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キャサリン・マンスフィールド(著者), 宗洋(訳者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 春風社
発売年月日 2023/09/01
JAN 9784861108372

商品レビュー

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2025/11/26

ひっこしと一家  家族のひんやりとした空気がよく伝はってきて、うまい小説だった。バーネル一家は妻のリンダと夫のスタンリー、リンダの祖母フェアフィールド夫人と、娘たちのイザベル、ロッティとケザイア、リンダの姉妹のトラウト夫人と妹のベリル、そして使用人たちのパットとアリスがゐる。  ...

ひっこしと一家  家族のひんやりとした空気がよく伝はってきて、うまい小説だった。バーネル一家は妻のリンダと夫のスタンリー、リンダの祖母フェアフィールド夫人と、娘たちのイザベル、ロッティとケザイア、リンダの姉妹のトラウト夫人と妹のベリル、そして使用人たちのパットとアリスがゐる。  ジワジワと妻のものぐさな性癖や、かっちりとした夫の性格から、おぼつかない程度の不和が伝はってくる。  しかし、一等うまいのは人物の心境、そしてこどもの描写である。こどもがうまい小説に外れなし――これは私の経験則だが、いまのところ外してゐない。  1章では、母親と祖母が馬車で先に行ってしまひ、そのあひだ迎へにくるまで取り残されたロッティとケザイアが、隣家のいたづら坊やたちと一騒動あったりするシーンで、ひっこし後のがらんとした家の空気、くらやみをこはがるケザイアの空気がいい。そのえたいのしれなさの表現はたくみで、いちど読んでみてほしい。  そして4章のアヒルのシーン。  使用人のパットが切り株の上でアヒルの首を斧で切るところを、いとこたちと、女の子たちでながめるシーンがすばらしい。無垢なまでのこどもと、それを読む読者とのあひだに間隙があって、純粋と残酷のグロテスクさがわいてくる。そして首を切られたアヒルが、なほ小川に向かって歩いて行くのをみて、機関車みたい機関車みたいと叫んだり、血を見て昂奮するなど、〈ほんとうに起ったこと〉なのではないかと思ふほど、空恐しかった。丁寧ですばらしいシーンだ。

Posted by ブクログ