商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 実業之日本社 |
| 発売年月日 | 2023/08/03 |
| JAN | 9784408650272 |
- 書籍
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死者宅の清掃
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死者宅の清掃
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商品レビュー
3.8
9件のお客様レビュー
孤独は都市生活に付きもののありふれた状態とはいえ、孤独死というものは寂しく、惨たらしいものだと本書を読んでつくづく思う。そんな当たり前の他者への共感さえ、日々さらされる大量の刺激的な情報によって、たいぶ麻痺していたのだなと反省した。 もちろん、表題から予想されるような、グロテス...
孤独は都市生活に付きもののありふれた状態とはいえ、孤独死というものは寂しく、惨たらしいものだと本書を読んでつくづく思う。そんな当たり前の他者への共感さえ、日々さらされる大量の刺激的な情報によって、たいぶ麻痺していたのだなと反省した。 もちろん、表題から予想されるような、グロテスクでショッキングな描写もそれなりにあるが、非日常を見せられるというよりはむしろ、日常生活に目を凝らすと浮きでる現代の地獄を見ている感じがしてくるような文章だった。そこが他の特殊清掃モノと違うところだ。 都市化した社会がないことにしている、孤立してしまった人たちの苦しみや死というものが、腐敗した遺体からものすごい臭気となって、ちゃんと見てくれ、無いことにしないでくれと訴えているようだった。その辺り、孤独死の遺体のシミが霊のように見える傑作Jホラー『回路』と似ている。ただこちらは恐ろしさよりも悲哀が強く、より人間的であり、孤独死のむごさをしみじみ感じさせられる。テレビの向こう側にさせてくれない。 例えばペットボトルに尿を溜め込んでいた部屋の住人の不可解さ。著者と一緒に、どうしてそんなことになってしまったのだと、どんより不安になった。その分からなさにブラックホールのような絶対的な孤独を感じた。著者が丁寧かつ共感的に描く「誰かの残した部屋」にはそれぞれ、そうした割り切れない存在感があった。無視できない異様でゴツゴツしたもの。これが他者性なのかと思う。それを無視し、他者との葛藤から逃れようとするのが心の都市化というものであり、孤独死を量産する社会のあり様でもある。 本書はそんな都市化されてツルツルになりかけた心に再び毛を生やしてくれるような本だった。また、孤独死や少子高齢化など、日本と韓国の社会状況がかなり似ているのも興味深かった。
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韓国の孤独死事情が垣間見える どこの世界も孤独死の実態は変わらないのかもしれない 電気停止の告知書が追い詰められていた人を更に追い詰め、自殺への一押しとなってしまう話や手紙を書くような文章の愛するヨンミンさんへの話は胸がギュッとしてしまう 日本では孤独死や自殺があった部屋は事故物件として格安で借りられることがあるから入居者が集まるし、人が死んだからとアパートやマンションの住民が大勢出ていくことはあまり聞かない気がする 韓国では違うんだな 翻訳者が拉致被害者の方と同姓同名だなと思ってたらご本人だった
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凄惨な自殺現場が生々しく描かれているのかな~とおっかなびっくり頁を捲ってみたけど決してそんなことはなく。特殊清掃というお仕事を通して自省している、日記を読ませてもらっているようだった。 読んでいて所々にパンチラインと感じた文章があったので以下に記載。 『虎は死んで皮を残し、人...
凄惨な自殺現場が生々しく描かれているのかな~とおっかなびっくり頁を捲ってみたけど決してそんなことはなく。特殊清掃というお仕事を通して自省している、日記を読ませてもらっているようだった。 読んでいて所々にパンチラインと感じた文章があったので以下に記載。 『虎は死んで皮を残し、人は死んで名を残すという。そのことわざに込められた名誉至上主義と度の過ぎる人間本位の世界観が私には気に入らなかった』 『人生はとても複雑に絡んでいるようで、実はすべてが食べて生きるという単純な動機から始まっている。』 『苦労の多い人間ほど大きな生きがいを持つといった比例法則のようなものが存在するのだろうか。』
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