商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 2023/08/23 |
JAN | 9784065325339 |
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読んでよかった。 満州国。歴史の教科書で習ったくらいの知識しかなくて、当時そこで日本人・中国人がどんな生活をしていたかなんて知らなかった。そして戦争が終わって立場が逆転したことも。 満州国に日本から渡った人たちとその子供の考えの違い。満州国で生まれて育って追われて日本に【帰った】子たちは、どこをふるさとと思うのか。アイデンティティは。 今きっと、そういった人たちが、当時の記憶を持った人たちが数えるほどしかいなくなってきている。もう次の世代に生の声は伝えられない。だからこそ読んでよかった。 日本にとってマイナスな歴史、過去の過ちもしっかり知るべきだと思う。歴史は失敗も勉強してこそだと思う。 二度と繰り返してはいけない。 あかりが考えるように、歴史を学べば現代に置き換えて解決方法を導き出すことができる。 過去の犠牲を無駄にしてはいけない。
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アジア・太平洋戦争末期の満州・新京(現・長春)で暮らす主人公の女学生。新京での日常生活がリアルに表現される。1932年3月1日に建国された満州国では、和(日本)・朝・満・蒙・漢(中)の五族協和をスローガンに国旗の5色旗を掲げた政策とは裏腹に、人種差別が顕著な満州。人種の垣根を越...
アジア・太平洋戦争末期の満州・新京(現・長春)で暮らす主人公の女学生。新京での日常生活がリアルに表現される。1932年3月1日に建国された満州国では、和(日本)・朝・満・蒙・漢(中)の五族協和をスローガンに国旗の5色旗を掲げた政策とは裏腹に、人種差別が顕著な満州。人種の垣根を越えて近隣住民と対等に付き合う両親の元で、学業や戦時動員に励む主人公。戦時動員では和紙の貼り合わせに格闘するが、何を製造するか知らされず、テーマはふ号作戦・風船爆弾。敗戦とロシア進軍で疲弊する生活と逃避行。戦後は、戦中の学友らと連絡をとり、語り部として活動し、明治大学(おそらく登戸研究所資料館)で風船爆弾の証言を行うシーンで幕を閉じる。近年、明治大学山田朗教授の研究や作家小林エリカ氏の小説を通じて、少女たちが風船爆弾をつくらされ、アメリカ人に犠牲者を出した負の歴史を検証しようとする活動に敬意を表したい。
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2024.10.23市立図書館 「文學界」7月号で、小林エリカ✕中脇初枝の対談を読み、小林の「女の子たち風船爆弾をつくる(連載時は「風船爆弾フォリーズ」)」同様に(しかし別の形で)風船爆弾を扱ったというこの本は読まずにいるわけにはいかなかろうと思ってたら、図書館の本棚にちょうどあ...
2024.10.23市立図書館 「文學界」7月号で、小林エリカ✕中脇初枝の対談を読み、小林の「女の子たち風船爆弾をつくる(連載時は「風船爆弾フォリーズ」)」同様に(しかし別の形で)風船爆弾を扱ったというこの本は読まずにいるわけにはいかなかろうと思ってたら、図書館の本棚にちょうどあったのでとりあえず借りてきた。 初出は「小説現代」(2023年6月号)、「風船爆弾フォリーズ」は「文學界」(2023年7月号〜11月号)だったので、まさしく同時期に書かれていたわけだ。 「風船爆弾フォリーズ」は東京のミッション系女学校を中心に戦前から戦後までの長い時間を淡々と描いたが、こちらは戦争末期の満州国新京(長春)に生まれ育った15歳の少女が主人公。章ごとに視点人物が変わる。奇数章は少女自身(わたくし)の語り、偶数章は主人公の周りにいる人物の語り。最後の7章を読むために、ここまで積み重ねられてきたんだなあと圧倒された。「伝言」というタイトルも読み終えると身にしみた。 満州での少女時代の回顧という意味ではずいぶんまえに読んだ澤地久枝「14歳〈フォーティーン〉 満州開拓村からの帰還 」(集英社新書)を思い出した。これまで誰にも話したことのない70年前の記憶をたどって綴られた本で、多感な少女期の体験としては重なる部分も多かった。
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