商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 早川書房 |
発売年月日 | 2023/08/02 |
JAN | 9784150019945 |
- 書籍
- 新書
郊外の探偵たち
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郊外の探偵たち
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商品レビュー
3.8
5件のお客様レビュー
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ニュージャージー州ウエスト・ウィンザー区のガソリンスタンドでインド人の青年が銃殺された。 現場を封鎖するために四苦八苦する巡査達の下に舞い降りたホンダ・オデッセイ。 出てきたのは、人間というよりはボウリングのボール。背は低く、髪は黒い巻毛でもじゃもじゃ。歩き方は人間というよりペンギン。おそらく、人類の文明の歴史のなかのどの女性よりも大きなお腹をしている。あえて想像するなら、生まれてくる子は大学二年生。 そして、繰り広げられる4人の子ども達とのけたたましいやりとり。 コミカルな登場に困ったさん側の人間かと思えば、実は超絶優秀な頭脳を持った元FBIに仕えたプロファイラーのアンドレア。 出産と共に手放さざるをえなかった、自分が本当に輝けるキャリアを「今」の中に追い求める。 ドタバタ劇とまではいかないが、夫からの家事の協力はないままにやんちゃ盛りの4人の子どもと奮闘しつつ、目下5人目を妊娠中の中、事件の真相を追うという状況には、皮肉やジョークを織り交ぜたコメディタッチの展開が必然。 ともすると疲弊感がまとわりつく設定だが、望む自分の居場所こそ声高に叫べど、こんな現状をも悪い事ばかりではないと前向きに捌いていくアンドレアの姿が好印象。 ちょいちょいシュールで際どいジョークで切り返す会話もにんまりさせられる。 世代を越えた街ぐるみの秘密に切り込んでいくところが面白味だが、比較的早い段階で朧げな輪郭が見えてくる割に、大きな構図の転換もなく終盤まで進んで行くところにもうひと捻りあるとよかったのだが。 作者は、X-Menやデッドプールなどアメコミも手掛けているとのことで、いやー手広くやりますね、と感心。
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- ネタバレ
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めちゃくちゃ面白い、というほどではないけど、楽しめた。 主人公のアンドレアの境遇は、多産DVというやつではないかと思うが、そこへの指摘は無かったな。責任感が強いので子供の世話をするが、それにうんざりすることも忘れてうんざりしながら過ごしてきた、というのがわかる。賢さゆえにジェフからの理想を理解しそれに見合うように努力をしているが、そろそろ限界って感じ。 多人種っぷりがポリコレっぽくて、映画化しやすそう。人種差別による殺人というと、最近読んだ『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』を思い出す。ただ、バラバラ殺人なのは面白かった。 しかし、あの時代に隠蔽された殺人は1件だけなのかはちょっと疑わしい気がした。お話の都合として1件だけにしたって感じ。 犯人の動機もちょっと弱い。ガソリンスタンドの店員を殺したらプールどころじゃなくなるんだろうか。そこらへんの感覚がわからない。今まで通り却下すれば良いじゃんって感じ。 ラテン語の格言の、「愚か者は、悪徳を避けようとして、反対の悪徳へ走り込む」ってのを思い出す。 続編も翻訳されるなら読んでみたいかなとは思った。
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第5子を妊娠中のアンドレアはニュージャージー州郊外に住む専業主婦で、かつてはFBIの優秀なプロファイラーだった。殺人事件の現場に偶然出くわしそこで末っ子がお漏らしをしてしまったことをきっかけに、彼女は落ち目のジャーナリストのケニーと調査を開始する。50年前に地元で発見された骨と今...
第5子を妊娠中のアンドレアはニュージャージー州郊外に住む専業主婦で、かつてはFBIの優秀なプロファイラーだった。殺人事件の現場に偶然出くわしそこで末っ子がお漏らしをしてしまったことをきっかけに、彼女は落ち目のジャーナリストのケニーと調査を開始する。50年前に地元で発見された骨と今回の事件との関連に気づいた彼女は、隠された町の秘密に迫る。やがて明らかになったのは人種差別をめぐる暗い過去だった。「いまはイケてない」探偵コンビが郊外の町で犯人を追い詰めるオフビートな痛快ミステリ。 とんでもないオープニングで、つかみはOK。主役二人以外の登場人物がなかなかいい。実は重たいテーマを軽快に読ませます。
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