野良猫たちの命をつなぐ 獣医モコ先生の決意

笹井恵里子(著者)

• 販売会社／発売会社: 金の星社
• 発売年月日: 2023/07/15
• JAN: 9784323060972

商品レビュー

2024/03/07

息子が4年生の読書感想文で読んだ本。

野良猫の恵まれない命をこれ以上増やさない為に地道な努力を続ける獣医師のモコ先生。
一般的な去勢手術とは違い、モコ先生はエコーなどの特別な医療機器がなくても手の感覚だけで猫の子宮の位置などを確認し去勢手術をすることが
できます。
そのため、モコ先生が野良猫のいる全国各地に自ら出向き一日に何匹もの去勢手術をおこなっています。傷ついた猫がいれば去勢手術のついでに短時間で手当てしてやります。
一般的な獣医師は整った環境の中で猫に麻酔をかけ依頼主からそれなりのお金をとって手術しますが、モコ先生は猫の体に負担をかけないように最小限の麻酔しか使いません。そして格安で手術をおこないます。
猫を本当に愛しているからこそ恵まれない命を増やしたくない一心でそうしているのです。

息子は、モコ先生の姿から「自分にできることは
何かを考え、きちんと行動にうつすこと」を学ん
だようです。

2023/10/14

奄美大島の希少動物を守るため、「ノネコ」を捕獲し有害鳥獣として駆除する「ノネコ管理計画」では2027年までの10年間で3000匹の猫駆除を目指している。
ノネコ(野生猫)は野良猫とは違い、殺処分数にすらカウントされない。
何にも知らなかった....。
新聞の人物紹介欄で、ノネコの譲渡活動を行っている獣医師モコ先生が取り上げられたのをきっかけに、本書を読んだ。

モコ先生こと齊藤朋子さんは覚悟と信念の人だ。
殺処分ゼロを目指して、特定NPO法人ゴールゼロを立ち上げて、野良猫のTNR(トラップ、ニューター:不妊手術、リターン)活動を、日々行っている。
『猪や鹿、熊は駆除するくせに、猫は可愛いいから保護するなんて、おかしくないか？』
『野良猫がいなくなる日を目指して、捕獲器で捕まえて不妊手術を続けるなんて、不自然だ』
こんな言説が、ちらほらと聞こえそうな気がする。
否定はできないけれど、できれば本書を読んで、モコ先生の苦悩と歩んできた道のりを知って欲しいとは思う。
僕は迷いなくモコ先生の側に立ちたいと思った。

色々なことがフラッシュバックして辛かったが、読むべき本に出会えたことに感謝。

特定非営利活動法人ゴールゼロは犬猫の殺処分ゼロをめざします。
https://www.npo-goalzero.org

2023/10/04

思いがけず猫を飼うことになってから、猫関連の本に目がいってしまう笑

モコ先生…。
私と同じくらいの年齢で、こんな風に生きている人、すごいと思った。
手術で失敗したことも、感じたこともリアルに書いてあって。
手術後猫が死んでしまい、ボランティアの女性に無言で睨みつけられ立ち去られたこと、何匹も手術を続け疲れてきていて集中力が落ちていたと後悔したこと。
それでもシンプルに、ナチュラルに、自分の求めることをし続ける姿は尊敬する。
本当に大変なこと、しているのだな、と思う。
読みながら何度も泣いてしまったー。
野良猫たちも、うちの猫も、ボランティアの方たちも、そしてモコ先生も、幸せに暮らせますように。