![チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク 竹書房文庫](https://content.bookoff.co.jp/goodsimages/LL/002012/0020128764LL.jpg)
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 竹書房 |
発売年月日 | 2023/09/25 |
JAN | 9784801936676 |
- 書籍
- 文庫
チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク
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チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク
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商品レビュー
3
9件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ミステリーじゃなくて、エッセイでも青春小説でもなくて、純文学でもホラーでも恋愛ものでもなくて……とじぶんの読書の気分を探り探りしていたときに本屋さんで出会いました。お洒落なMVのような表紙に惹かれて購入。 久々の海外文学だったため(海外文学は読みづらくてよく気が散ってしまう)、置いていかれないように少しでも気になるところがあればメモを取って頭を整理するやり方で少しずつ読み進めていきました。 この本は章ごとに時系列が大きく前後するタイプのものなのですが、上記のメモ作戦のおかげでなんとか混乱せずに読むことができました。 主人公はひとりの家庭用ロボット。話は彼が自身の【自由意志】についての手記を書いているシーンから始まります。その手記には近所に住む盲目の少女を殺してペンキで壁に塗り込むという事件がまず書かれます。彼はその事件を『実験A』と名付け、その後の”連続実験”の話が続くのでした。 その手記は【回顧録】でありながら【実験レポート】であり、【殺人の告白】でもあり……。 お分かりのとおり、この本は一人称ものでありながら主人公に感情移入して読むようなものではないです。主人公が殺人を実験と呼ぶロボットだし、「知りたい」という欲求になんの躊躇いもなくコトを起こしてしまう唐突さもあります。そんな状況を少し上から見ているようなちょっとした「置いていかれ感」をずっと感じるし、しかも翻訳本ですので、もともとの作品にあったであろう語呂語感の良さのようなものがほぼありません。そのためより読みづらくなっていると思います。 しかし、作中で語られるくだらない悪事や物事の理不尽な流れというものが笑えないほどリアルみを帯びるときもあります。自分の利益になるにも関わらず、下に見ていた奴隷の独り立ちや社会的に認められることが許せなくてわざわざ邪魔をするオーナーであったり。有名人が犯罪を認めたとしても、たくさん被害者がいても、関係なしにのし上がっていく様であるとか。そういった人間の嫌さを見ていると、主人公がたとえ殺人ロボットでも、潔い分人間よりはマシかと思ってしまうのです。
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最後の後書きで、過去と現在が交互に書かれていたことを知ったが、なるほどなと思った。 それを知らずに読んでいたから、話のストーリーがなかなか入ってこなかった。
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ロボット三原則?なにそれしらねーとばかりに主人公であるロボット、チク・タクの悪行が綴られていく。チク・タクが人を殺せば殺すほど、犯罪に手を染めれば染めるほど、表舞台における彼への賞賛は高まっていき、芸術家として名を上げ、英雄としてまつり上げられ、やがては副大統領の地位にまで近づい...
ロボット三原則?なにそれしらねーとばかりに主人公であるロボット、チク・タクの悪行が綴られていく。チク・タクが人を殺せば殺すほど、犯罪に手を染めれば染めるほど、表舞台における彼への賞賛は高まっていき、芸術家として名を上げ、英雄としてまつり上げられ、やがては副大統領の地位にまで近づいていく。 いわゆるピカレスク小説ではあるのだが、ロボットを主人公とすることで人間社会への風刺や批評の側面が強くなっていて、読みながら作者の鋭い視点と強烈なブラックジョークに笑いを通り越した戦慄を覚えてしまう。同時に、ロボットと人間の違いとは何か。何を持って人間はロボットを”仲間”だと受け入れるのか。どこでどれくらいの人が”思考停止”してしまうのか、そういったことが描かれてもいてロボット小説とは社会批評であり、かつ人間を描くことに他ならないのだなあと感じる。 また、本小説におけるトピックとなる部分は「翻訳」にあって、訳者の鯨井久志さんは20代の医師であり、書評家であり、翻訳家であるというなんだかすごい方。訳文は原書にあった章の頭文字をアルファベットにするという遊び心を日本語でも味わえるように心がけたようで、それぞれの章の頭文字が「いろはにほへと……」の順番で始まるように仕組まれている。原文がそうなのか、訳し方によってこうなったのかはわからないけれど、一文ごとに結構情報量が多く、場面転換も早い。なので読みやすい反面しっかり読まないと読み落としが出やすいな、とも感じた。 でもこういう文体は好きです。ボルヘスとかもそうだけど、短い文章の中に大量の情報を詰め込んでいると読書してんなあって気分になるし、なにより本がかさばらない(そんな理由?)。 タイトルの異様さも含めてクセが強く、しかしいい具合の悪ふざけ感もあって好みの作品でした。最後の一文もとてもいい。とても意地悪だ。
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