計に期待は増している。それになんだかんだでこの短篇集も結果として面白く読み終えられた。
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20世紀スペイン語圏を代表するチリ人作家、ホセ・ドノソの短篇集。 『夜のみだらな鳥』はいつか読みたいと思いつつ、おいそれと手がでないボリューム感なので、短篇からドノソという作家に近づくことができる一冊がでてありがたい。 開幕の「休暇」は、リゾートで父の不倫相手の息子と親しくな...
20世紀スペイン語圏を代表するチリ人作家、ホセ・ドノソの短篇集。 『夜のみだらな鳥』はいつか読みたいと思いつつ、おいそれと手がでないボリューム感なので、短篇からドノソという作家に近づくことができる一冊がでてありがたい。 開幕の「休暇」は、リゾートで父の不倫相手の息子と親しくなる少年の話なのだが、それをチャイルドシッターたちの噂話を起点に語り始めるのが、この短篇集全体における語り手と語りの対象との距離感を表していると思う。この「休暇」も、土地の神話に少年が取り込まれていく「シロンボ」も、肥満男が魔法のようなステップを踏んで絶命する「チャールストン」も、作中では不気味でマジカルな瞬間がおとずれているのだが、語り手は行動の主体ではなくあくまで観察者であり、陶酔から切り離されている。 この徹底した観察者視点が最高に効果的なのが、弟二人と甥の面倒を見るきわめて実務的な独身中年女性と野良犬との出会いを描いた「散歩」だ。本人も自信作だったらしいけど、私もこれが一番好き。前半で語り手の「私」が吐露する「マティルデ叔母」へのバイアスが強固なほど、雌犬と一緒に笑顔になって消えていったマティルデの背中に大きな拍手をおくりたい気持ちが高まる。他の作品での女性の描き方と比較して、もしかするとこのマティルデは作者の思惑からすらもするりと自由になってしまったキャラクターなんじゃないかと思ってしまう。中年版「エレンディラ」(ガルシア=マルケス)みたいな。「私」には窺い知れないマティルデと犬とのパートナーシップもよくて、先月読んだレベッカ・ブラウンの『犬たち』と対照的なのが面白かった。 逆に、主人公の心情もこまやかに描かれるのが表題作「閉ざされた扉」や「盛大なお祝い」、「サンセリテス」だが、やはり陶酔感はない。「閉ざされた扉」は、寝たいと思えばいつでもどこでも寝れる異能の男が、文字通り夢の世界にいくためひたすら眠るという幻想小説的なプロットだが、夢の詳細が語られることはなく、主人公が孤立していく様子ばかり描写され、コント風のオチが来る。「サンセリテス」は、獰猛な獣の絵に取り憑かれていく過程は気持ち悪くてよかったけど、最終的な狂気に陥るときに少女がでてきてしまうのは弱いと思った。一方「盛大なお祝い」は、軽いタッチながら主人公が抱えるさまざまなコンプレックスを次から次へと描写してきてウワッとなるが、本当に上手い。読んでて「こんな話書かないでよぉ!」と思ったけど、チリにもこういう人いるんだ、とどこか落ち着く気持ちもある(笑)。
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